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『小泉今日子書評集』

小泉今日子さんが読売新聞の読書委員をつとめた2005~2014年の10年間に書かれた書評を集めた本。

一冊一冊を読んでいるときの、小泉今日子さんの息づかいが聞こえてきそうな、透明感あふれる文体がとっても魅力的。

作品から感じたことを伝えるその圧倒的な表現力で、紡ぎ出される言葉がつながり、
ふくらんでいく。

経験した喜びや切なさ、戸惑い、恐怖などと重ね合わせて読んだことが書かれていたりして、そういう丁寧な内省を読むと、やっぱり本って、読むことってすばらしいと感じる。

その本を読んだときの年齢で感じていたことも、直球で吐露していていい。

うらやましいし、憧れちゃう。
こんな風に書きたい。
書けるようになりたい。

でも、読み進めるうちに、今は「読んで」「考える」ことが私に必要なことで、欲していることなんだと、ふわっとだけど確かに自覚できた。

一番苦労したのは、いしいしんじの『ポーの話』の書評だったと書かれていたのが印象的だった。





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