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five realities 〜統合〜 (6)

夫には告げず霊媒師の元へ行った
 
 私のこれからはどうなりますか

その時の私には
この言葉しか出てこなかった

彼女は目を逸らしたまま
 これからは必要がなくなった
 ご縁は切れるでしょう

 あなたの思うままの人生になります

きっと
彼女の言葉を聞かなくても
心は決まっていた

何を言われようが
私の意思は決まっていた

ただ背中を押してくれる
何かが欲しかった

数か月のち家族が揃う場で
家を出ると宣言をした

あと二年 
この地でやるべき事を片づけ
彼がいる町で暮らしていこう
そう決めていた

家族から離れる

親元から出て
直ぐに夫と暮らした私には
初めての一人暮らしだった

何時でも家には誰かがいて
一人で外食をしたこともなかった

一日中子守歌代わりについていた
テレビは設置しなかった
自分が出す物音以外は何も聞こえない

自分時間を過ごしていった

一週間が過ぎ
どうしようもない孤独感

孤独の恐怖に耐えきれず
涙が溢れる

私は何時でも強く生きてきたのに

ひとりがこんなにも寂しい

このまま部屋で
一日を終えることが怖かった

学生時代の友人に連絡を取って会う

急に夜の街に繰り出すのは
初めてのこと

久しぶりの再会と美味しいお酒

孤独と自由は紙一重で
出来上がった時間だと学んだ

それからは
孤独を感じたら
身体を動かした

孤独を感じたら
眠るようにした
ゆっくりと孤独を慣らしていく

行きたい場所に出掛け
一人で外食にも出掛ける

少しずつ孤独を自由に変えていく


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