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「遥」を育ててくれた、あんちゃんへ

私が今参加している「言葉の企画」。第3回目は「名付けの力」という講義だった。

その中で『名前紹介』(自分の名前の由来を知る)という課題があった。
授業の中で講師の阿部広太郎さんはこう言った。

名前には、名付け親と育て親がいる。自分の名前を育てていくのは自分。

22年間生きてきて、そんな発想は無かった。
でも、自然と私は「遥」という名前に沿って生きてきているような気がする。私が名前に寄っているのか、名前が私に寄っているのか。どちらが正しいかはわからないけど、私は「遥」として22年間生きてきて、この名前を誇りに思えるくらいにはなってきた。

「遥」の由来
自由に伸び伸びと遥かに育ち、
枠にとらわれず新しい時代を羽ばたいてください。

なぜ私はこんなに私らしく、遥らしくあれたのか。
振り返ってみると、「遥」を、私以上に育ててくれた人がいた。

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幼馴染、あんちゃん(こと、彩音)の存在だった。左。美人。ちなみにイントネーションはあ↑ん↓ちゃんではなく、あ↓ん↓ちゃん。

小学校3年生の時に転校してきて、家が隣で、塾が同じで、部活が同じだった人。そして同じ時期に犬を飼って、一緒に嵐にハマって、一緒に関ジャニ∞にハマった人。

私たちは、好きな服も、好きな色も、趣味も、好きなテレビ番組もまるで違ったけど、それがすごく心地良くて磁石のS極とN極かのように(とか当時言ってた。今めっちゃ恥ずかしいけど)ピッタリとハマった。

隣の芝生は青く見える。
ないものねだり。

私は、自分にないものをたくさん持っているあんちゃんを尊敬していたし、羨ましく思った。時に妬ましくも思った。逆も然り、なのかな。でも素直に自分を出せるこの関係はすごく心地よかった。

本当に飽きるほど、一緒にいた。
寝る時以外、ほぼすべての時間を共にした。
家族の話、学校の話、恋の話。全部、私のものはあんちゃんのものであんちゃんのものは私のものだった。

あんちゃんはリアクションがすごく大きかった。誕生日、サプライズでこっそり家で待ち伏せしていたらそこらの芸人より驚いてくれた。
私が新しい遊びを考えると「楽しそう!やりたい!」と小学生みたいに喜んで一緒に遊んでくれた。
流行りの音楽を教えると「なんでこんなにいい曲知ってるの!?」とただでさえ大きい目を輝かせてくれた。
クラスであった面白い話をすると「はるちゃんの話ほんとに面白いわ〜!!」と大袈裟なくらいゲラゲラ笑ってくれた。

私の持っていた当たり前が、私になっていく瞬間。
それらはすべてあんちゃんの側にいたからだった。

同時にわたしは、聞き上手で、リアクション上手で、喜ばせ上手な彼女の当たり前を彼女のものにした。

彩る音、と書いて「彩音」由来は分からないけど、本当にぴったりな名前だと思う。
音楽のように華やかで、居るだけで周りの雰囲気をパッと明るくできる。色んな音を奏でるように表情をコロコロ変え、喜怒哀楽にいつも全力。そんな彼女をみてるとこちらまで幸せになる。

そんな大好きなあんちゃんが言う、「はるちゃんらしいね!」という褒め言葉。これに勝るものは無い。私のことを私以上に分かっている彼女の言葉だから。

私を私たらしめる「遥」らしさは、あんちゃんにとって「私になくてあなたにあるもの」から生まれるものなのかも、と気付いた瞬間だった。

出会って、15年。来年、私たちは社会人になる。

私は、大好きなエンタメの道に進む。人を喜ばせることがこんなにも幸せなことだと知ったのは、あんちゃんの存在があったからだ。自由に伸び伸びと、枠にとらわれない生き方を選んだ私にピッタリの仕事だ。

彼女は、看護師になる。聞き上手で喜ばせ上手。誰よりも心が優しくて、平等に人や物事を見れる。そしてどんな場でも華やかに明るくできる、そんなあんちゃんにピッタリの仕事だ。

あんちゃんが頑張ってるから、私も頑張ろう。きっとこれから先もそんな風に自分を奮い立たせるだろう。

私を、「遥」を、育ててくれてありがとう!
これから先、一生分の感謝を込めて。

遥より

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