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P-MODEL の『IN A MODEL ROOM』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

佐久間正英プロデュース編!

今回は P-MODEL の『IN A MODEL ROOM』を聴いてみた編お届けします。

ピコピコシンセと過激な歌詞で生まれる奇妙で愉快な世界観、際立つバンドサウンドの生々しさ。

佐久間正英の初プロデュース作品であり、バンド初のフルアルバム。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

1.美術館で会った人だろ

ピコピコパラダイス。気持ちの良いピコピコ。8ビットサウンド的なシンセ。エレキギターの音だけが生々しい。ボーカルは淡々とロボットのようだったり、急にワイルドだったりする。ベースは淡々。0:51〜なんだかいやらしい歌声とメロディ…でも「美術館に 美術館に 美術館に 火をつけるよ」という歌詞は過激。それに、平沢進さんのお父さんは消防士らしい。1:50〜ワイルド。「あんたといいことしたいから 窓ガラスを 窓ガラスを 窓ガラスを 割ってやる」という歌詞が良い。チープなのに、ただチープなだけではない。噛めば噛むほど奥深い味わいが出てくる感じ。シンセのフレーズが耳から離れない。

2.ヘルス・エンジェル

一曲目のシンセのフレーズが耳から離れないまま、次の曲へ突入した。また中毒性の高いピコピコサウンド。今度はベースの音だけが生々しい。ふざけているのかと思う歌詞、可愛い。Aメロからサビ、ずっとキャッチー。一緒に「Health Angel!!!」って叫びたい。好き勝手、自由奔放な感じが、今の平沢進さんを知っているだけにジワジワ来る。

3.ルーム・ランナー

ダークなピコピコ。ラスボス。スピード感が凄い、焦るピコピコ。ピコピコに追われる。ボーカルの抑揚の付け方が気味が悪くてクセになる。ずっとおかしなテンション。こんなスーパーマンは嫌だ!1:05〜演奏も様子おかしげ。2:05〜突然荒い息で「ハァ…ハァ…」言っている人と、不審者のような声(オイ)で「Where are you going roomrunner」と繰り返される。何…怖い…!その間に入ってくる子供の声真似をしたような「スーパーマン!」という声がまた怖い。これが30秒続くのなんなんだ…悪い夢でもみてるのか…?

4.ソフィスティケイテッド

淡々と丸みのあるピコピコで進んでいく。ベースだけが生々しい。無機質さと肉感的なバランスがずっと絶妙。歌詞全部「ソフィスティケイテッドOOOO」だ。ヤバすぎる。色んなものが洗練されていく。平沢さんってこんな声だったんだ…とか思ったりした。2:04〜途中から色んな効果音入ってきてカオス。ノイズ。サイレン。超攻めてるぜ…

5.子供たちどうも

ロックなギターが格好良い!「どうも どうも 子供たち」ってひたすら繰り返しているサビ(これはサビなのか?)のシュール。子供たち逃げて…!歌詞は平沢さんのお兄さんが担当したとか。狂気。2:20〜「どうも!どうも!」のコールアンドレスポンス(?)みたいなやつが面白すぎる。演奏は格好良い。この曲はピコピコ感が薄い。

6.KAMEARI POP

呑気だけど無機質で冷たい。かと思えば温かさもある。不思議。淡々と進んでいく。「子供サークル 天国」とか「親切ていねい住民エゴ」とかグッとくるパンチラインのある言葉が沢山。歌詞のセンスがずっと凄い。ひたすら同じように繰り返す。ほのぼの。3:05〜ひたすらセクシーに「エゴ」という言葉を繰り返していて良い。こんなにも「エゴ」をセクシーに言えるんだ。

7.サンシャイン・シティ

昔の「世にも奇妙な物語」ってこういうBGM流れているよな〜なイントロ。0:11〜「サンシャインシティーイー⤴︎イー⤴︎イー⤴︎イー⤴︎」ヤバい。0:47〜歌のテンションが異常。「死んだ」という言葉が入っている時の歌い方が一段と危ない。スカパンク。1:23〜「アァアア???」平沢さん本当に面白い人だ…

8.偉大なる頭脳

どんどん難解になっていく。ピコピコ感もどんどん薄れていっている感じがする。音程など無いみたいな歌。0:47〜ベースラインの複雑さが際立っていて、そのベースのメロディに合わせて歌っているのゾワゾワする。なんだか暑苦しいコーラス隊。汗。めっちゃ変拍子だし、変で最高。みんな変態!
前身バンドのMANDRAKEの「錯乱の扉」という曲のイントロ部分を再度アレンジして、歌詞をつけたものらしい。

9.ホワイト・シガレット

再びピコピコじみてきた。野蛮。なんか人が沢山いる。ずっと鳴っている高速ピコピコに焦る。炎メラメラな熱さがある。「シガシガシガシガ ホワイトシガレット」って歌詞、どうやったら思いつくの?2:08〜なんの音なんだ…!?何が起こっているんだ!?ずっと状況が掴めていない。ずっと困惑している。熱量に圧倒される。

10.MOMO色トリック

左右に移動するピキピキなシンセ音が耳にチクチク刺さる。「ピンクは血の色~♪」って歌いたくなるくらい楽しいメロディ。ギターとベースの音が格好良い〜!歌詞の「ユージさん」は今野雄二さんのことで「アホのリノ」は女優のかたせ梨乃さんのことらしい。凄い焚き付けるじゃん…。2:30〜ピコピコパラダイス楽しすぎる。陽気。歌い方、ロックスターみたいで格好良い!

11.アート・ブラインド

インダストリアル…!?一番最後に重たいの来た。なんか時々「ハァハァ」聴こえる気がするけど、自分が3曲目の「ルーム・ランナー」を引きずっているだけ!?1:30〜宇宙人からのお告げ。「未来は綺麗に」ミライは…ミライハキレイニ……。最後の曲が一番難解だった。オモロ〜!!



P-MODELは、1979年結成された日本の音楽グループ。2000年に無期限活動休止した。日本のメジャーバンド初の、楽曲のMP3配信を行ったグループ。2004年からは、平沢進がP-MODELの作風を受け継いだプロジェクト「核P-MODEL」として活動している。

本作は1979年に発売された初のフルアルバムであり、佐久間正英の初プロデュース作品。ジョージ・オーウェルの小説「1984年」がコンセプトの基としてあり、「東京版1984年」とも言われている。当時のメンバーは平沢進(Vo,G,シンセサイザー)、秋山勝彦(B,シンセサイザー,Cho)、田中靖美(Key,シンセサイザー,Cho)、田井中貞利(Dr)で、前身バンドである「MANDRAKE」のメンバー全員が、P-MODELに参加している。

佐久間正英(1952年-2014年)は、日本で活躍した音楽プロデューサー。自身も「四人囃子」、「プラスチックス」のメンバーとしても活動していた。2010年までには約144組のアーティストをプロデュースしている。

平沢進さん……『救済の技法』は以前このnoteでもレビューしたことありますが、こんなピコピコポップな活動もされていたなんて…!!!

P-MODEL自体は名前だけずっと知っていたけど、しっかり聴くのは初めてだったので一曲目のピコピコっぷりには驚いてしまったな〜

『救済の技法』は、”教祖”平沢進様という感じだったので…

どの曲も耳にこびりつくようなピコピコさと、中毒性と毒?のある歌詞がとても良かった。

歌詞が本当に天才でした。

平沢さんのお兄さんが作詞に参加しているのも面白い。一番にブッ飛んでいるような素晴らしい歌詞でした。

そして今回プロデュースした佐久間正英さん!

調べてみると、アーティストの個性を尊重した上で、全体像を客観的に捉えてアーティストやその楽曲に合わせていくというスタイルらしく、

プロデュース哲学は「それ(エゴや自意識)が出たら負けですね。佐久間がやったと思われたらおしまい。音楽はアーティストのものであってプロデューサーのものではないです」Real Sound インタビュー

と言っていて!!!前回取り上げたSteve Albiniとの共通点だ!!格好良い!!って1人興奮しました。

カリスマプロデューサーに必要なことはアーティストを尊重することなのか…当たり前のことかもしれないけど、でもこれは確かに大切なことだと思いました。

佐久間さん、これまでに約144組のアーティストをプロデュースしているの改めて凄すぎるな…


引き続き、佐久間正英プロデュース編です!

次回は 早川義夫 の『この世で一番キレイなもの』を聴いてみた編をお届けする予定です。


最後まで読んでくださり、有難うございました。


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