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宇宙3歳人

ある年少の
お母様は泣いていた。

レッスンで取り組んだことを
家で全く復習できてないと
プレッシャーを感じ、
子育てが全く楽しめない、
怒鳴りたくないのに怒鳴ってしまう、
どこから軌道修正したらいいのか
分からないと、自己嫌悪に陥り、
自分を否定して、
いっぱいいっぱいに抱え込んでいた。

子育てに正解はないと
頭では分かっていても、
色々と言ってくる外野が
どうしても迷子にさせる。


ある年長のお母様は、
はにかむ笑顔で教えてくれた。

「6月に出産予定なんです」

2人目も男の子らしい。
そうか。
Uくんはお兄ちゃんになって
弟が出来るのか。
きっと、
頼もしいお兄ちゃんになるなぁと
微笑ましい。


私には子どもがいない。

だから、
お腹の中に生命があるって
どういう感覚で
どんな気持ちなんだろう、と
なかなか想像できない。


冒頭のように
3歳〜6歳のお母様が気持ちを
打ち明けて下さるときは、
より一層に強く、
講師面でわかった気になってはいけない、
と自分に釘を刺している。



我が子のことを思って、
一生懸命に
毎日と向き合うお母様方。

それでも、
これでいいのか、 
もっとこうありたいのに出来ない自分、
どうしてあげたらよかったのか、
いつも悩んでいらっしゃる。


そんな風に
常に自分を省みながら手探りで、
子どものために
一生懸命なお母様方。
もうそれだけで
本当に素晴らしいと思う。



聞いたことがある。

出産は、
「鼻の穴からスイカを出しながら、
お尻にソフトボールの拳を
突っ込まれるような痛み」だと。


この世に
新たな命を生み出すだけで、
もうすごいことなのに
その生命にとって母親は
「宇宙」のような存在になる。

お子様が3歳なら、
お母さんだって母親3歳なのに、
突然一人の生命の
絶対的な存在の「宇宙」になってしまう。
そのプレッシャーたるや図り知れない。


家での取組み、家事がなんだ。

ただいるだけで、
誰かの宇宙という
とんでもない役割を担っているのだから
なんにもできていない、
なんて思わなくていい。

涙を流すのも、
自己嫌悪に陥るのも
それだけ一生懸命な証拠。

お母様のその存在が素晴らしい。


怒ってしまったがなんだ。

そうやって、
「子どもに申し訳ない」と、
感情的になったことを正当化せずに、
悩んで苦しんでいるのは、
本気で子どもと向き合っている証だ。

「私は間違っていない!」
という固定観念を持つよりも
ずっと素敵だと思う。


すごく頑張っているなぁと

今までずっとよくやってきてるよと

頑張る自分に気が付いてあげて、

お母さんが、
ほっとして、
上機嫌で笑えるようになったら、

それが
子どもたちにとっての
一番のエネルギー源になる。


上機嫌。
それが、難しいときもあるのだけれど。




私もよく頑張ってるよ。

肩の力を抜いて。
 
 自分のペースで。
       子どものペースで。

  気長に。
       気長に。
     




記事を見つけて下さり、最後まで読んでいただきありがとうございます。 少しでもなにか心に残るものを届けられていましたら、こんなにも嬉しいことはありません。