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介護の未来はどうなる。質の向上、人材不足、そして介護のお金 介護給付費分科会、介護保険部会から

11月6日開催の第230回社会保障審議会介護給付費分科会、午後は介護保険部会をオンライン傍聴しました(残念ながら途中まで)。制度的なことなど勉強不足でレポートというより、情報提供です。

社会保障審議会介護給付費分科会資料https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36124.html

社会保障審議会介護保険部会資料https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36058.html

介護給付費分科会は、介護の現状の課題から介護保険の今後を考えて、次期介護報酬改定(令和6年度)に向けて、算定要件や加算など、どこにどのように、いくらつけるのかといったことが議論されています。

●「看取り」「医療と介護の連携」「介護の質の向上のためのIT」そして「処遇改善」

全体的な流れで私が感じたのは「看取り」と「医療と介護の連携(多職種連携)」「介護の質の向上のためのエビデンスの蓄積(IT化)」について重点が置かれていること。「在宅限界値の引き上げ」という言葉を委員からの発言を聞き、こういう言葉からあるんだと少し驚きました(勉強不足でスミマセン)。

また、介護人材の不足からの問題がどの対策のなかの底流にあり、処遇改善なども論じられています。
「介護のお金をどうしていくのか」これが本当に厳しい。今後も介護保険の利用が高まることが予想されるなか、介護の現場はギリギリなところで回していることがとても伝わってきました。

他にも、松田晋哉委員から、「いつ、どこで、誰がどのようにという、『介護の流れ』の標準化が必要」といった発言も気になりました。連携のデジタル化、サービスのデジタル化とそれぞれがしていても、本人を中心に介護全体を見渡し、データ活用してよりよい介護につなげていく「介護DX」という方向性が必要なのかもしれませんね。

ただ、まだまだ勉強不足なので、今回は介護予防や専門職の役割などについてのところだけ、資料から私見でピックアップし下記に書き出してみました。というわけで、レポートではなく、情報提供となります(繰り返しの言い訳 汗)。
もちろんこれらは確定でなく、検討中の段階です。事務局からの提案に対して、かなり委員からの反対意見も出ていました。

○介護予防訪問リハビリテーションの質の向上に向けた評価
対応案
■ 介護予防訪問リハビリテーションの長期間利用者に関して、リハビリテーションの会議でリハビリテー ション計画の見直しを行うなど、適切なマネジメントを行った上で定期的にLIFEへのデータ提出を実施する利用者と、それ以外の利用者については、評価の差別化を行ってはどうか。(介護予防通所リハビリテーションと同様)

○認知症リハビリテーションの推進
対応案
■ 認知症の方に対して、認知機能や生活環境等を踏まえ、応用的動作能力や社会適応能力を最大限に活かしながら、当該利用者の生活機能を改善するためのリハビリテーションを実施した際の加算を新たに設けてはどうか。

○訪問リハビリテーションと介護予防訪問リハビリテーションの評価の適正化
対応案
■ 訪問リハビリテーションと介護予防訪問リハビリテーションの基本報酬に一定の差をつけてはどうか。

○薬局に勤務する管理栄養士による居宅療養管理指導の評価
対応案
■ 栄養サービス提供の質を担保する観点や勤務状況に係る実態調査の結果等を踏まえ、薬局に勤務する管理栄養士の居宅療養管理指導の実施に関して、今回の介護報酬改定においては、現行の基準を維持してはどうか。

○居宅療養管理指導(管理栄養士)の見直し
対応案
■ 管理栄養士による居宅療養管理指導の対象になる利用者のうち、一時的に頻回な介入が必要と医師が判断した利用者に限定して、期間を設定したうえで上限回数を緩和する等の対応を検討してはどうか。

○管理栄養士及び歯科衛生士等の居宅療養管理指導の算定対象の見直し
対応案
■ 管理栄養士、歯科衛生士等についても、医師、歯科医師、薬剤師と同様に、通所が可能な利用者も居宅における居宅療養管理指導の算定対象としてはどうか。

○介護予防支援の円滑な実施
対応策
■居宅介護支援事業所はこれまで地域包括支援センターから委託を受けて介護予防支援を実施してきた経験があることを踏まえ、居宅介護支援事業所が現在の体制を維持したまま円滑に指定を受けられることを前提に運営基準を見直すこととしてはどうか。具体的には、管理者を主任ケアマネジャーとすることや、ケアマネジャーのみの配置で事業を実施できるようにすることとしてはどうか。
■ また、これまでどおり少なくとも3月に1回の訪問を原則としつつ、居宅介護支援と同様に、一定の要 件を設けた上で、テレビ電話装置等を活用したモニタリングを行うことも可能としてはどうか。

○医療介護連携の推進
対応策
■ 医療と介護の更なる連携強化を図り、より「医療」の視点を含めたケアマネジメントを推進していく観点から、次の見直しを行ってはどうか。
・入院時の迅速な情報連携をさらに促進するため、入院時情報連携加算の要件について、入院後3日以内又は入院後7日以内に病院等の職員に対して利用者の情報を提供した場合に評価しているところ、入院当日中又は入院後3日以内に情報提供した場合に評価するよう見直してはどうか。
※併せて様式例として示している「入院時情報提供書」の見直しも検討。
・ケアマネジャーが利用者の口腔衛生の状況について歯科医療機関と情報共有を行ったことにより、ケアマネジメントに一定の効果が見られたことを踏まえ、医療と介護の連携を強化し、適切なケアマネジメントの実施やケアマネジメントの質の向上を進める観点から、利用者が医師の診察を受ける際に同席し、医師等に利用者の心身の状況や生活環境等の必要な情報提供を行い、医師等から利用者に関する必要な情報提供を受けた場合に評価している通院時情報連携加算について、利用者が歯科医師の診察を受ける際に同席した場合も、対象としてはどうか。

○複合型サービスの組合せと機能・役割
対応案
■ 複合型サービスについては、「訪問介護」と「通所介護」を組み合わせた地域密着型サービスとしてはどうか。

第230回社会保障審議会介護給付費分科会資料より抽出

●第1号被保険者の介護保険料の見直しはほぼ了承

介護保険部会は途中から。報道もありましたが、第1号被保険者の保険料負担については、多段階に分けて高所得者の引き上げと、低所得者の引き下げで、部会長に一任となりほぼ了承されましたが、利用料2割負担の範囲などについてはまだ。
ただ年末までの結論となっており、まだ調整が行われていくようです。前述しましたが、「お金をどうするか」本当に悩ましいですね。

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