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「私たちは子どもに何ができるのか」

逆境の中で育つ子どもに最適なサポートは何なのでしょう。
その境遇の連鎖を止めるのには何が必要なのでしょう。

教育は最も投資効率が高い。そう言って教育に力を入れる著名人も多い。
ところで、どんな教育が良いのでしょう。

”アクティブラーニング”
聞く機会は増えてきているけれど、本当に意味があるのでしょうか。
逆境の中で育ち、じっと椅子に座って授業を受けることが苦手な子にも効果があるのでしょうか。

これらの問いに答えるヒントが、この本に書かれています。


大事なのは、この3つ。

□ 逆境は発達に深刻な影響を与える
□ 非認知能力を高めるのは環境
□ 有能感、自律性、関係性が動機付けに重要


小児期逆境についてはこちらをご参照下さい。


逆境による悪影響の連鎖から抜け出すために必要なのが、非認知能力。
社会で必要とされる、粘り強さ・創造性・協調性などの数字で測れない能力です。ビジネス書でもよく出てくるワードですね。

非認知能力は、教えて身に付くものではありません。ビジネス書を読んでも日常がほとんど変わらないのと同じです。

文化祭を作ったり。
地域の課題を解決する方法を考えたり。
みんなで踊ったり。

チームで粘り強く取り組むことで、非認知能力は養われます。
身に付けようと思って身に付けるのではなく、成し遂げたら自然と身に付いているイメージです。


特に逆境的な環境にいる子にとって重要なのがモチベーションです。大人や社会への不信感が強い場合が多々あるからです。
そういった子は、お金とか物とかのインセンティブにあまり反応しません。

有能感、自律性、関係性。

すなわち、
「自分でも出来る」
「自分の意志でやっている」
「自分の価値を認められている」

この3つを意識して場を作ることで、モチベーションを高めることができます。


親・教師など他人の成長を促したい人は、黒板に文字を書くのではなく、場を作り、チームで活動するサポートをすることが何より重要です。




感想


先行事例や実験を元にしたデータを使って述べてており(= evidence-based)、とても良い本だと思います。
良いと思う行動をデータで示そうというスタンスは、見習うべきところですよね。

無料で良質なコンテンツにアクセスできる世の中になり、知識(認知能力)に関しては学校に行く必要が大幅に減りました。
学校は非認知能力を身に付ける場に変わっていくと思います。

自分のようにトラウマに関わりたい人だけでなく、教育者を志す人にとっても一読の価値ある一冊です。


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