見出し画像

【私見】松江の街に「アリーナ」は必要なのか?

お久しぶりです。久しぶりすぎてnoteの書き方を忘れている筆者です。
今日はちょっとしたお気持ち表明的な記事になります。

昨今の #Bリーグ #島根スサノオマジック 界隈では、チームの成績や試合結果だけでなく、現在のチェアマンやリーグが推進する「 #新B1 構想」に向けて、「新設のアリーナを建設するのか?」という議論が大きな話題になっています。
ツイッター上では、アリーナ推進に前向きな論客のツイートが大きな反響を呼ぶ一方で、「期待はしたいけど慎重な考え」の意見も根強くあります。

私なりにTwitter上での意見や自分が全国の会場を回ってきた中で思った考えを、賛成意見、慎重意見両方の立場でまとめてみますね。

【アリーナ新設積極派の意見/アリーナ新設推進の主張するメリット】


①スサノオマジックの試合だけでなく、大きなライブや他のスポーツイベントなどのハコとして期待ができる。
→発想としては #沖縄アリーナ のスキームですね。沖縄アリーナレベルの建物になると、試合を「する」ことよりも「見る」ために特化した構造になっているので、エンターテインメント性は高くなります。スサノオマジックには #バンダイナムコ がバックについているので、そこの応援も期待できるんじゃないかという考えもありそう。

沖縄アリーナはマージですごかったんですわ

②地元にエンタメの資源があることによる経済効果が期待できる
①と関連して、大きなイベントがあればそれだけ地元にお金が落ちたり、少し飛躍しますが、地元に魅力を感じてもらえる若い世代が増えるのではないかという希望的観測を抱くことができます。
これはフェスで例えるとイメージがつきやすいのではないかと思いますが、イナズマロックフェスで滋賀県に、モンスターバッシュで香川県に、それぞれ人がどれくらい集まって地元にどれくらいお金が落ちてるか、みたいな話だと思います。
それこそ「 #バンナムフェス を島根のアリーナでやれたらめちゃめちゃ夢があるよな」というツイートをした気がします。

バンナムフェスのライブ、一度行ってみたいんだよな(選曲は完全に筆者の趣味です)

③大規模事業として地元の建設業者・工務店・その他利害関係者に恩恵がある
めちゃくちゃオブラートに包まない現金な言い方をすると、「土建屋が儲かる」ってやつです。でもそれってめちゃくちゃ重要で。大きな産業があまりない島根県において、公共事業以外で建設業界に大きな事業が舞い込むのはすごく経済的には重要な意味を持つと思っています。
ただ、これデメリットのところでも述べますが、「負の遺産」になってはいけないなというのが常にあり。ハコが大きければ大きいほど維持も大変になってきますからね。あとはわりと得てしてこういう大きな事業は汚職の温床にもなりがちなのでそこも市民としては注視していかないといけない。

サッカーW杯で使われた大分ドームも債務返済に苦しんだとか。めちゃくちゃいいハコなんですけどね

【アリーナ新設慎重派の意見/アリーナ新設反対派の主張するデメリット】

①そもそも今の総合体育館が新しいのに、また新しいハコを建てるのか問題
自分は松江を離れて久しいのでよくわからんのですが、今の松江市民にはこの感情結構根強いんじゃないかと勝手に思っています。それこそ「土建屋が儲かる」みたいな話にアレルギーがある人だって多いと思うし、相当古くなっている市役所の建て替えで大揉めしてるくらいには財政ヤバめの松江市にそれ期待する?みたいな話もあるでしょうし。だからといって「バンナムに全部おまかせする」ってのも違うでしょ、みたいな話で堂々巡りしている印象は否めないです。

規模は新B1基準をみt満たさないとはいえ、十分「綺麗な体育館」ではありますよね・・・

②いざアリーナを建設したところで、「負の遺産」にならないか?
これもよく言われているのですが、結局アリーナを建てたところで維持管理は市民の負担になるということです。場合によっては税金で賄っていくことになる。
それこそ先程大分のドームの写真を出しました。あそこもワールドカップ誘致でハコを作ったはいいけど、肝心のサッカーチームの成績があまり安定しない(J1行ったかと思えばJ3に転落してみたり)みたいなこともあって、仕掛け人の偉い官僚を糾弾する動きも出たりという話があります。
しっかりあとの時代を見据えて作る必要がありますよね。

③ガラガラのアリーナでプレーする選手は果たして幸せなのか?満員の体育館でプレーしたくないのか?
実はこの視点って結構重要な気がするのです。具体的なチーム名を出してしまって恐縮なのですが、先日長野のホワイトリングという会場に #信州ブレイブウォリアーズ の試合を見に行きました。ホワイトリングはオリンピックのスケート競技に使われた立派なハコで、規模も大きいのですが、その日の観衆は2100人とそこまで極端に少なくはないはずだったのに、規模が大きい分だけ「2000人入ってる」実感がないくらいにはガラガラな感覚を覚えてしまったんですよね。

大きなハコの2000人と小さなハコの1500人はどっちが幸せなのか?

島根は近年でこそ安藤誓哉やペリンビュフォードといったリーグを代表する選手がいますが、ぶっちゃけ遠征先では不人気カードだ、そんな現実を見た試合でした。それと同時に、島根を遠征先として見たときにも、僻地のディスアドバンテージがあるので多数の遠征民がわんさか訪れるみたいなのも期待しづらい。そこで大きなハコを建てることは正解なのか?筆者は少し疑問に思います。

【結論】大事なのは、ハコのサイズがどうあれ、集客するための努力

個人的に「有明の奇跡」と呼んでいる、B3の開幕戦で驚異の9000人を動員した「東京ユナイテッドBC」の開幕戦。

この開幕戦で、近隣のタワマン街にチラシ撒いたりPR活動を熱心に汗かいてた知人がいます。
東京の人口密集地帯とはいえ、B3の試合でも9000人集められる。このことはどこのクラブにもインパクトがあると常々筆者は言っています。

さて、話を戻すと、筆者は「現状のままだと島根のアリーナ建設には賛成できない」という立場ですが、「総合体育館の満員札止めが当たり前になった」ら多分手のひらを返すと言うか、その機運は高まった、と言える、そんな考えです。
島根はクラブの認知度が全国でも有数。新聞やテレビでスサノオマジックのニュースを聞かない日がないくらいには浸透しています。だからこそ、そのイメージを下げないまま、まずは「会場に足を運んでもらう」「常日頃から満員の総合体育館を作ってもらう」、そこがスタートラインになるのかな、と思っています。


【1/4追記 ツイッター上でたくさんのご意見をいただきました】

この記事を上げてからというもの、島根ブースターの重鎮(?)の皆様にも多くの反響をいただき、Twitterでは翌日にかけてタイムラインがアリーナの話、議論で埋め尽くされる状態に。議論のきっかけになれたのは嬉しい反面、いろいろご指摘を受けるところも多く勉強になりました。

筆者のブログに対する指摘 その1 全体を通した対案
マジックを応援している方の著名なブログですが、こちらに引用で取り上げられたのが大きかった。

特にこの記事で指摘した問題点に関して、ある程度の答えを用意してくださってます。

筆者のブログに対する指摘 その2 アリーナの建設費用に関連して
「松江市の財政状況」に関して、大丈夫なの?というコメントをこの記事で書きましたが、市の土木状況の予算・決算の財政資料を読む限りうまいこと回しているので問題なさそう、というご指摘をいただきました。

さらにこの方は続けて、島根原発関連の交付金などを当てにできるのだとすれば、おそらく新しい箱物を建てる予算はできるだろう、という観測をしています。発電所関連はデリケートな話題ですが、そういうメリットもありますよね。

また、スサマジの株主・役員を経験された方からも、こんなご意見をいただきました。

アリーナの建設に関して、具体的なスキームに関しての提案をいただいてます。実際既存の補助金などの仕組みを使うのは重要だというのは筆者も同意見です。

筆者のブログに対する指摘3 「アリーナと体育館」の違いに関して

アリーナと体育館の違いはなにか、みたいな話はわりと既に議論されていて、特にこちらのツイートは前のBリーグのチェアマンにもRTされるなど反響を呼びました。(この方はバリバリのアリーナ推進派の論客です)

それに加えて、建築に携わっているという方からはこんな指摘も。

建築費もうまくメリハリをつけて、かけるべきところとそうでない部分を分ける、であるとか、今の総体のセンタービジョンについての裏話的なことをご指摘いただいてます。これはとても勉強になるツイートでした。

筆者のブログに対する指摘 その4 負の遺産にならないか、みたいな話
この記事でも大分の話をしましたが、実際に大分在住の方からもコメントをいただきました。

これはすごくクリティカルな意見で、なんとなく「市民の宝」とか「県民の財産」で推し進める危険性をこの方は説いています。具体的にどういう使用用途で使われ、どれくらいの経済効果をもたらすかをしっかり試算して、不要論を少しずつ払拭させる必要がありそうです。

筆者のブログに対する指摘 その5 具体的な建設用地に関するアイデア
議論の中で少しずつ見えてきたこともあります。

https://twitter.com/walkman_ykt/status/1607945450824560645

こちらは秋田ブースターの方の意見。(建元は建物の誤字だそう)
大型ショッピングセンターの一部にするというのは一つのモデルになりそう。

もし多目的アリーナにするなら・・・という仮定ですが、こんな意見も。


こちらはスサマジの戦術についてブログを書かれている方の意見ですが、すごくワクワクしますよね。

また、これは琉球ブースターさんの意見ですが、商圏・商域の設定も重要だというご指摘も。

これ、広域商圏で見るんだったらアリーナは郊外型(ショッピングモール併設?)になるだろうし、松江商圏に軸足を置くなら、中心市街地の再開発事業と一体で、というのも面白いかもしれないし。

あくまでアイデアベースですが、筆者もこんなツイートをしています。夢が膨らむ。

引き合いに出しているのは長岡の既存の施設と高知の既存の商店街です。特に高知の商店街にある「ひろめ市場」、あれ、観光客も地元の人も集客できていて、賑やかなんですよね。

中心市街地の活性化事例として頻繁に取り上げられています

試合のある日はアリーナとして、そうでない日は多目的施設として、人が集まる何かしらの「核」が中心市街地にあるといいよね、というのは常日頃からの持論なので、(もちろん殿町近辺へのこだわりは私情強めですけれど)そういった議論が今後もどんどん進んでくといいな、とは思います。


この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?