偶像ゲーム

自分で自分を赦せないから
あたしは セカイに自分を赦してもらいたいの
病んでも可愛いあの子みたいに
このリボンとフリルの甘ったるい服を着て
サイドの黒髪を お姫様カットして
14.2mmのカラコンで世界を見て
ピンク色のメロディーでセカイを満たして
赦されたかった
世界に 自分に あの人に
可愛いっていう絶対効力の免罪符で
赦されたかった

自分勝手に 自分を嫌って 世界も嫌って
他人からは愛される
あの子のセカイでは あの子が神様なんだから
どうして あたしは あの子じゃないの
誰かの神様になって
誰かの人生を狂わせたかった

札束が寄ってたかって 熱狂する
みんなあの子に なりたかったんだよ
病んでて 可愛い あの子みたいに なりたくて
透き通った青白い陶器の肌の人形に憧れて
どうして 私は 生きてしまうの
ねぇ どうして 私のまま 生きているの
早く死ねばいいのに
あの子じゃなくて あたしがね

誰にだって好かれるから
自分から人に話しかけられるんでしょ
苛々するの そういう態度
人から拒絶されたことなんてないって顔で
他人の時間を奪っているの
ああ その睫毛のカールの角度さえ 鬱陶しい
早く潰れればいいのにって言ったら
ハラスメントかしら

時間は金で買える 時間は金で売れる
早くいなくなって 消えて 新宿東口
歌舞伎町でシャンパンでも入れてきなよ
あの子じゃなくて あたしがね

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