現金優先

前回の記事で銀行の審査までいった物件があったことを書きました。それが破談になった経緯を書いていきます。

中古マンションを探し始めて約2か月、内覧などをしていたものの、なかなかいい物件に出合えませんでした。一番のネックは金銭面。昨年(2021年)、「新築マンションの販売価格が過去最高値」というニュースを見た方もいると思いますが、コロナによる住宅バブルなるものが発生し、2020年頃から不動産の価格が上昇しています。今は中古マンションの取引価格の推移(新築時を含む)を見れるサイトという便利なものもあり、それで調べてみても、1回目の緊急事態宣言解除後の2020年5、6月くらいから、とにかく高値で取引されているようでした。それにより、3年くらい前なら手が届いたであろう物件も、高くて手が出せない状況でした。

そんな中、藤沢市内で、海からは遠いですが、その他条件の合う物件が良心的な価格で売りに出されているのを見つけました。そして、不動産屋のBさん経由でアポを取ってもらうと、その物件の売主は現在も居住中で、「特定の一日間だけ内覧会を開催する」という形式を取るという情報を入手。そして、内覧会に申込をすると、既に5件、内覧希望が入っているとのことでした。Bさんいわく、「この状況だと、おそらくその日のうちに何組か購入申し込みをすると思うので、事務手続きをとにかく早く終わらせ、売主側の信頼を勝ち取ることが重要だ」とアドバイスをもらいました。そのために、内覧会までにできることは全てやっておこうということになりました。

それを踏まえ、事前に様々な書類に必要事項を記載。住宅ローン申請の事前審査も進め、無事仮承認をもらい、万全の状態で当日を迎えることができました。Bさんからも、「ここまで手続きしていれば、現金で支払う方でも現れない限り、いけるんじゃないですかね!」と太鼓判を押されていました。

迎えた当日。内覧し、特に気になるところもなかったので、その場で申込書を提出して帰り、あとは自宅で結果を待つのみという状況になりました。そして、その日の夕方にBさんから連絡があり、「残念ながら・・・」ということでした。その理由としては、悪い予感は当たるもので、「まさか、本当に現金で支払う方がいました。」とのこと。ローンの事前審査で仮承認がおりていても、あくまで「仮」なので、本審査で落ちることもゼロではないそうです。そうなると売主としては、また一から話を進めていかないといけなくなります。それは面倒ですしリスクです。なので売主からすると、「必要な現金を既に所有していて、その現金で支払う方」が一番信頼でき、当然、そういう方が優先されるそうです。色々と事前準備をして手を尽くしたものの、「現金」というチートな手段によって、一撃でやられてしまった感覚でした。因みに、結果的には、内覧をした人たちのうち、僕を含めた3組が当日に申込書を提出、1組が現金、僕ともう1組がローンとのことでした。

そんなことであえなく撃沈。常にアンテナを張って物件を探し、ようやく見つけたとしても、その先でもまた厳しい競争が待ち受けている可能性があるという現実を思い知りました。これが稀なことなのか、あるあるなのかはよくわかりませんが、「これからどんなモチベーションで家探しをしていけばいいのか?」という気持ちにはなってしまいました。


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