『』


『逍遥、薄明を待つ』2020-2021


夜をずっと泳いでる
空をずっと歩いてる
君をずっと探してる
永い永い逍遥


暮れ泥む水平線
失ったものばかり
今日も数えては
零れ落ちてゆく

暗くなったら
夜になったら
何にも見えなくなるんだ
貴方の歌が聴こえる

口遊んだ言葉から死んで逝った
水辺に写る月光だけ

見上げた空ほらまた
貴方と同じ世界の記憶
さようならだけを信じられないまま
いつしか落とした実像
/
夏が過ぎるもうずっと
君との虚な逍遥
遺された歌だけ歌い続けて
夜を泳ぐ薄明を待つ


宵揺らぐ水音に
向こう岸 遠花火
刹那主義なんて
形にできない

夏が暁けたら
空が白んで
何故か涙が出るんだ
貴方の声が聴こえる

愛しいものばかり溢れてさ
窓辺に写る群青だけ

見慣れた景色の中
貴方の居た時間をただ想う
さようならだけを遺して逝くから
ここから動けないまま
/
風が過ぎるもうきっと
僕との虚な逍遥
口に出せない言葉だけ紡いで
夏を描く薄明を待つ


貴方の居ない世界線で
灰色を呑み痛む胸で
今の僕に何ができるだろうか
/
苦し紛れのこんな歌で
また貴方を描けるなら
あの夏を思い出せるなら


見上げた空ほらまた
貴方と同じ世界の記憶
さようならだけを信じられないまま
いつしか落とした実像
/
夏が過ぎるもうずっと
君との虚な逍遥
遺された歌だけ歌い続けて
夜を泳ぐ薄明を待つ




君、貴方、僕
どのように捉えられるのか


帰りを待つ詩

例え帰ってこなかったとしても

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