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小学校の卒業文集を読み返してみた〜12歳のわたしへ〜

おうち時間が増えた影響でお部屋を掃除していたところ、懐かしいものをみつけてしまいました。

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小学校の卒業文集。みなさんは何を書いたか、覚えているでしょうか。
想像以上に凄いことを書いていたので、ここに書き起こし、成仏したいと思います。

空        山下遥
 青い青い雲一つない空が広がっていた、入学式の朝だった。ピカピカのランドセルを背負って一つ大人に成長した私がいた。あぁ、本当に速かったな、六年間。そう思いながら、毎日私のそばにいるようで遠くにある、そんな空がほほえんでいる。
 これは、私が小学六年生の時の話。
 「はぁー。」
私はこのクラスでため息をつくことが多くなった。このクラスは落ち着かない。みんなが自分の意見を口々に言ってしまうのが一つの原因だろうと思う。本当ならここで改善しようと思わなければならないが、自分は負けてしまったのだ。その時私が動いていれば。そう後悔することもある。そんな落ち着きのない毎日が続いた。空は重くて暗かった。そんな空に吸い込まれてしまいそうな無重力な私には今、どうすることもできなかった。
 私はふと空を見上げた。すると、空はニコっとほほえんだ。なんだろう、私が頑張らないと…。そんな気持ちになった。そして、クラス会を開いて話し合いをした。もっと良いクラスになるといいな…。空が私の背中をおしてくれた。
 その日を境に、私達はゆっくり、ゆっくりだけど良いクラスになったと私は思う。大きな空の中で少しずつだけど進んでいる白い雲のように。空は返事をしてくれない、相談しても答えてはくれない。でも表情を変えてくれる。私達の背中をおしてくれたり、悲しい時は、その気持ちをやわらげてくれる。そう、私達は、空を通じて自分自身に決断を下すのだ。だから皆、空を見るのだ。いっぱい手を広げて、たくさんの空気を吸って…。
 これからも空と共に、自分のスピードで、毎日ゆっくりでも前に進めればいいと、私は思う。

なんかすごい、読んでいて辛い。
伝えたいことはあるはずなのに、それが何枚ものオブラートに包まれて表現されているような違和感。

途中”ガクチカ”(学生時代、力を入れた頑張ったこと)みたいな文章があったけどそれは置いといて。

当時のわたしは、こんなに毎日張り詰めて、気を使って生活していたのか…。同情すら、覚えます。

この文章で本当は何が言いたかったのか。
当時のわたしを思い出せば大体わかります。

小学校六年生のクラスはあまり好きじゃないけど、そうは言えない…。
ハッ!「空」で例えて書けば、みんなにバレずに、嘘をつかずにかけるんじゃないか…。

だよね、多分。

ストレス溜まってたんだね。
友達関係とか、我慢してたんだね。
みんなが先生のこと嫌いだったから嫌いなふりをしていたけど、ほんとは好きだったよね。
授業サボる友達に付き合って、無理してたね。
一生懸命やることがダサいって、そんなこと思ってなかったのにね。

そんな当時の状況に同情しつつも、
今でも許せない、同情できない部分もあります。

不仲な友達の板挟みにあって悪口を言ってしまったり、クラスの雰囲気に逆らえず結果的にいじめに加担してしまったり、わざと授業抜け出して先生を困らせたり…。

「やっちゃいけないこと。悪いことだ。」

そう思いながらも、流されていたのは事実です。
怒り・ストレスの矛先が自分に向けられることが怖くて、
何もできない自分が嫌で、嫌いで、仕方なかった。

あの時の気持ちは、今でも心の奥の方に残っています。
本当に、ごめんなさい。

最近、SNSの誹謗中傷が話題になっているけど、
そういう言葉を分かってかける人は、きっと、心が弱いんだと思います。
自分より弱い人を作って、自分の心をずっと偽ってるだけなんだと思います。少なくとも当時の私はそうでした。

「言葉は毒にも薬にもなる」

そんな言葉にもあるように、
言葉が持つ力、エネルギーって、凄まじい。
使い方によってはとても危ないものだと、理解する必要があると思うんです。

それを踏まえて私が普段から意識していることは、
誰かにかける言葉は、結果的に自分にも返ってくるし、
「やばい」「エモい」そんな言葉で片付ける人にはなりたくない。
なんでも正直に伝えればいいってものではないし、
「素晴らしい」「素敵」なんでもそう言って、自分の言葉の価値を下げたくもない。

ということです。これまでいろんな人に会って、話して、学んだことです。

とはいえ、今でも間違えることはあります。
正直に伝えすぎて、人を傷つけてしまったかもしれない
と反省する時もあります。(そういう時は、自己嫌悪で泣きそうになります。)
間違いをゼロにすることは、難しい。でも、伝えないのはもっとよくない。
矛盾しているように見えるけど、これが私の今のスタンスです。

12歳のわたしへ。
22歳の私は、大好きで尊敬できる友達に囲まれて、
人生の目標となる先生にも出会えて、
幸せでストレスのない生活を送れています。
でもそれは、当時のあなたが必死で、毎日を生きていたからだと思います。
辛い状況の中で、人とどう接すればいいのか、どんな風に立ち回れば人を傷つけないか、信頼してもらえるか…そんな風にずっと考えてきたことは、
確実に今にいきています。
ありがとう。

当時の私への薬を添えて。
おしまい。

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