辛い経験をした人は心が豊か。

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辛い経験をした人は皆心が豊か。

先日、買取店
銀座パリス浅草駅前店で
仕事をしている時の話です。

こんな日記のような
感じで書くのは初めてですが
たまにはこんな日もいいかな。と思い
綴らせていただきます。


何度か売っていただいているお客様が
再度、ご来店をいただき
査定をさせていただいてる最中に
「売ってつくったこの
お金は何に使いますか？」と聞いたら

娘さんが彼氏さんの車で単独事故を起こし
修理代が70万円必要で
そのうちの50万円は娘さんが払う。という
話になったらしく・・・

お父さんが払ってあげる。と娘さんに言い
その為に現金が必要で
断捨離ついでに今回は売りに来た。
ということである。

娘さんは19歳。
50万円なんて大金は払えない。

なんて優しいお父さんだ。と思いました。

娘さんが無事であったのは良かったですが
50万円の修理費用もお父さんが払うなんて・・・
ドラマの話のように聞いていました。

しまいには
話自体が嘘であって
娘に騙されていてもよい。

兎に角、払うと言った以上は払う。
と言っておりました。

まさに男の中の男である。

ここで僕が
「なぜ、そんなに優しいんですか？」と
純粋に思ったことを質問したら
思いもよらない言葉が返ってきました。

実は2011年3月11日の津波で
妻を亡くした。

そう
けして風化させてはいけない
3.11である。

3.11で妻を亡くし
更には親父さんも亡くした。
もっと言えば新築で建てた住宅
仕事も、なにもかも失った。

これだけでは不幸は終わらず
数年前に再婚した女性との間に
やっとの思いでできた
子どもも
産まれて3年で亡くなった。とのこと
どうやら産まれてくる時に
へその緒が首に絡まり
呼吸が弱くなり
脳に障害を患ってしまったらしく
3歳で亡くなってしまったらしい。

もう、聞いているだけで
涙が出そうになった。

そう、この方は福島の方で
3.11によって
仕事も無くなり
9年前に東京に来たそうです。

亡くなってしまった奥様の遺体は
未だに見つからない。

死亡保険は
遺体が見つからないので
おりるまで裁判を行い
結果的に7年もかかったそうです。

2009年に新築で建てた
家のローンは無くならず
未だにローンを払っているそうです。

神様が居るとするならば
本当に酷い話である。

でも、神様は全てを奪わなかった。

そう、その時に無事に生きていたのが
息子さん、双子の娘さんである。

息子さんは仙台で職員をし

今回単独事故を起こしてしまった
娘さんは福島に残り

もう一人の娘さんは東京に来て
一人暮らしをしながら
大学に行っているらしい。

こんな表現が正しいかは分かりませんが
唯一、生き残ったのが
子どもたちである。
唯一、神様が残してくれた宝。

こんな話を聞いたら
払う理由もよく分かる。

本当の意味でどん底を味わい
辛い経験をした人間や
「死んだら終わり」ということを
本当の意味で理解している人は

本当に優しい。

なにより心が豊かである。

正直、この話を聞くまで
僕なら自己責任なので肩代わりしないで
自分で頑張って払わせると思います。(笑)
と言ってた自分を殴ってやりたい。(笑)

これが親であり、無償の愛であり
本当の家族のような気がして
少しばかり羨ましくも思った。

実は優しさはここでは終わらない。

その方は12月にデカイ契約を取り
今月は1千万円近い歩合が入るとのこで
ロレックスを買う。と上機嫌だったので
僕は
「これらを売らなくても払えるのに
なんでわざわざこれらを売って
現金をつくるんですか？」と聞いたら

今の妻は何も言わないけど
俺が妻の立場にだったら
けして気持ちのよい話ではない。

だから自分のモノを売って
自分でお金をつくることに意味がある。と
言っていて
もう全米が泣きました。

企業の幹部であり
給料も50万円近く貰っていて
今月の歩合は1本近いのに
わざわざ自分のモノを売って
自分で現金をつくる漢気。

本当に感動しました。

なので僕のできることは一つ。
どこよりも高く買取ること。

従業員には
「高すぎでは？」
「やりすぎです。」

お客様には
「相見積もりしてるからなんとなく分かるけど
本当にそんな金額で買って大丈夫ですか社長？」

問答無用です。

僕だ出すと言ったら出すのです。
後のことは後で考えます。

勿論、買取成立です。

感動させていただいたので
感動で返させていただきました。

これが商売でありこれが弊社です。

銀座パリス浅草駅前店とはこんなお店です。

また、綴らせていただきます。

ありがとうございました。

それではまた次回！！！！

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