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別居中、中学受験を控えた娘にかけた大きな負担

夏休みを機に私だけが実家で暮らすようになったのは、息子が中学2年生、娘が小学6年生のときでした。

夏休みなら子どもたちが逢いに来てくれるだろう、という私の期待は見事に外れ、一度もその機会がないまま秋を迎えます。

どうにかして子どもたちに逢いたい!

そこで私は、子どもたちの住むマンションの近くに部屋を借りることにしました。

徒歩圏内なら、子どもたちが遊びに来てくれるだろうと踏んだのです。

子どもたちが泊まりに来ることも想定して、ひとり暮らしには贅沢なアパートに引越したのは、マンションを出て4ヶ月後のことでした。

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カウンセラーさんを通じて交渉した結果、娘が週に 1回、泊まりに来てくれるようになりました。

何度か幸せな夜を過ごした後、
「娘さんが嫌だと言っている」
とカウンセラーさんが言い出します。

いつもと違う方向から学校に行くせいで、友達から理由を訊かれるのが辛いというのです。

娘に負担はかけたくない!
でも、せめて週に1回は一緒に過ごしたい!

そこで私は、金曜日に泊まりに来てもらうよう提案しました。
翌朝、学校に行く必要がなければ、友達に会うこともないからです。

平日よりもゆっくりできるので、曜日を変更して大正解。
心底、ほっとした私です。

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そして12月。
娘の誕生日は約束の金曜日でなかったのに、遊びに来てくれました。

ケーキを買って、ろうそくを灯して、『Happy birthday』を歌ってお祝いします。

例年のようなホールケーキではなく、息子もいなかったのは残念でしたが、娘が私のために時間をつくってくれたことが嬉しくてたまらない夜でした。

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年が明けると、娘の訪問が途絶えました。

「中学受験の勉強があるから」
とカウンセラーさんが言います。

〔そんなの嘘。夫が娘にプレッシャーをかけたせいに違いない〕
当時の私にはそうとしか考えられなくて、憎しみが渦巻いていました。

でもね。
私のほうこそ、毎週毎週、娘に相当な負担をかけていたのです。

おそらくは、私の家に泊まりに来る日の前後は、夫の機嫌はよくはなかったことでしょう。

人の気持ちに敏感な娘のこと。
どんなに辛い思いをしたことでしょう。

それなのに、私を喜ばせるために毎週無理をしてくれていました。
会えない日には、手紙を書いてくれたりもしました。

どんなに感謝してもしきれません。

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同時のことを、娘は覚えていないといいます。

あまりに辛すぎて、記憶にふたをするほどのスストレスを、私と夫は娘にかけていたんです。

息子にも大きな大きな負担をかけていました。

それなのに。
私ときたら、自分が一番辛いと思っていたんですよね。
悲劇のヒロインきどりでした。

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別居の経験を通じて、私は自分と真剣に向き合い続けることになります。
かつてのように ”優等生” なんかを演じている場合ではなくなったのです。

マイナス面ばかりが見えて辛く感じるできごとが次々と起こるなか、実はプラスの側面をもつこともたくさんありました。

たとえば、泥沼にハマっている私と夫に比べて、子どもたちは驚くほどの精神性の高さを身につけました。

私は、そんな子どもたちはもちろん、友人や共に学ぶ仲間たち、両親や妹、職場の上司や同僚、産業医さんやカウンセラーさんにも、支えられていたのです。

おかげさまで、私は少しずつ、少しずつ視野を広げられるようになり、マイナスと同じだけあるプラスに目を向けられるようになり、認知が変わりました。

認知が変わると感情が変わり、行動も変わります。

3歩進んで2歩さがるように感じて凹むことも多々ありましたが、それでも、着実に前に進んでいたんですね。

やがて、憎しみや悲しみが昇華されて、心穏やかに日々を過ごせるようになりました。

いまとなっては、なぜあれほどまでにネガティブな感情にさいなまれていたのかと、いぶかしく感じるくらいです。

(それだけマイナスに見える出来事があった分、プラスと捉えられる支援もたくさんあったわけですが)

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もしもあなたが、思い通りにならない人間関係に悩んでおられるとしても、大丈夫。

自分の認知が変われば、関係性も変わります。

悲しみが大きければ大きいだけ、その恩寵もまた大きいのです。

そして、自分に大切なものがあるように、相手には相手にとって大切なものがあることに気づきます。

相手の宇宙を心から尊重できるようになったら、お互いの関係性が変わり、本来の自分に戻ることができるんです。

大丈夫。
ここまで読んでくださったあなたなら、きっとできます。

私は私を生きていく。
大切なあなたと共に。

Kindle書籍にそのヒントを綴っています▼

家族を愛するあなたのお役に立つことができましたら幸いです。


「私が私である」ことの確信へ導く魔法使い
御影石 千夏 

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