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うた

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哀しくなってしまうくらい大切なひと
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#私の作品紹介

『』

『果ての月』

いつから鈴虫が鳴かなくなったのか
冷えた空に回らない頭で考えてみる
どうせ明日も生きてくんだ 何も変わらない
痛みなんてとっくの前に死んだよ

白んだ夕焼けもう少し歩けば
総て解るくらい澄んだ夜になる

貴方を想って紡いだ歌ばかりだ
誰のためでもない私の歌なんだ
もうずっと解けないことばかりでさ
纏まらない言葉達も いつか遺していた傷も
どうか さようならばかりじゃ無いように

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『』

『新月に花』2021.04.22

夜の色を知りたい 春の風を呑みたい
少し酔いが回ったら 白昼夢を願いたい
夜に神様がいるならそれはきっとあの月のことで
貴方の声を思い出す 月明りみたいな声

意味を持たない旅をしよう
価値なんて要らない

泣き零れたもう戻らない姿だけを
未だ幻のような夜辺を繰り返して
今日は新月だから 暗闇さえ美しいから
浅い呼吸で詠って花を眺む

空の遠さを知りたい 雨の形

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『』

『逍遥、薄明を待つ』2020-2021

夜をずっと泳いでる
空をずっと歩いてる
君をずっと探してる
永い永い逍遥

暮れ泥む水平線
失ったものばかり
今日も数えては
零れ落ちてゆく

暗くなったら
夜になったら
何にも見えなくなるんだ
貴方の歌が聴こえる

口遊んだ言葉から死んで逝った
水辺に写る月光だけ

見上げた空ほらまた
貴方と同じ世界の記憶
さようならだけを信じられないまま
いつしか落と

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『』

『くれてやる』2022.07.08

毎日 毎日
壊れてしまいそうだった
外は雨だった
この胸を満たす何かが
僕に死ねと言っているみたいだった

人生つまんないな

嗚呼 くれてやる
この瞬間以外の全ては
きっと最初(はな)からがらくただった
暇つぶしにもならないな
/
心臓に手を伸ばして僕に触れてよ
君の声を一番近くで聴きたい
それだけだったんだ

毎日 毎日
恐いくらいに寂しかった
それでよか

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『』

『月灯』2021.02.12

貴方の顔を思い出せなくなる日が来る
貴方の声を忘れてしまう日が来る
散らかった部屋で 纏まらない想いを
ただ書き起こす日々を
夜を

春が近付く 季節は流るる
貴方を忘れたくない私を置いて
暖かな日が降る 空に目を細める
青く麗かに過ぎゆく

死んでゆく時間の中 生き足りないと嘆く
愚かしい程に貴方が愛しい

待てど待てども歌が巡るだけ
言の葉が落ちてゆく 貴方を描

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『』

『アネモネ』

白黒の思い 全部アネモネにしよう
そんで花束作って 君に贈るから

コトノハ遊びを始めたのはいつ頃だったか
劣等の中でグズグズと泣いているのは幼い僕
口にできない感情があると知る そんな夜は
長い眠りについて君を待つことにするよ

傷が深くなる事も愛と云うのなら
深く泳ぐ水葬の中で見透かして

白黒の思い 全部アネモネにしよう
赤 白 紫 全部1つに結って
モノクロの景色 ポツンと

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