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息子のHSCがわかるまで

息子がHSCだとわかったのは、小学3年生の2月くらいでした。


ちょうど冬休み前くらいから、急に「学校に行きたくない」と言い始め、それから行き渋りの毎日でした。

今までも、今日学校どうだった?と聞いても『普通〜』と返す息子なので、どうして行きたくないか、何が辛いか聞くことがとても苦労しました。そもそも本人もよくわからない事を言葉で説明するのは難しいんだろうと思います。

いろいろ話すうちに、学校がうるさくて嫌だ、というのはわかりました。

息子の担任の先生はとても親身になって相談に乗ってくださって、先生の方でも何度も息子と話してみて、やっぱり騒がしいのが気になっているかもしれないとの事でした。

そういうワードで調べていると『聴覚過敏』が出てきます。当てはまるような気もするしそうでもない気もします。

3年生になるまで特に何の音が苦手とかも無く、わいわいした雰囲気も花火もお祭りも全然平気で、むしろ家で音がないと落ち着かないとわざわざテレビをつけたりするので、半信半疑というかあまりピンと来なかったのです。

確かに黒板を引っ掻く音は嫌いなどはありますが、それはわたしも嫌いだし、線引きがとても難しいです。

でも本人が辛くて疲弊するくらいなので、そうなのかなという感じでした。

それからイヤマフをして行くようになりました。すると少しはいいようですが、音は聞こえて来るし辛さは変わらないようでした。それでもココロの御守りとして毎日つけていました。

今考えると、音というよりはイヤマフをつければ自分の世界に入れるのがよかったのかなと思います。

その後担任の先生の勧めもあり病院を受診しました。


ネットを見ると子どものこころの病院というのはたくさん出てきますが、わたしの住む場所にはほとんど無く、担任の先生に勧めてもらった病院は半年以上待たないと予約が取れないとの事。

実際問い合わせてみましたが、緊急性が低いという判断で、半年後の予約も断られてしまいました。

親からしてみたら行き渋り、登校出来ない日も出てきた状況は、何かが進行していってるような焦りがあり、むしろ今が大事なんじゃないの?と思ってしまったんですが。こればっかりはどうしようもありません。


その後普通の精神科を受診しました。

まずはカウンセリングのような面接をし、テストをし、その結果が出るまで2か月くらい。ずっとモヤモヤする日を過ごしました。

幸い通っている小学校には支援学級や交流級のような様々なクラスがあります。ただ診断が出ないことには入れないという事と、聴覚過敏だった場合はそのクラスに居るで余計に音がストレスになる可能性があるかもしれないという配慮もあり、とにかく結果を待つしかない日々でした。

その何も変わらない期間がわたしの中では1番辛かったです。

息子が行きたくないと思う理由もハッキリとわからず、甘えてるだけなんじゃないかと思ったり、どの程度音が辛いかがわからず共感してあげられない事がもどかしかったり、仕事にも穴を空けてしまう事の罪悪感を感じたり。

幸いわたしの職場は子どもの教育関係なので、事情を話したら連れてきていいよと言って頂けたのでとても救われました。


その病院の先生は、聴覚過敏ならばADHDに違いないというような雰囲気をバシバシ出していて、結果が出る日までに読んでおいて下さいとADHDの冊子を渡されました。

ネットでもいろいろ調べていましたが、わたしはADHDではないような気がしていて、その冊子を見てもやっぱり全然ピンと来ないのです。

ただ、当てはめようと思えば当てはまるところもあります。だけどなんか違うんだよなーという感じで、どちらにしても決め手に欠けていました。

そうしてあーでもないこーでもないと、いろいろ調べていた時にHSCを知りました。


息子は、とにかく人見知りをせず誰とでもどんな場所でもわりとすぐに馴染めるタイプです。おちゃらけて人を笑わせるのが好きで、目立つ事も大好きで、参観日なんかは最初から最後まで手を上げ続けるような性格です。

そしてすごく優しいのです。お友達と喧嘩をした時も叩かれた時も一度も相手を叩いた事はなく、従兄弟のちびっこからガンガン殴られて、わたしなんかは「やり返せ!」なんて思っても、絶対に手を出さないので、こちらが勝手にイライラしてしまう程です。泣いている子がいると得意のおちゃらけで笑わせます。


項目を見れば見るほど驚くほど息子にぴったりで、その割に謎に社交性がある事にもしっくり来たのです。

気を遣って場を盛り上げたり、その時その人が欲しいであろう言葉をくれたり。

そういう事なんだと理解ができました。


検査の結果は、やっぱり何も無しでした。

わたしの中ではHSCで決まりだったので、検査の後一応先生に聞いてみましたが、その先生はHSCをご存知ありませんでした。


結果は出たし、HSCで間違いないだろうとわかったものの、それはそれで困ってしまいます。

聴覚過敏に関しては特に検査も無く、ADHDの子は漢方などで緩和している子もいるけれど、今回はその薬も出せませんとの事でした。

HSCだという事はわかったものの、学校生活に関しては何も変化のないままです。行きたくない気持ちもそうすぐ変わるとは思っていませんでしたが、一縷の望みを持っていたのも事実です。

長期戦になるなぁと覚悟を決めました。



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