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ファクトチェックの効果はプラットフォームに依存するか
今日もSNSではフェイクニュースが拡散されている。地球が平面だったり、大統領がXXXしていたり、OOOのXXXが△△△といったニュースが今日もインターネットには拡散されている。
ところで私達は何ぜあるニュースがフェイクニュースだと「知って」いるのだろうか?古典的なファイクニュースやあまりにも常識から離れている内容であれば簡単に判断できる。しかし、多くのファイクニュースは巧妙に創られている。嘘の情報だけに基づいていたり、虚実交じるものもある。このようなフェイクニュースを見つけるために、第三者機関による判定などがその真実を判断するファクトチェックという作業を行っている。
このファクトチェック関する研究で有名なものとして「ファクトチェックでフェイクと判断されたニュースは、ファクトチェックで真実と判定されたニュースよりもっと拡散される」ことをTwitterのデータで調べた論文がある。
Vosoughi, Soroush, Deb Roy, and Sinan Aral. "The spread of true and false news online." science 359.6380 (2018): 1146-1151.
この6500以上の引用数を誇る論文のタイトルは"The spread of true and false news online"と冠されており、フェイクニュースを対象にした非常に一般的な主張がされている。しかし、SNSでニュースが消費されるのはTwitterだけではない。Twitterで「発見」された法則は他のSNSプラットフォームでも観察できるのだろうか?
今回の記事では、このような疑問に答えるために最近出版された論文を紹介する。論文では、Redditと呼ばれる掲示板形式のSNSのデータが利用され、PNAS Nexusに出版された。
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この論文では、Redditにおいて、ファクトチェックのついたニュースに対してユーザーがどのような反応(engagement)を示したかを分析している。分析の結果として「ファクトチェックでフェイクニュースと判断された記事は、真実と判断された記事よりも、論される量が少なく、時間も短かかった」というものである。つまり、Twitterで発見された法則とは真逆の結果となった。
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ファクトチェックがついた後(点線より右)のコメントの量を見ると(図のB)false(赤)というフェイクと判断された場合のほうが受けるコメントの量が少ないことがわかる。
このような現象が見られる原因として、フェイクニュースは削除されやすいというメカニズムがあるかもしれない。Redditにはモデレーターと呼ばれるボランティアの管理人がプラットフォームの管理をしている。ユーザーが削除した場合は[deleted]とラベルされ、モデレーターが削除した場合は[removed]というラベルがはられる。
実際にどの程度の投稿が削除されているかを調べてみたところ、[deleted]や[removed]される度合いに違いはあるものの、2つをまとめると差がないことがわかった。
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この論文では、Twitterで観測された法則がRedditでは確認できなかったことが報告されている。このような違いが生じる背景には、参加者やインターフェイス、エコシステムの運営方法といった様々なプラットフォーム間の違いが考えられる。重要なのは、この論文の著者も今回の結果がなぜ生じているのかわからないと答えている点だろう。
The fact that this pattern differs from the one observed on Twitter is significant, though our data do not allow us to say why this occurs.
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