マガジンのカバー画像

糸を手にしてから織物ができるまで。

42
日々の仕事風景をすこしづつ切り取って、つづっています。 下絵→図案→紋意匠図→紋図→糸を選ぶ配色→機場で製織→完成! これらの工程で込められている思いや祈りなどに触れてもらえる機…
運営しているクリエイター

#引箔

ねことドーナツ

ねことドーナツ



以前からずっとあたためていた図案をおこして、今年のはじめに帯にしたものがいくつかあって、その時は黒の経糸がかかった機ばかりで織ったので、今回は白の経糸で織る配色をいくつかしてみました。

まずは、一つ目のご紹介。

『ねことドーナツ』、上の写真は今年の初めに配色された名古屋帯のお太鼓部分。

ドーナッツの円のなかから白猫がのぞいています。

チョコレートのかかったドーナツのように、ピカピカ光る

もっとみる
紙と裂が織り合わさって一枚の布に。

紙と裂が織り合わさって一枚の布に。

独自にコラージュした和紙と大島紬の緯糸(よこいと)をあしらった帯が織り上がってきました。

白色の経糸と、黒色の経糸をそれぞれ掛けた機の2台をメインに動かしており、それぞれの帯がようやく手元に届いたのでご報告です。

下のような、和紙に和紙を貼り重ねて、3ミリ幅に裁断した引箔をよこいとに、アクセントとして織り込んでいるものです。

こちらの制作過程については、前回と前々回の記事をご覧ください。

もっとみる
一枚の紙が緯糸(よこいと)になるとき

一枚の紙が緯糸(よこいと)になるとき

こちこちと数種類の和紙をちぎっては貼り、ちぎっては貼りを繰り返していた45センチ×60センチ幅の和紙が、裁断から返ってまいりました。

このように、45cmの幅に平行にして、1本1本ごとに細くスライスされています。

今回裁断屋さんへお願いした切幅は、約3mm。このような細くスライスした状態にした和紙などのことを西陣織業界では、『引箔-ひきばく』と呼んでいます。

今回創作したこちらの、緯糸(よこ

もっとみる
古事記ちらし

古事記ちらし

世間が動き始めたのと連動して、私たちの仕事もにわかに動き始めました。

☆☆☆☆☆★☆

本日の仕事は久々に創作的なもので、ちょっとおもしろい作業でした。

様々な種類の紙を引っ張り出してきて、ちぎったり重ねたりしながら、45センチ×60センチサイズの土台の和紙の上にコラージュしていくというもので、

わくわくしながら作業を進めているところです。

さてこの、45センチ×60センチサイズのこの紙は

もっとみる