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人生は意味づけが9割

巷で話題の9割本みたいなタイトルをつけてみました(笑)。

今日は、人が日々の中で行う“意味づけ”が、さまざまな出来事に対する捉え方、ひいては幸福感にいかに影響を及ぼすかというテーマで書こうと思います。

そもそもこれを説明する理論があって、「社会情動的選択性理論」といいます。

この理論は、「高齢期には身体能力の低下や、友人・配偶者との別れなどのネガティブな出来事が増えるのに、それに反比例する形でなぜか高齢者の幸福感は高い」というパラドックスを説明する理論なのですが、その理由は以下のように説明されます。

高齢者がストレスフルな状況でもポジティブな人生を歩むことができるのは、高齢者が感情をコントロールすることや、感情的な満足感を重視し、それらを得るために認知的あるいは社会的資源を投資する

『よくわかる高齢者心理学』より引用

これに関連するエピソードとして、先日、高齢女性の方がお話しされていた内容がとても印象に残っています。おそらく今年で90歳くらいになる女性の方なのですが、

「疎開の時に川へ落ちて入った足の骨のヒビの影響が、最近になって出てきたみたいで、最近は足が痛くて歩けなくなってきたんだけど、スーパーへ行く途中に時々足を止めながら、景色を眺めることにしようと思って、がんばって毎日行っています。」

と話されていました。

この場合、「足が痛くて時々立ち止まってしまう」という困難に対して、「景色を見ることにしよう」という認知的なコントロールをすることで、上手く適応していることがわかります。

これを“強さ”と捉えることが果たして正解なのかはわかりませんが、意味づけの仕方のポジティブさに感服します。と同時に、私が実際にこの女性と同じ状況になったときに、同じようにポジティブな意味づけができるだろうかと思います。

もちろん、「足が痛くなった。だからもう私は自力ではスーパーに行けない」と諦めることだってできます。もしかすると足の痛みのことを考えれば、その方がずっと楽かもしれません。

諦めるのは一瞬だけど、諦めない限り挑戦は続く。しかし挑戦している限り、希望を持ち続けることができます。

上記のエピソードからは、意味づけの仕方が人生全体に及ぼす影響について、改めて考えさせられました。

他方で、ポジティブなことを重視するのは高齢者に特有であり、反対に若者はネガティブなことを重視してしまう傾向にあることも研究からわかっているそうです。

つまり若者はネガティブ思考に陥りやすい傾向にあるため、無理にポジティブ思考にならなければと躍起になる必要もないとは思います。

しかし、物事の捉え方は意味づけによって180度変わると言っても過言ではないと私は思います。だからこそ、できるだけポジティブな意味づけの仕方ができる人でありたいし、そのためのヒントを、高齢者からは学ぶことができるのではないでしょうか。

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