『』


『月灯』2021.02.12



貴方の顔を思い出せなくなる日が来る
貴方の声を忘れてしまう日が来る
散らかった部屋で 纏まらない想いを
ただ書き起こす日々を
夜を

春が近付く 季節は流るる
貴方を忘れたくない私を置いて
暖かな日が降る 空に目を細める
青く麗かに過ぎゆく

死んでゆく時間の中 生き足りないと嘆く
愚かしい程に貴方が愛しい

待てど待てども歌が巡るだけ
言の葉が落ちてゆく 貴方を描き出す
口に出し浮かぶ旅 私に差す光
美しいままに 眩いままに


泣きたくなる夜を繰り返し朝が来る
苦しいだけで生き長らえる日々が過ぐ
ぼやけた日常を 霞んだ瞳で
ただ揺蕩う様な
今を

冬が遠のく 季節は流るる
この悲しみが報われない様にと
桜の花が降る 想い起し祈る
白く嫋やかに過ぎゆく

死んでゆく今の中 生き急いで気付く
価値観もただ虚像でしかない

待てど待てども想いが巡るだけ
埋められない穴をそっとなぞるだけ
涙に零す度 滲むは月灯り
美しいままに 消えゆくままに


薄れゆく貴方を 溢れ出す想いを
留める術など知らない
私のエゴでも 伝う毒でも
どうか無碍にはしないで


待てど待てども歌が巡るだけ
言の葉が宙を舞う 貴方を描き出す
口に出し浮かぶ旅 私に差す光
美しいままに 眩いままに

想いが巡るだけ ただ貴方だけ




iPhoneのメモ機能とノートに手書きで書いたもの
詩作には2種類存在するが、こちらは手書きで書いたもの
昔からメモ機能で書いているのに、手書きの方が良い詩が浮かんできたりする


大前提として
私の詩は殆どがある一人に向けて書かれたものだ。
ずっとずっと、大切に思っている
憧憬、愛情、信仰、いろんな風に喩えられる

その想いをずっと描いている。

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