参考書に載ってない国語の解き方完全マニュアル
国語の成績を上げるには本を毎日読めばいいとか、あれはセンスだとかよく言われるがそんなことはちゃんちゃらおかしい。あれは、ゲームルールが秘匿されているクソゲーだ。そのルールを知っているかどうかのゲームにすぎない。
覚えておくこと
基本的にマルをもらえる回答を作るために知っておくべきことは以下の通りである。
棒線部を言い換え
棒線部付近を言い換える
具体を抽象化
指示語を明示する
説明しにくければ対偶を取る
対比を明示する
そして、減点されないためにこちらも覚えておいてほしい。
文末への注意
具体例など余計なことは書かない
自分の意見は書かない。「著者」視点より「採点者」視点。
「」は辞書の意味とは違う意味で使っているということ
例題を使って説明しよう。
例題
以下の文章を読んで問いに答えなさい。
棒線部の言い換え
問:(1)「マック赤坂は、東京都民を救うために、ニューマックになって帰ってまいりました。」とはどういうことか?
答え:演説者は、東京都民の生活を助けるために、かつてよりもさらに力をつけ、東京都知事選に戻ってきたということ。
解説:とにかく、部分に分けて一つ一つ区切るのだ。そして言い換える。「マック赤坂」は「演説者」に(文章なら「筆者」)、「ニューマック」あたりを言い換え、そしてよりわかりやすくするために「東京都知事選」あたりを付け加えてやる。
「言い換えなんてトートロジーではないか!」と思われるかもしれないが、要求されているのは国会答弁のような「逃げ」である。これでよい。
棒線部付近の言い換え/曖昧をきっちり
問(2):「1つは役人天国でございます。」とはどういうことか?
答え: 現状の東京都において、職員の待遇が異常に良過ぎるということがあるため、これは改革すべき事案の一つであるということ。
解説: まずこの文の主語は何であろうか?棒線部付近を見ると「天国」のことである。まず
「1つは役人天国でございます」→「天国の1つは役人天国でございます」
と言い換える。
そして「天国」や「役人天国」という具体的曖昧ワードを抽象化しなければいけない。曖昧はきっちり、具体は抽象にが基本だ。
「天国」→改革すべき事案 「役人天国」→職員の待遇が異常に良過ぎること
あたりが妥当であろう。
具体を抽象に/指示語を明確にする/対偶を取る
問(3):「この東京」とはどういうことか?
答え:福祉問題や、心の問題、ホームレスの問題など、未解決な問題を多く抱える必ずしも豊かとは言えない東京のこと。
解説:「この」などの指示語を棒線部やその直前に含む場合、必ずそれを説明しなければならない。これをしないと普通に減点ポイント。
今回の場合「この」は諸問題を抱えている東京のことだろう。それを書いてやればよい。
そして、諸問題の具体例が文中にあるが、基本的には抽象化して書くことが推奨される。特に、要約能力を問われている試験の場合はそうである。たとえば、東大の国語の解答欄はクソ狭い。解答欄の狭さから「要約しろ」という意図を察せということなのだ。
「本当に東京は豊かなんでしょうか?」という反語の言い換えは、対偶を取ると綺麗にまとまりそうだ。「必ずしも幸せとは言えない」できれいにまとまりそうだ。
対比は明確に
問(4)「2つの天国がございます。いや地獄です。」とあるが、この「2つの地獄」の違いとは何か?(少しクソ問注意)
答: 行政としての役人がきちんと働いていないということと、一方で立法としての都議会が税金を大量に消費しているということ。
解説:クソ問と言ったのはこれはこの文章においてこの二つの違いを考えることに意味はないからである。文中に特に対立構造がなかったので無理やりこんな設問にした。本当は文章全体で対比構造があると例文として良かったのだが。入試でよくあるのは西洋⇄日本とかの対比でよくある。
まあ、とにかくこんな問題が出たとしよう。あなたは受験生として答えなければいけない。
「違いとは何か?」と聞かれたのでこの二つは対比構造なのだ。それぞれを説明してやる。そして、その間に「一方で」などのデイスコースマーカーを入れてやる。これで高得点確定だ。クソゲーだろ。
おまけ問題:要約
問5:本文を要約せよ。
答え: 演説者は、優れた経歴をもち、行政立法両面から改革すべき事案を提案し、心の視点からもスマイルの溢れる東京を目指し、東京オリンピックにおいても指導的に努力しようという政策を掲げていると主張している。
問6:本文の要旨となる主張は何か?
答え: 演説者は東京都議選において投票に値する人物であるという主張。
解説:まず、要約と要旨の違いはちゃんと理解しておきたい。「要約」は文章全体の圧縮であり、「要旨」は文章の一番大事なところの切り抜きである。
要約といわれたときに何をすればいいかというと、だいたい各段落に1つくらい主張があるので、そこを切り抜いて言い換えてやればよい。
要旨は、最初か最後にある。わかりやすい文章では最初と最後両方にある。今回の場合は「なにとぞ、なにとぞ、東京都知事はマック赤坂をよろしく申し上げます。」であろう。そういうことだ。
注意点
補足的な感じなのだが、以下のことに注意してほしい
文末への注意
「どういうことか?」と聞かれたら「〜ということ。」
「何か?」と聞かれたら「(名詞)。」「〜こと。」「〜点。」
「なぜか?」と聞かれたら「〜から。」「〜ため。」
文末はちゃんとしていないと減点である。
具体例など余計なことは書かない
具体はマジで排除。「電流とは何か?」という問いに対して「電流はたとえば水の流れのようなものであり…」みたいなこと書き出したら0点である。
自分の意見は書かない。「著者」視点より「採点者」視点。
自分の意見を書かないのは当たり前。文章と思ってることが違っても自分の気持ちは押し殺すこと。
そして、マインドとして「著者」より「採点者」視点に立つこと。twitterで入試で引用された文章の著者が問題を解いて「違うけどな〜」みたいなことを言ってるのを見たことがあるだろう。とにかく点取りゲームなのだから、採点者が神だ。
「」は辞書の意味とは違う意味で使っているということ
日本語の文章において「」は強調もしくは本来の意味とは違う意味で使われる。今回は後者の話。特に「」は著者独自の主張概念に使われたりするのでよく現れる。「」の意味を理解していることを明確にすること。
「」が棒線部に含まれたりすることも多い。「」内の言葉はこれでもかと詳しく説明すること。