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スパーク

パン祭りというと
皆はどれくらいの量を買うだろう。

母に誘われて、
デパートで催されたパン祭りに参戦。


わっしょいわっしょいと
たくさん手を伸ばすか、

吟味に吟味を重ねて
必要最低限だけを追い求めるか。


ある出店舗の前で、
りんごパイとクロワッサンで
迷う母に私は言っていた。

「どっちも買ったらいいじゃん」

かつてなら、その2つで
共に悩んでいたであろう私がだ。


直後に、

おぉ…!
これが結婚後の価値観の変化か・・・!

と感動する。



今までの経験上、
片方を買わなかったところで、
もやもやするかというと
そんなこともなく、
選ばなかったもう一方のことは
すぐに忘れ去られるから
買わなかったことを後悔したことはない。


しかし、
「パンは、冷凍すれば日持ちをする」
ことを学び、
外食に行くと食べたいものをテンポよく
選んでゆくわかちゃんに慣れた今、

「あれも気になるし、こっちも気になる。また買いに行くのも面倒だから両方買ってしまおう。」

という結論に至った。


両方買ってみると、やはり
冷凍庫にしまった片方の存在を
忘れてしまったので、

なんだ。
買っても買わなくても
忘れるのは同じじゃないか。

と内省する。


同時に、
普段の買出しを含めてお買い物に
対して寛大になりつつある
自分に少し怖くなる。


伊藤守さんは、記していた。
「意見がぶつかって、スパークして、
そうしたらそこに、
新しい何かが生まれる。
レボリューションとか、
イノベーションとか、
新しい現実とか。

スパークする。
スパークしてもだいじょうぶ。
(中略)
違いを知るのは、
面白さの始まりだから。」
伊藤守『いまここから始めよう』ディスカヴァー・トゥエンティワン,2018,50項51項



「私、今までは
悩んで1つに絞っていたのに、
気になるパン2つとも買ったんだよ!
慣れって怖いね!」

帰ってわかちゃんに言うと

「俺なら10個は買うよ!
全然、慣れてないから大丈夫だよ!」

と返ってきた。


10こか…。
それはなかなか、
手が伸びそうにないなぁ。


けれども、あれ??


今まで当たり前だった、
1つに絞るための取捨選択という
頭脳戦から解放されたことで、
頭の疲労感が、少ないことに気が付いた。








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