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スキを押せば金になる? いつから やったん…?

PONO@こもりびとさん企画

お題】


「スキの数がお金の世界」のショートストーリー


●”スキ”するのは無限にできる(相手のお金になる)
●”スキ”の数がそのまま収入になるけど、数はじぶんにしかわからない

………………………………………………

と、1ヶ月前から急に変わったことを知らなかった…父さん…。

世界のお金が…一握りの人に…独占され始めたので、内密に…一握りの人達で…計画が進められ実行された…。


「暑~~い…! なぁ、おかづ。なんで今?…散歩行くって言う…? わざとか…?。朝も行ったやん…。ウンチちょっとしか出んかったから行くって言うんか……?」

…保護犬シーズー(名は)おかづ…


散歩…嫌やと言うてたくせに最近喜んで行くようになった…おかづ…。 怪しい…。 大人になったのか…? やめてと言うと噛むのをやめるし…。 怪しい…。


「なぁ…おかづ…色々急に出来るようなってきたやん…。……!ワッ!ワワ~…そんな走らんでええで…。ハッハッハッ、走り過ぎや~…元気やなぁ~。 ま、おかげで父さんも体力ついたで~……ワッ!ワワ~~~……」


………。

「……。父さん?」

「父さん?!……。父さん!…」



救急車で運ばれた…。


「体力の限界まで走った父さん…。走らせ過ぎました…。先生…大丈夫ですか?」

高層マンション下の病院…個室ベッドの横には、テレビでよく見るお医者さん…。おかづとは翻訳機で話してる。

「おかづちゃん…このくらい大丈夫…。ただの熱中症でぶっ倒れただけ…。 父さんが点滴してる間のしばらく、ここで美味しいご飯…食べていく…?」 


 笑いながらも気になってたことを聞く先生…「おかづは、なんで父さんには言わなかったの?」

「う~ん…おかづの右の肉球にスキボタンが付いてると父さんに知られた方が、恐ろしいよ…。どんな行動に出たか…。内緒やで、あのね…。……。」

「えー…!はっはっは、その肉球を利用してねぇ…。お母さんが…? えー、すごいな…。他人に言っちゃだめだよ…。 そんで…スキがお金に変わったのも知らなかったの? こんな高級マンションに?なんで引っ越せたかも…? 気にしてもないの…?父さんは」


「何で…?とは聞いてきたけど…。人生は『金じゃないで…おかづ…。健康で楽しければ…いいんや…』って…」

「ほぅ~、できた父さんやな…。でも、ここに引っ越せたのも…おかづが毎日走り回ったからやのになぁ…」

「まぁ、おかづも楽しくて…スキでやってたの…。父さんの健康のためにな…」



ん…? このスキシステム…。押せばいいのか…? おかづはスキをたくさん、たくさん押してる…?

と、目を覚まし薄目開けて聞いてた父さん…。
布団に隠れて小さな目を見開き、スマホ片手にスキボタン連打…連打していた…。

だが現在、この『スキがお金』のシステムに不具合が出て、修正中で使えない…。


そんなことも、知るはずもない…父さん…。
点滴打ちながら、連打である。



#もし本当にスキがお金だったら


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