放蕩息子の行方

場末の朽ちた聖堂 妖しげなアンティークと燭台
黒い服で 朗読台に足を掛けて座っていた神父
長い前髪の間に覗く瞳 鴉の背中を撫でて云う
君の善意につけ込んで 愛しても 構わないかい

綺麗なものしか見たくないんだ
だから君を呼んだの
会えない織姫より 会える偶像 いや どれも嘘
君はどちらでもないから
そばにいて 真実のマリア

困難な日 祈りで君は救われたことがあったかい
十字架捨ててこっちに来て 今すぐ愛し合おうか
時計を外して 口を閉じて 目を塞いで 一歩前へ
路上の天使が君の手を取って そっと祝福して
行方不明の君を ここへ連れて来たんだろう

世界の悪夢が 君の戸惑いを 都合良く解釈して
優しい君を欺こうとする それは赦されない事
君が 偽物のパンと葡萄酒で 口元を汚す前に
僕のものにさせて
ねぇ 君は とても 寂しそうだから

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