眠る街
休日の都会の朝は
街がまだ眠っていて
ビルが静かに佇んでいる
太陽で煌めくそれは高く 高く
空を切る
フレームに収まった広告と青い空
電車だってちょっぴり静かに黙っている
人も車もいないのに 信号を待ちながら
白黒の横断歩道を眺めたあと
街を見渡すの
目新しいものなんてなにもないはずなのに
背筋を伸ばして一歩踏み出すだけで
世界が少しだけ軽くなる
たった一本しか木のない広場だって
通り抜けてゆく風が やけに爽やかで
こんなコンクリートの街ですら
ちょっぴり愛おしくなる
どこかで待っているかもしれない君
君の街にも風は吹いているかい?
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街にそっと魔法がかかる瞬間ってある。
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