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本当に伝えたいこととは


年長クラス。
見本通りに作る取組にて、
「Iちゃん遅いね」
悪気なくNちゃんが言った。

「うぇぇぇ~~~ん」
途端にIちゃんは泣き出した。

「Nちゃん、
もし自分が遅いねって言われたらどう?」

Nちゃんに尋ねると
「別に私は、『遅いね』って
言われても嫌じゃないもん」


ふむ。
それも正解だ。

少しわざとらしく
抑揚をつけて言ってみた。

「『Nちゃん、遅~い!』って
言われたら、嬉しい気持ちになる?」

「嬉しくは、ない。」

続いてIちゃんに聞いてみる。
「Iちゃんは、どんな気持ちになった?」

「悲しい気持ちになった…」
泣き止み教えてくれた。

「そうだよね。
悲しい気持ちになる子もいるから、
自分が嬉しくはない言葉は、
配慮しましょう。」

Nちゃんに伝えたけれど、
なんだか腑に落ちない表情だ。

そうだろうな。
だって、本人は
嫌なことだと思ってないんだもんね。

案の定、
数分後には忘れて、
意図せずポロリ。

「Iちゃん、遅いね。」

そんなつもりではない
受け止められ方は、
大人になってもあるあるだ。

「配慮しましょう」
という言葉を使ったけれど、
はたしてどこまで
伝わったのかは分からない。


帰宅後、
わかちゃんに聞いてみた。

「わかちゃんだったら、
Nちゃんになんて言う?」

「『配慮できるのが、大人!
Nちゃんは、配慮できないんでしょ?
じゃあお子ちゃま!
だって、出来ないんだもんね!
お子ちゃまだね!』って言う。」

・・・なんと腹立つ言い方。
私なら言われたなくないな・・・。

と、思わず笑ってしまう。

そして、今は思う。

「遅い」と言われることに対して
自分は嫌な気持ちにならない
と言ったNちゃん。

それは、ある意味
その子の長所でもある。
言葉に対して
必要以上に嫌味に受け取らない、
前向き、
切り替えが早い、などなど。
だから、一方的に
注意だけに終えるのではなく、
それはあなたの良いところでもあるね
と、伝えられていればよかった。

「Nちゃんは、
嫌な気持ちにならないんだね。
それは、Nちゃんの心が強いという
良さでもあるけれど、
悲しむ子もいるんだって
想像できるようになったら、
もっとかっこいいよ!」

理想の伝え方は、+αだ。

今ある良いところを
見つけて伝えながら、
もっと良くなる方向性を提案する。

まだまだ私も途上だな。
自分の発言も
言い換えると
もっともっと良くなれるはずだ。

記事を見つけて下さり、最後まで読んでいただきありがとうございます。 少しでもなにか心に残るものを届けられていましたら、こんなにも嬉しいことはありません。