レプリカの幽愁

私は君が思うほど 夢想家じゃなかった
本当は誰なの 私も 君も
イメージの中 満たされて
シナリオ通りに進むから 演劇は演劇なの
役者になれたら 私は一生
可愛い女の子の役がいい

君に伝えづらいことをセリフにして
大袈裟に 泣いてみせたよ 馬鹿みたいにさ
「最初から そうすれば 君の気が済むまで」
見透かして 笑った 黒髪
私の羊の皮を剥ぎ取った君も 狼なのでしょう

全部 全部 誰かの振り 誰かの真似
完璧な模倣品が歩き回る ここがゴーストタウン
理想になりたかった なれなかった 亡霊が蠢く
私と君が 救われる街は こんなにも哀しいね

広告塔に飛び乗って 雑踏を見下ろして叫ぼう
空っぽのまま その他大勢の中で死なないように
割れたガラスは粉々になれば 誰も傷付けない
君も私も ダクトでオゾン層へ飛ばされてしまえ

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