夜のワインとポテチは背徳の味。
3年前から加圧トレーニングを始め、食事管理アプリを利用したダイエットを行い、7kgの減量に成功した。アプリはやめたが、加圧トレーニングは今も続け、減量した状態をなんだかんだ2年はキープしている。
数字は多少上下する事があり、その度に食べた物を記録して微修正したり、平日はお酒をやめたりして、コントロールしてきた。
まあ、辛くないと言えば嘘になる。だが続けられたのは、やはりそれなりのリターンがあったからだ。
まず、以前のnoteにも書いたが、おしゃれが楽しくなった。そして筋力がついたせいか、本当に疲れにくくなり、風邪もひかなくなった。人前に出る仕事をして、フリーランスの私にとって、この2つは、長期的に見て本当に大事な事なのだ。
あと、もう一つ、リターンと言ってよいかわからないんだけど、、言うべきかどうかさえ迷う所なんだけど。
突然、モテ期が来た。
本当なんですって!
笑われても構わない。本当なんですよ。少し若い世代からも、女性として扱われるようになったのです。ちょっと童顔のせいか、年下の男性から「普通に30代に見える」とか言われ、勿論100%真に受けているわけじゃないけど、「あれ??」みたいに感じる事が、本当にあったんですよ。
とにかく私のダイエット生活は色々な理由に支えられ、なんとか継続できているのだ。
が、このコロナだ。
そもそも出かける機会が無くなり、人とも直接会わない。リモートだと映し出されるのはせいぜい上半身。
そして、ちょっと女性として見られて嬉しい、なんて機会もすっかり無くなってしまった。そういう空気はやっぱり会っている時間の隙間にフッと生まれるのだ。(時々会う親戚の子だけは、私の事を「若くみえるよねぇ」と今も言ってくれる。お小遣い狙いじゃないと信じたい)
となると、ダイエットのリターンは絶対的に小さくなる。そして、対抗馬が出現するのだ。
それは、深夜のお酒とスナックだ。
明日は仕事が無いよ、という夜、たまたまつけたTVで昔好きだった映画をやっていたり、久しぶりに小説でも読もうと手にとった本が面白かったりする。そうすると、今ここに何かつまむものがあれば、パーフェクトだな、と思ってしまうのだ。
そもそも、なんでこんなに我慢してるんだっけ?
そしてついに今日、やってしまった。グラスに白ワインを3センチばかり注ぎ、夫が買い置いていた、トリュフ塩風味のポテチを5枚ほど口にしてしまったのだ。
うーん、美味しい。なんて美味しいの!
トリュフの独特の香りがちゃんとする程よい塩気。パリっとした歯触り良いわぁ。コンビニで買ってきた安い白ワインはよく冷えていて、とびきり美味しく感じられる。
これは、悪い事をしている、という背徳の味ゆえか。
あー、やっぱりこういう生活よいな。別に体重なんて後数キロ増えようが、吹出物が出ようがいいじゃん。この、夏の宵の時間の豊かさよ。
もう少し食べちゃおうかな。
湿気よけにきちんとセロハンテープで封をしたポテチの袋に手をかける。
ふと、リビングの床でイビキかいて寝ている夫を見る。夫は私が痩せた事を多分一番喜んでいる。年中ダイエットの私のために、時々カロリー抑え目のデザートを買ってきてくれる。
背徳の味は、ほどほどにするか。
ポテチの代わりに炭酸入りの水をひと口飲んだ。
ワクチンうって、夫の誕生日には神楽坂のビストロ行きたい。その日にお料理とワインを堪能できるように、今は我慢しよ。
歯磨いて寝ます。
とりのこ
本当は小説が書きたいです。