John Coltrane の『Love Supreme』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は John Coltrane の『Love Supreme』を聴いてみた編をお届けします。

荘厳で神々しい宗教的なジャズサウンド、競い合うようにして激しく絡み合うカルテット。

テナーサックスが説く至上の愛に、姿勢を正して耳を傾けたい一枚。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

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Part 1–Acknowledgement

「承認」。最初の一音目から、黄金のゾウとか出てきそうな神々しさがある。Coltraneの吹くテナーサックスが、小気味良く開幕のフレーズを響かせている。 全員が自由。他の人の音、実は何も聞こえてないんじゃないかってくらいの自由っぷり。たまに噛み合うのが面白い。サックスがずっと左側で語りかけて来ている。楽器によって距離感が違う。5:00〜サックスがお茶目。5:45〜サックスちょっと中央寄りになった…!?(気のせい?)6:08〜「A Love Supreme」のお経。気づいたら儀式に参加させられている。こんなジャズあるんだ…!!

Part 2–Resolution

「決意」。太く響く弦の音なんだろう…って思ったらアコースティック・ベースって言うんだ…!軽やかで緊張感のあるベースソロ。サックスの咆哮。やっぱり左側が特等席らしい。遠いけど、ドラムもかなり激しく演奏している。1:56〜オシャピアノゾーン。ピアノの音がフィーチャーされる。指どうなっているのか見たい。生き生きとしている。そうこうしているうちに、ドラムがめっちゃ右側で存在感強めてきた。不協和音っぽい音すらお洒落に活かしてしまうピアノ。中盤からはもうみんな競い合うようにして激しくなっていく。5:15〜プチ爆発しまくりのドラム、めっちゃ格好良い。高まる…!!

Part 3–Pursuance

「追求」。ドラムがフィーチャー。1分半近く細かく素早い打撃を繰り出し続ける。激しいドラムソロに続くサックスの流れがクール!どんどん軽快にバトンタッチしていく。3:20〜指が多分大変なことになってる。各ソロパートのオラオラ感が凄い。ピアノが終わった途端、一音目から「道開けろ!」的な感じで吹き出すサックスパイセンが怖すぎる。 ひたすら聴いてるこっちが焦ってしまう。みんな…怒ってる…?ドラムはずっと奥の方で黙々と一人爆発しづけているのも面白い。7:23〜やっとドラムが主役を奪い取る。頭を奪い合うヤンキードラマ観てるみたいな気持ち。7:50〜ベース・ソロが全ての争いを鎮静させる。凄い。

Part 4–Psalm

「賛美」。荘厳すぎる。宗教画。正座。和を感じる。サックス最後のパートまで左側で鳴るのを貫いている。全員が頭を伏して、物凄い位の高い人物が登場する感じ。壮大。ドラムの演出力が圧巻。サックスがずっと有難いお言葉を投げ掛けてくれている。終盤ほぼ泣いている。重厚なクライマックス。正座。

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John Coltraneは、1946年に活動を開始したアメリカのサックスプレーヤー。Traneという名で親しまれている。1950年代のハードバップの黄金時代から1960年代のモードジャズ、フリー・ジャズに渡って、大きな影響を残した。本作は1965年にリリース。参加メンバーはJohn Coltrane(tenor sax)、Jimmy Garrison(bass)、Elvin Jones(drum)、McCoy Tyner(piano)の4人で、「不動のカルテット」と評価された。

● ハードバップ :モダンジャズの一種で、アメリカ東海岸で、1950年代に始まり1960年代まで続いた演奏形態。ここから、ソウルジャズやフリージャズなどが誕生していった。

● モードジャズ:モーダルジャズともいう。コード進行よりも旋法を用いて演奏されるジャズのこと。

● フリージャズ:1950年代末に、ビバップといったそれまでのジャズの演奏スタイルを否定し、当時の新しいジャズのジャンルとして誕生した。1960年代に流行した。


こんなジャズがあるのか…!と、ジャズだけど、ジャズからはみ出るような独創性に驚き続ける33分間でした。

「これを最初に聴いたらジャズが嫌いになる」というレビューをチラホラ見かけたのですが、確かにビックリしちゃうかもしれないけど、そんな悲しいこと言わないで〜!

自分の中がジャズを広げられた気がしているし、ジャズを学ぶ上で聴いておいて良かった歴史的重要作だと思います。

「テナーサックスの聖人」とも呼ばれているColtraneのサックスプレイも圧巻でした。

「俺だけを見ろ!!」って圧と情熱があって、ライブ中の興奮した内山かと思いました。

ジャズ全然知らなかったので楽しいです。

次回はMiles Davis の『Kind of Blue』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに…!

最後まで読んでくださり、有難う御座いました。

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