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シドニーの暖かい冬。なぜ日本人は凍えているのか。

こんにちは。いかがお過ごしですか?

南半球にあるここオーストラリアでは、いま冬の真っ盛りです。紅葉した葉っぱはもうほとんど散ってしまい、昨日は日本から持参した湯たんぽをひっぱり出してきました。

真冬とはいっても

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※シドニーの7月の天気予報

こんなかんじで

都市圏では気温が低い日でも15℃~23℃まで最高気温はあがります。

大体東京での11月くらいの気温と同じようです。
基本的に雪は降りません。


へえ~。オーストラリアのって一年中温暖なんだね。と、思いきや

真夏にこのぐらいの

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雹(ひょう)が降ってくることもあります。(興奮して外に飛び出すと思いっきり負傷するので気を付けましょう。私はしました。)

一日の中に四季があるといわれる由縁です。


昨日までがっつり、過去の話を暑苦しく書いてきたので、今日は現在に戻ってオーストラリア、特にシドニー都市圏の意外に知られていない冬の過ごし方をゆるい感じで書いてみようと思います。


ひとことで言うと、冬はイベントもなく、雪も降らず、なんとなく寒い日をただ耐えるだけ。という印象を受けます。

日本の冬は寒いけれど、クリスマス・年末年始・バレンタインなど盛りだくさんで、どれも暖かい家の中で過ごすのがまたいい、というところがありますよね。

そういった心が温まるイベントが何もないんです。なんなら暦(こよみ)上の冬である6~8月には祝日が1日しかありません。


その冬に落ち込む観光収益をどうにかしようと毎年 Vivid Sydney という光と音のフェスティバルを開催していたのですが、今年はキャンセル。

(あのブッシュファイヤーのさなかに年越し花火を決行したシドニー市が中止するくらいなので、コロナの影響力はすごいですね。)


ではどんよりと寒空の下、人々はただ仕事先と家を往復し、ビーチも閑散としているのかと言われればそんなこともなくて、

晴れている日であれば、真冬だろうとビーチは大盛況。海に入って海水浴を楽しんでいる人もいます。

逆に海水の方が温かいのか…?と思ってしまうのですが(思わない?)

オーストラリア東海岸では冬になると、南極の方から温かい海水を求めて北上してくるクジラを多くみられるます。ということは水温は夏の南極付近の海水の温度と同じくらいのはず。それなりに冷たいのだとは思います。


そんな感じで日中は、コートがいらないくらい気温が上がって外は気持ちがいいのですが、家の中はダウンジャケットが必要なくらい激寒です。(なのでいまコートを着ながらnoteを書いています。)


そうすると気になってくるのが暖房器具なのですが、もともとそんなに冬が寒くないせいか、基本的に暖房する気があまりないのですよね、この国は。

賃貸の部屋にはエアコンが設置されていることが少なく、暖房を自分で用意することが多いです。

オール電化の住宅が多いので自ずと選択肢は電気ヒーター・オイルヒーターに限られてきます。

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The Good guys (家電量販店) のwebsiteより


ただよく聞くのが「ヒーターつけてても、まったく部屋が温まらない。」ということ。

その理由として、

ひとつは部屋が広すぎる問題

基本的には日本より間取り的に余裕があり、天井の高さも高いので、電気ヒーターひとつではなかなか温まりにくいです。

ふたつめはすきま風ぴゅーぴゅー問題

これは読んでもらった通りです。施工が荒く古い建物が多いので、日本の高気密高断熱で快適な暮らしとは対極にいます。言ってみれば自然に身を任せたたくましい暮らしでしょうか。


みっつめは電気代バカ高い問題

電気代は月々の契約料は安いのですが、使用量が増えると料金の上り幅が大きくなり、熱源として使おうとすると、電気はどうしても使用量が多くなります。

(エナジーオーストラリアのこのページで使用量のhighとlowを入れ替えて試してみてね。)


よっつめは余計な蓄熱しないで問題

基本的にレンガ作りの家が多いので、夜間の冷えた空気をしっかりキープ、日中の活動時間帯に、きっちり部屋をひやしてくれるんです。夏は涼しくていいのですが、家の中の方が外より寒いというのが冬には起こりがちです。


以上の理由により、オージーはお肉を食べて体を鍛えているので寒さには強く、お魚大好き我慢強い日本人は家で凍えるという式が出来上がることになります。

(もちろん全員に当てはまることではなく、その傾向が強いのでは、という私の認識です。)


話は変わって、いま我が家で使ってるのはガス暖房なのですが、これがなかなか優秀で、光熱費があまり高くならない割に部屋がとても暖かくなるんです。新潟で使っていた灯油のストーブやファンヒーターを思い出させる、湿度のある包み込まれるような暖かさがたまりません。

安くて暖かくなるのになぜ普及しないのか?

ひとつめはヒーター自体の値段が高い

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一般的な部屋置きヒーターで900ドル~1600ドル (今日のレートで67,000円~120,000円)です。電気ヒーターの3~10倍くらい高いです。

その良さがわからない、安全性や使い勝手もわからないとなかなか手を出せる金額ではないです。12万円て!高すぎない?

*2000ドル前後のものはビルトインタイプなので含めませんでした。


そしてふたつめの

そもそもガスが使える家が少なすぎる問題

わがやは年末~2月頭にかけて引っ越し先を探していたのですが、「ガス」を条件に入れて検索すると、家の数が1/10(十分の一)くらいに減ってしまうのです。さらにガスヒーターが使える家のみに絞ると、そこから1/3~1/5に減って、全体の家の2~3%程しかない状態でした。

ガスヒーター自体の知名度が低すぎて、不動産エージェントに訊いても「ガスはあるけどヒーターが使えるかどうかわからない。自分で見に来て。」言われて、何度も見に行ってはがっかりすることが多かったです。

前の家は、ガスヒーターの取り付け口がたまたまついていてその良さを知っていたので今回もぎりぎり粘ってガスの家を見つけましたが、選択肢が非常に狭くなるので「ガスがあるから…」ということで他の部分は妥協する必要があります。

ちなみにガスヒーターの取り付け口はこんな感じのもので

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Bayonetという名前ですが、不動産屋もこの名前を知らないことが多いので、「なんか~ガスヒーターをコネクトするうんちゃらかんちゃら~」みたいな感じで説明しました。

わがやのByonetは

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床から浮いちゃってますが

毎日元気にガスを供給してくれています。


そしてちょっとした発見。さっきのThe Good Guys の website にあったヒーターは一製品を除きすべてリンナイのものなんです。うちのヒーターもリンナイです。

市場も少ないので他の会社は参入してこないのでしょうか。

リンナイさんがガスヒーティングに関して頑張ってくれたおかげて暖かく冬を送れてます。感謝。(回し者ではありません)


そしてガスヒーターがあるのになぜコートを着ているかというと、わたしもおさかな大好き我慢強い日本人だからです(ニコッ)


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