Bill Evans の『Waltz for Debby』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は Bill Evans の『Waltz for Debby』を聴いてみた編をお届けします。

恐ろしいほどに甘く美しい演奏に溶ける、瞬間密封されたような当時のざわめき。

3つの楽器は対等に音楽を紡ぎ合い、奥深くロマンチックな世界が広がる一枚。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

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1.My Foolish Heart

お客さんの話し声が聞こえる感じ、目を閉じたら目の前で演奏しているみたい。0:50〜めっちゃお客さん咳してる、大丈夫…?水飲む?耳をすませば地下鉄の音とかも聴こえるらしい。ピアノ、ドラム、ベースのトリオってすごくバランスが良いんだな…。音の隙間の一つ一つ、間に上品さと甘さ、美しさが溢れ出している。ピアノの音に身を委ねて、とろけてしまいたい。ドラムの繊細さがゴージャスな煌めきを与えているのだと思う。この店内の薄らとしたざわめきが落ち着く。咳とかくしゃみとか、みんなお大事にね…


2.Waltz For Debby(Take 2)

ビルの姪デビイ(当時2歳)に捧げられた曲らしい。ワルツっぽい。軽やかで可愛らしい。愛嬌がある。1:00〜ピアノの勢いとノリの場の支配力格好良い。ピアノがしっかりリーダー。気づいたら4拍子になったりする。ピアノと一緒に、積極的に音楽を作っていくようなベースの絡み方が好き。4:20〜珍しい音を奏で、前へと主張するベース。ひたすら夢のような時間。なんて美しいんだ…!


3.Detour Ahead(Take 2)

「人生の回り道」を意味しているというタイトル。路地裏の、秘密の隠れ家的ジャズバーで演奏されていて欲しい。グラスが擦れ合う音も、お客さんの話し声も相変わらず聴こえるけど、そこがリアルで、妄想力で頑張らなくてもジャズバーに飛べる。しっとり影のある大人な雰囲気。それぞれの楽器が押し付けがましくなく、アドリブを提案しあっている感じ。5:30〜グッと静かに熱量が上がってゾクゾクした。大人の余裕。

4.My Romance(Take 1)

一音目からMy Romanceすぎる。寝る前に聴きたい。水でも酔えると思う。美しい。本当に美しい。歌舞伎町のゴミが散乱した道とか歩いてるとゲンナリするけど、この曲聴いていれば「愉快愉快〜♪」って思えるかもしれない。1:10〜躍動感があって生き生きとしている。3:35〜リズムどうやって取っているの…?5:17〜ベースちょっとほったらかしにしている感じ面白い。自由。

5.Some Other Time

しっとり天国。話し声が近い気がする。改めて、3つの楽器で構成されているとは思えない重みと奥深さがあるなと思う。この楽曲と相応しくない、あらゆる正反対のシチュエーションで聴いて化学変化を楽しんでみたい。←美しすぎる音楽を聴くとこんな意味不明なこと考えてしまうんだ…自分。

6.Milestones

Miles Davisの代表曲のカバー。トランペットの活発さがこんな風にピアノによって柔らかく、滑らかなものにアレンジされるんだ…!それでいて熱量が凄い。ドラム、熱い。ベースも熱い。エネルギッシュでシリアスで、しっかり上品さも忘れていない。このバランス感覚が凄い。2:30〜ドラムが凄い。3:50〜ベースが凄い。ピアノずっと凄い。みんな違ってみんな凄い。最後の最後でおじ様が笑いすぎてウケた。

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Bill Evans は、1956年から活動を開始したアメリカのジャズピアニスト。1958年にMiles Davisのグループに加入し、『Kind Of Blue』の録音にも参加している。ベースやドラムが対等で自由に演奏される「インタープレイ」と呼ばれる演奏形態を確立した。本作は1961年にヴィレッジ・ヴァンガードで行ったライブを収録。参加メンバーはBill Evans(p) 、Scott LaFaro(b) 、Paul Motian(ds) 。


本作でベースを担当したScott LaFaroさんが、この演奏の11日後に事故で亡くなってしまったと知り驚きました。

Bill Evansトリオには欠かせない人物…!というか、誰も欠けてはいけない…!!


あと、普通なら雑音として無かったことにされるような「ざわめき」がそのまま残っているところ、本当に有難うございます(?)

ロックバンドのライブ盤でも、お客さんのヒューヒュー!な声とか拍手は聴けるけど、なんかとても生……目の前に居る感じがしてトキメキました。

結構お客さん自由に物音を出しているのに、トリオはめちゃくちゃ音楽、演奏に集中しているところもとても良かったです。

ジャズの魅力にズブズブとはまり始めている内山。

今、真剣にジャズバーデビューしようと目論んでいます(オススメがあれば教えて下さい!)。


次回は Jaco Pastorius の『Word of Mouth』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに…!


最後まで読んでくださり、有難う御座いました。

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