見出し画像

【詩】焼失

先ず風が止んだ
追い風と向かい風の
区別も無効化された

僕は原っぱに立って
空を睨んでいた
黒い雨が降っていた

何処かで灰が
巻き上がっていた
星が焼かれていた

直上の雲間から炎が
撒き散らされていた
衛星が苦悶していた

原っぱの中でなら
僕は何処へでも
行ける保証があった

僕は原っぱから
出たいと望んでいた
空が黒を垂れ流し

追い風も向かい風も
区別が無くなって
原っぱに一人

この記事が参加している募集

#私の作品紹介

96,671件

#今こんな気分

75,735件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?