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#宿命の守護烙印 外伝Ⅲ

挿絵と校正が整いましたので、外伝Ⅲを投稿致しました(また長いです)。

今回はさほど大きな注意点などありません(盗賊の襲撃場面があったり、怪我する場面とかはありますが)ので、特に注意喚起の為の有料化設定にはしておりません。

前回や前々回とは異なり今回のお話は完全に過去の話となりますが、このお話の終わり部分が本編の最初に起こる汽車強盗団の話へと繋がっていく形となります。

(今回のお話は総じてレモンバームが寝てる時に見た夢(過去の記憶)みたいな設定なので、前回の外伝同様に色んな時系列の話や歴史聖書の話までもが入り乱れています。)



本編にて「そのうち書く」とか言っていた、レモンバームが頭に怪我をした時のお話ですね。

ただ合間合間に千年前の気風属性の継承者のお話が入っているので、少しややこしい構成となっているかもしれません。

(フローリアンが大気圏まで光翼で飛んでいく場面は、宮沢賢治の『よだかの星』をイメージしています。)

そういえばレモンバームのマフラーはメチャクチャ長いですが、実は風の力を使って少しだけ地面から浮かせているので汚れないそうです(つまりドラ○もんと同じ)。

ミッドが作ってくれたターバンは、現在レモンバームが頭につけている輪っか状のバンダナの事です。

(外傷性視神経症については本編第Ⅲ章第31節にて書いておりますので、そちらをどうぞ。

 正確には、医学書などで調べる事をオススメ致します。)



ハーヴェスター家に行く道のりの細い橋は、アイルランド伝承で英雄クーホリンが少年期に修行をその元で行なったスカサハ(町の名前にもなっていますが)という女性の戦士の家がモデルとなっています。

(シェーナさんとミッドは特殊な力を持つ種族ではなく普通の人間族なので、シェーナさんが橋を渡る奥義を身につけたのはまさに気合いと根性のなせる業。

 そもそもこの橋をジャンプで越えられるようになるという目標で、こんな所に家を建てたのだとか・・・家族は迷惑では;?

 ただ餓えた狼にとっては、橋を飛び越えるのは難しい事ではなかったようですね。

 ところで最初にレモンバームがミッドを肩車して橋越えをした時は光翼も風の力も使っていないので、こちらは実は魂の力無しの身体能力だけでそれだけジャンプしているというなかなかの超人っぷりを発揮しています。)

このスカサハは毎日弟子達の元に来てくれるのですが、家に行く為の「跳躍の橋」と呼ばれる細い橋は誰かが少しでも足をかけると橋が暴れ出すため、今までその家にたどり着けた者は一人もいませんでした。

しかしクーホリンはスカサハが現れるのを待ちきれず、なんとか家まで行こうとします。

何度挑戦しても橋を越えられず悔しがるクーホリンを同じ弟子志望のコナハトの戦士達が笑いますが、クーホリンはその悔しさと怒りで橋を渡ることに成功します。

コナハトの戦士の中でも一番クーホリンをあおっていたのが、後にクーホリンの親友となりその手で倒されるフェルディアなのですが、彼はクーホリンが怒りによって力を強く出来る事に気付いたのでワザとあおっていたようなのです。

それを知ったクーホリンはフェルディアと仲直りをし、友情を結ぶこととなりました。

本来この橋を渡る奥義は、ガイボルガという槍の使い方と共にスカサハから伝授されるもので、「英雄の鮭跳び」と呼ばれています。

(アイルランド伝承では、スカサハが住んでいるのはコナハトではなく「影の国」という今のスコットランドの地方です。

 この物語の中でのコナハト国スカサハ町のモデルは、コナハト地方のロスコモン州という現アイルランドの内陸地域です。)



そういえば途中でミッドが「レモンバームに技を見せてもらう」と言っていますが、勿論これは合気道の技であって魂の力の事ではありません(この時点ではまだ魂の力の事は教えていないので)。

あと書いていて少し気になったので調べてみましたが、ヨーロッパでは日本のような「髪を伸ばす願掛け」のようなものはあまり無いようです(アリストはやってたけど)。

日本では髪=神に通じるところがあって、髪を切ることは縁を切ったりする事に通じるから、そういった話があるようです(諸説あると思いますが)。

ただヨーロッパでは旧約聖書に、神に捧げられる為に生まれた者は髪にカミソリを当ててはいけないみたいな話はあるようですね。



今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございます (^_^)ゞ






中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。 私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。