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Akira Matsui, 元南カルフォルニア大学の計算科学の大学院生。

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マガジン

  • ウェブ・ソーシャルメディア論文紹介マガジン

    • 45本

    ウェブやソーシャルメディア関連のニュースや論文を紹介するマガジンです。

  • 英文ライティングの覚書:Wiliams 本

    Style: The Basics of Clarity and Graceについての覚書。

最近の記事

VlogはYouTubeのブランド力を高める

「好きなことして生き」ていきたいと人類すべての人が願うようになって久しい。たとえYoutuberが「ユーチュバーになりてぇな~、でかいラーメン食べるだけ~」であったとしても、「ユーチュバー“~するだけ”じゃないです。めちゃくちゃしんどいです」なのである。様々な才能、運と本人の努力のスペクトラムによって輝かしいランキングアルゴリズムの海を駆け抜けていくのがYoutuberなのである。 そのようなYoutuberが今までのテレビ芸能人やアイドル、映画俳優とちがうのは「親しみやす

    • ファクトチェックの効果はプラットフォームに依存するか

      今日もSNSではフェイクニュースが拡散されている。地球が平面だったり、大統領がXXXしていたり、OOOのXXXが△△△といったニュースが今日もインターネットには拡散されている。 ところで私達は何ぜあるニュースがフェイクニュースだと「知って」いるのだろうか?古典的なファイクニュースやあまりにも常識から離れている内容であれば簡単に判断できる。しかし、多くのファイクニュースは巧妙に創られている。嘘の情報だけに基づいていたり、虚実交じるものもある。このようなフェイクニュースを見つけ

      • サンゴ礁にくらす魚は誤情報に惑わされない件とその仕組について

        WWW(ワールド・ワイド・ネットワーク)の誕生以降、私達は常時つながった世界に暮らしている。このつながりのネットワークはソーシャル・ネットワークに代表されるように、我々のつながりは様々な情報を人から人に返して伝播していく。しかし、このようなつながりの恩恵を受けているのは私達人間だけではない。分子の構造といったミクロな世界から、食物連鎖といった生命のバトンまでも、この「つながり」で形創られている。 このつながりは、厳しい自然界を生き抜く手段をも授けてくれる。サンゴ礁に暮らす魚

        • 正確であろうとすることが誤情報を見分ける、あとお金も。

          様々なSNSに囲まれてい暮らしている私達は膨大な数の情報を日々受け取っている。ニュースだけでなく、ユーザーの暮らしや広告といった様々な意図を持った情報がインターンの海に行き交っており、その中には不正確な情報やデマやフェイクニュースを含む完全に誤った情報も存在する。 そのような「誤情報」に私達がなぜ騙されるのか改めて考えてみると不思議である。まず、第一に知識(knowledge)の問題がある。ある事柄について知識を持たない人は、その事柄に関連した情報の誤りを判定できない可能性

        VlogはYouTubeのブランド力を高める

        • ファクトチェックの効果はプラットフォームに依存するか

        • サンゴ礁にくらす魚は誤情報に惑わされない件とその仕組について

        • 正確であろうとすることが誤情報を見分ける、あとお金も。

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          3本

        記事

          ヘイターはヘイトを巻き散らかしながら凝縮していく

          インターネットの出現によって個人の発信を拡散するエコシステムを構築することでビジネスを行っている。この情報の源泉を利用したシステムは、個人の発信に依存したTwitterやインスタグラムのようなSNSだけではなく、インターネット掲示板のような古来からあるウェブサービスの原動力にもなっている。 個人発信に依存したシステムは爆発的な拡散力と世界中の情報を集める情報収集能力をもつ。その一方で問題も孕む。たとえば、ヘイトスピーチやエコーチェンバーなどの問題がそうである。この個人の情報

          ヘイターはヘイトを巻き散らかしながら凝縮していく

          二項対立論を超えるために二項対立を使う:一般化ユーグリッド距離を用いたイデオロギーの分極化の分析

          「分断」という単語は様々なニュースや学術論文で使われている。たとえば、政治における問題では、右派と左派に分かれるような対立(たとえば妊娠中絶)が典型的な例といえる。このような、対立構造ないしそのダイナミクスのことは学術的にはpolarizationと呼ばれる。 polarizationには様々なパターンがあり、政治的信条を基礎とするpolarizationがすべてというわけではないが、ソーシャルメディア分析でよく分析されるトピックは、先の例のようなideological p

          二項対立論を超えるために二項対立を使う:一般化ユーグリッド距離を用いたイデオロギーの分極化の分析

          推薦システムになると推薦システムの問題がよく分かる

          フィルターバブルやエコーチェンバーという単語が一般ニュースにも使われて久しい。推薦システムや推薦アルゴリズムによって囲まれた世界によって支配されたプラットフォームでは自分の行動から定義される自分の「興味関心」と類似したユーザーが消費するものが推薦される。それを消費すると、あなたの「興味関心」はどんどん収束していきやがて袋小路に閉じ込められる。その袋小路は多様性の無い画一的なコンテンツで満たされている。 言葉ではわかっても、推薦システムのこの動きを身体で理解することは難しい。

          推薦システムになると推薦システムの問題がよく分かる

          有名人への誹謗中傷への対処とケーススタディ

          一時期、限界費用ゼロ社会というワードがある界隈で流行っていたことを覚えている人はいるだろうか。限界費用とは財を追加的に1単位生産するときに必要な費用のことである。たとえば、ピザ屋さんがピザという財をもう1枚作るときに余計にかかる費用がピザの限界費用である。追加的な生産にかかる費用なので、ピザを焼く窯といった固定費用は含まれず材料費や人件費といったもの飛鳥が限界費用に数えられる。 限界費用がゼロということは財を作るコストがゼロということなので、財が売れるのであれば無限に生産で

          有名人への誹謗中傷への対処とケーススタディ

          研究に向き合えなくなったら

          まず個人的なことを語ります。私は、自分が研究に向いていると思ったことはないです。確かに、研究よりも苦手なことはあるかもしれませんが、研究に向いているか否かといった軸で研究を続けるかは考えたことはありません。 簡単に言うと、ある時とりあえず研究で人生を生きてみようと思ったので今まで研究をしています。自分にとってはそう決めたことだけに意味があって、「研究で生きてみよう」と思ったことを貫徹する人生を生きるという「なにか心に決めたことを守る人生」みたいなのを生きてみたいというのが大

          研究に向き合えなくなったら

          Overleafで自動的に進捗を管理してSlackに送りつける

          (最後に追記あり) かねてからOverleafで論文の進捗を管理したいと思っていた。最近はGithubにGithub Actionsという便利なものがあるのでこれを利用して進捗トラッカーを作った。 流れは以下の通り、 1. OverleafとGithubを連携する (要課金) 2. OverleafからGithubへpushしたらGithub Actionsで勝手にスクリプトが走って、文字数をカウント、プロットしてpngを出力、Slackで自分のチャンネルへその画像を

          Overleafで自動的に進捗を管理してSlackに送りつける

          英文ライティングのメモ Lesson3: Characters

          The basic of clarity and grace について覚書する テーマはメインキャラについて。メインキャラを特定してそれを文の主語にすることが重要であると、Lesson2で指摘した。このレッスンではメインキャラの特定方法と表現法について学ぶ。 明確なメインキャラは文字数が少ない明確なメインキャラは、物理的に短い傾向にある。例えば、”The CIA”というキャラと”The fear of the CIA”では前者のほうが明確である。 特に重要なのは、読者は

          英文ライティングのメモ Lesson3: Characters

          Williams本について

          巷で話題の(以下Williams本)The basic of clarity and graceについて。自分も指導教授から薦められて呼んでいる。この本にかかれていることができているわけでは無いが、どのレベルの人にも役に立つ良い本だと思う。 本の内容については、以下の著者本人による記事を読むと役に立つと思う。 An Excerpt from Style: Toward Clarity and Grace (Part One) An Excerpt from Style:

          Williams本について

          英文ライティングのメモ Lesson2: Actions

          The basic of clarity and grace について覚書する Lesson2 ActionsActionの観点から文を見るときのNot Clearの定義 そもそも文がNot Clearとはどういうことだろうか?それは、文のメインキャラが主語ではなく、文のアクションが動詞では無いときである。 具体例 具体例を挙げる、"The outsourcing of high-tech workers to Asia by corporations means t

          英文ライティングのメモ Lesson2: Actions

          麦茶をつくり自己肯定感を高める

          麦茶でお風呂に入ってもいいと思うくらい麦茶を慕っている。子供のときに夏によく飲んでいたので、自由な夏休みを思い出すのかもしれない。 子供の時にあって大人にないもの、それは自己肯定感である。こんな時代だからこそ自分を肯定したい。『自分が完全に愛想がつかされているのに単に自分から別れを切り出しただけで「フッてやったわー」と周りに吹聴している人』くらい自分を肯定したい。 お手軽に自己をアゲたいいちいち恋人がどうこうとか言うのも面倒なので、もっとお手軽に肯定していきたいのが私こと

          麦茶をつくり自己肯定感を高める

          今回のワクチンが私達にもたらすもの

          ワクチンうったそういうわけで新型コロナのワクチンを打った。アメリカの大学で働いているので、優先接種グループにはいっており、近場の競技場でドライブスルー形式で受けた。車でそのまま会場で乗り付け、車の窓から注射をしてもらい、待機場で車に乗ったままエンジンを切って待機。15分の経過観察をし、アナフィラキシー症状がでたり、体調に異変があった場合はクラクションを鳴らして知らせる。実際、自分が待っている間にクラクションが遠くで鳴っていた。 ロジスティクス圧倒的なスピードでワクチンの開発

          今回のワクチンが私達にもたらすもの

          自分のなまえ由来 ver 1.0

          こんにちは、松井 暉(あきらです)。 とつぜんですが、みなさんは自分の名前の由来聞いたことありますか。たとえば、野比のび太の名前の由来はのびのびとした人に育つように付けられたとみせかけて「玉子が出産当時入院していた病院の中庭に生えていた大木が命名の由来とされる(wikiペディア参照)」とかそういうやつです。 自分も小学生低学年の時に自分の名前の由来を聞く宿題があり、実の親に聞いたけど、父親が勝手に決めたとかそういう表面的な回答しか得られず、非常に口惜しい気分になりました。

          自分のなまえ由来 ver 1.0