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2018

27
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記事一覧

19歳になりました

19歳。こどもとおとなの境目のような年。

正直受験が終わるまであまり気持ちに区切りがつかないのだけれど、あえて今の気持ちを忘れないために書いておこうと思う。

まずは18歳のふりかえり。

この1年間は社会とちょっと離れて自分を見つめた一年だった。そこで見えてきたのは、なにか心の奥にあるものを必死に堅い殻で守っている自分だった。嘘を塗りたくってきれいに見せていた。殻に穴を開けて覗いてみると、自分

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サンタさん

あなたにとってサンタさんはどんな人ですか?

私は毎年サンタさんにお手紙を書いてツリーにくくりつけていた。
親には、いい子じゃないと来てくれない、と言われたのでクリスマスイブの夜には慌てて散らかった部屋を片付けた。(遅い)
でも、夜更かしする子にも来ないよ、と言われたので、遅くまで片付けをしていてもうだめか、と思ったりした。

それでも次の日枕元にはプレゼントが置いてあった。ちょっとどきどきしなが

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感じると考える

おいしいものを食べたり、いいものを観たり読んだり、好きな人と話したり、そういうときに心がじわっと温かくなることが「感じる」ということだと思う。

でもそのときの温かさはだんだん無くなっていってしまう。その速度は受けた衝撃の大きさや、人にもよるけれど、永遠に存在することはない。写真を撮ったり絵を描いたり言葉にしたりしても、それはほんの一部分。

私はそのことが切なくて哀しい。だからこそ、その温かさを

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憧れの人

数年前アメリカに行った時、ある憧れの人に出会った。いや、憧れというのも憚られるほど遠い存在だが。

彼女は十代の頃日本からアメリカに渡り、音楽活動をしている。加えて、私が参加したようなプログラムの支援をするなどの教育活動も行っている。

初め、私は自分が彼女が英語に堪能で自信に溢れていることに憧れていると思っていた。でもそれは少し違った。

彼女は私たち日本人の生徒の行動をプログラム中ほぼずっと見

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欲しかったもの

私は小さい頃から何も欲しがらなかった。ぬいぐるみも、おかしも。さりげなくいいなーと言って何かを買ってもらうことはあったけれど、自分の口からこれが欲しいと言うことはなかった。

きっと欲しいものはあったんだと思う。なのに自分の気持ちを押し込め過ぎて何が欲しいのか、何が好きで何が嫌いなのかもわからなくなった。

私の母は専業主婦でほとんど家にいたから、そんなに寂しい思いをしたこともなかった。母は完璧な

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珈琲のしみ

家族とは何なのか。

最近よくこの問いに対して「血縁など関係ない」という答えを聞くことがある。

しかし実家でずっとぬくぬくと育ってきた私にはまだそこまで割りきれないところがある。

私の家族はみんなコミュニケーションが苦手だ。(おそらく。もちろん私も含めて)それぞれ人間的に問題があるわけではないと思うが、相手に思っている気持ちを素直に伝えられない。そこからぎくしゃくが起こる。

ありがとうもごめ

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空を見上げれば

空を見上げれば

空にはいろんな顔がある。

今見えている限りでも自分の真上と向こうの方は違う顔をしている。

同じ場所、時間でも毎日ちがう。

私はそんな空が好きだ。

台風が来て真っ暗な空も、灰色の雲がずっと続いている空も、
元気よく主張する雲が並ぶ空も、みんな好きだ。

空はいつでもそこにあって、毎日表情を変えて微笑んでくれる。

ずっと続く空の下にはまだ出会っていないたくさんの人がいるのだろう。知らない場所

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誕生日会

私の家には誕生日会というものがある。会と言っても参加者は両親と私と兄だけで、普段とちがうのは、ちょっとだけ豪華な食事と母の手作りのケーキがあることくらいだ。

少し前になると
誕生日パーティー!!持ち物:プレゼント
と母がマジックで書いた紙がリビングに貼られる。

この前書いたような状況なので、会はもちろん会話などほとんどない。「誕生日会」にふさわしくなさすぎて一人で笑いたくなってくるほどだ。

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二組の親子

今目の前に二組の親子がいる。
どちらも小学生の女の子とお母さんの二人でボックス席に座っている。どうもこれからテストに向かう前に時間を潰しているらしい。

右の子はおいしそうにフレンチトーストを頬張って、DSをしたり折り紙をしたり本を読んだりしている。お母さんはそれをにこにこと眺めながらスマホを見たりぐでぐでしている。「あとでクーポン使うの忘れてたら言ってね」などと言っている。

左の子は「算数」を

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わからない、わかりたい。

私は(ちなみに兄も)父と10年近く話していない

単身赴任ではない。離婚もしていない。

同じ家で普通に一緒に暮らしている。

なぜこうなったのか。今となってはよくわからないし、きっかけはもうどうでもいい。

話さない分私は父をよく観察していた。どんなときに機嫌が悪くなるか、どんなときに喜ぶのか。それをなるべく先回りして母にさりげなく伝えて家庭を穏便に保とうとしてきた(つもり)。なぜか自分がそれを

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コメダ  モーニングC おぐらあん たっぷりブレンドコーヒー

コメダ モーニングC おぐらあん たっぷりブレンドコーヒー

私はカフェに行くのが好きだ。

小さい頃はなんであんな苦いものをわざわざ、と思っていたのに気がついたら今じゃ当たり前にコーヒーを飲んでいる。

別に気取っているのではない。ただ単に他の居場所がなかったからだ。

カフェはひとりでいてもだれも気にしない。みんなそれぞれ黙々と仕事や勉強をしたり、こどもを連れていたり、友達とおしゃべりに熱中したりしている。

みんなそれぞれの世界を生きている。

こんな

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優等生をやめた日

今日、生まれて初めてさぼりというやつをした。

休むと決めて昨日はわくわくしてしょうがなかった。今日になって自分のいない場所を想像してだんだんと怖くなった。

多くの人にとって予備校の授業を休むなんて、なんてことないかもしれない。ただ私にとっては大きな決断だった。

休んだ理由は、疲れたから、だ。今までだましだましコップに水を足してやってきたけれど、最近少しずつ溢れるようになってきていた。

原因

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兄について

私には五歳年上の兄がいる。
文系の大学を卒業して今は社会人二年目だ。

私が小さい頃、自分で歩くのが嫌で親にだっこを願うも疲れたと断られたとき、兄は当たり前のように肩にのっけてくれた。にやにやしながら肩の上から見た景色をよく覚えている。

私が小学一年生のとき兄は六年生。同じランドセルを背負って同じ小学校に通っていた。

それが今や大学を飛び越してもう働いているということがいまだに信じられない。

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②迷い

私にとっての迷いとは
「自分の軸が見えなくなっている状態」だ。

こうするべきだ、こうするとだめだ、こうする人はいけない

と今私のいる受験の世界はもちろん社会ではこうしたことが毎日叫ばれている。

発信者は善意で言っているのだと思うが、自分に知識や経験がなかったり疲れていたりするとそれにどっぷりと浸かってしまう。

そうか!と思って従ってみようとするものの自発的なではないからだんだんと義務になっ

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