予想外からはじまる旅 - 鳥取・米子
「ねぇ、鳥取行かない?」
同じ日に退職した先輩が、近況報告の席でおもむろに言った。
全国旅行支援も始まってお安く旅ができる!ということもあって、とりあえず、ふたつ返事で行ってみることにした。(無職だから暇だし。)
そんな旅の記録です。
無職あらため
早朝、先輩と待ち合わせるはずが、なぜか遠方に住む父と手荷物検査場にいた。
娘が心配で付いてきちゃった…!
というわけではなくて(むしろ日ごろは野放しにされている)
なんと、ちょうど同じ方面への出張の予定だった。
父にとって20年以上ぶりの飛行機だというのに、出発時間もたったの10分差。
粗相が無いかドキドキしつつも、父と職場の方々とゲートまでご一緒させていただき、添乗員をした。前職では同じようにお客さんをお連れすることもあって、やっぱり良い仕事が出来て良かったなぁ…なんて、しみじみ思ってみたりした。
ちょっと気を抜いたら数ヶ月くらい音信不通になってしまう父が上空を追いかけてくると思うと何だかおかしくて、予想外のできごとから始まる旅に、もうわくわくしていた。
色集めは、しあわせ集め
無事に先輩とも待ち合わせが出来て、鳥取空港からバスで鳥取砂丘へ。早く外の空気を吸ってみたい気持ちが抑えられずに、1つ前の停留所で途中下車して、ひたすら真っすぐに歩く。
「いかにも普通のビーチですよ」みたいな、澄ました顔でぬるっと現れた砂丘。ちょっと遅れて驚きの感情がやってきて、この砂山が波の力で少しずつ堆積して創られたと思うと、本当に自然の力の偉大さに感激してしまう。
白っぽい砂とのコントラストから、空と海の「青色」の印象が強く感じられる、鳥取砂丘。
空と海の境目を眺めながら大きく息を吸って、身体中が「砂丘の青色」で満たされたとき、ふと、色を集めるのが好きだなぁと思った。
日ごろ、カメラに思い出と一緒に色をしまいこんでいくような感覚でシャッターを切っていたり。色名がタイトルになっている曲を集めてプレイリストにまとめてみたり。SNSの共通アカウント名(periwinkle)も、青紫色から付けたんだったっけ。
色といえば、数年前に母から、ある色えんぴつを貰ったことがあった。
全部で500色もあるこの色えんぴつは、1本1本に「世界中の“しあわせの情景” から生まれた色名」が付けられているのだそう。たぶん、長いこと誰かの心にまだほんのり温度を保ったまま残っている風景。
1本ずつ眺めていると、わたしも思い出を語ってみたくなったり、新しい場所を目指して旅に出たくなったり、ありふれた日々を大切に過ごしてみたくなったりする、魔法みたいな色えんぴつ。もし自分が名付けるとしたら…?なんて、時々考えながらわくわくしてしまう。
色集めって、たぶん、しあわせ集め。
砂丘で見たこの青も、「鳥取砂丘の晴れた日の空色」として心のパレットに鮮やかに残っている。色えんぴつではなくても、集めた「しあわせ」がいつか何かの形になったらおもしろいなぁ…なんて。
米子での愛すべき出会い
話は戻って、何とか特急に飛び乗ることができ、鳥取から1時間ちょっとの米子へ。
米子へは、鳥取の宿がどこも空いていなかったので来ることにしていたのだけど、予想外こそが旅の醍醐味だったりする。米子の人・もの・場所との愛すべき出会いについて、残しておきたい。
休業日の確認、大事。
米子は火曜日を中心に回る予定を立てていたのだけど、
火曜日の休業率高め〜〜〜!!!
写真と白バラ牛乳好きとしては、植田正治写真美術館 と みるくの里 の休業日にあたってしまったことが悔やまれるのだけど、また米子に行く理由としては充分すぎるかもしれないな。
それでは、またきっと。
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