氷月

主な関心は宗教・思想・哲学と古典言語。エッセイや気に入った文学、音楽、漫画・アニメ作品…

氷月

主な関心は宗教・思想・哲学と古典言語。エッセイや気に入った文学、音楽、漫画・アニメ作品の感想を書いていきます。そのうち詩や小説も書いていきたい...!

最近の記事

音楽感想:いのち(2024 ver.)/AZKi

はじめに 「いのち」およびそのリメイク版である「いのち(2024 ver.)」はホロライブ所属のVirtual Diva AZKiちゃんのオリジナル曲です。作詞・作曲・編曲は瀬名航さんが担当されました。原曲の「いのち」は2019年にAZKiちゃんの8番目のオリジナル曲としてリリースされて人気を博しました。そしてその5年後の2024年4月27日、AZKiちゃんのチャンネル登録者100万人&100曲耐久の達成直後、「いのち(2024 ver.)」のリリースが発表されました。  リ

    • エッセイ:この世界を愛せるか――宗教思想散策

      はじめに この世界、もちろん愛せるなら愛したほうが人生楽しそうな気はします。しかし世の中はとても愛する気が起きなくなるような悲惨な出来事に満ち溢れています。ウクライナやガザ、国内だと能登半島地震などの本格的な例を待たずとも、病気、労働、嫌な人間関係、そしてどんなに楽しい人生を送ったとしても、老いと死から逃れることはできません。世界はどうしてこんな風にできているのでしょうか。 グノーシスの誘惑 もしこの世界が、偽の神の創った悪の世界だったとしたら?  そういう宗教思想があり

      • 読書感想:宇佐見りん『推し、燃ゆ』

        はじめに 宇佐見りん『推し、燃ゆ』(河出書房新社)は、第164回芥川賞を受賞した作品です。昨今話題の「推し」を題材としています。  僕は「推し」という言葉にはあまり馴染みがなく、一応世の中に合わせて使ってはいるものの、あまりしっくりくる言葉ではないです。しかし近年、僕にも世間一般で言うところの「推し」ができたので、以前から名前を聞いたことがあったこの本を読んでみました。 あらすじ 勉強もできず、バイトでも失敗ばかりしている高校生のあかりは、自分を犠牲にしてまでもアイドルユ

        • エッセイ:シオラン――敗北者の守護聖人

          はじめに エミール・シオラン(Emil Cioran、1911-1995)はルーマニア生まれの作家、思想家です。後にフランスに移住し、フランスで生涯を終えました。著作には初期のルーマニア語によるものと後期のフランス語によるものがあります。  今はもう動いていませんが、Twitterにシオランの言葉をツイートするbotがあります(@Cioran_Jp)。停止して一年経ちましたが、フォロワー数はまだ約二万人(2024年5月現在)おり、僕もこのbotでシオランという人物の存在を知

        音楽感想:いのち(2024 ver.)/AZKi

          旅行記:東京水族館巡り(サンシャイン水族館)とアクアラミィウムの思い出

           2024年5月に所用で東京を訪れた際、空いた時間にすみだ水族館、サンシャイン水族館、アクアパーク品川と東京の三つの水族館を巡ってきました。その記録の後編となるこの記事では、サンシャイン水族館について書きます。サンシャイン水族館には以前、「#アクアラミィウム」というイベントで訪れたことがあります。それについても書こうと思ったので、記事を別立てしました。 ◇前編 アクアラミィウム 「#アクアラミィウム」は大手Vtuber事務所ホロライブ所属・雪花ラミィちゃんのチャンネル登録

          旅行記:東京水族館巡り(サンシャイン水族館)とアクアラミィウムの思い出

          旅行記:東京水族館巡り(すみだ水族館、アクアパーク品川)

           2024年5月に所用で東京を訪れた際、空いた時間にすみだ水族館、サンシャイン水族館、アクアパーク品川と東京の三つの水族館を巡ってきました。その記録になります。この記事ではすみだ水族館とアクアパーク品川を取り上げます。 ◇後編 すみだ水族館 すみだ水族館は押上駅からスカイツリータウン入り、四階のテラスをスカイツリー展望台と逆の方向に進んでいくとあります。スカイツリータウンの五階と六階部分に当たるようです。  さて、館内を見ていくと、まず印象的だったのはクラゲです。めちゃ

          旅行記:東京水族館巡り(すみだ水族館、アクアパーク品川)

          音楽感想:nayuta『ArtemIs』

          『ArtemIs』はM3-2024春において発売されたnayutaさんのファンタジーアルバムです(BOOTH販売もあり)。別売りのStorybookもあります。 楽曲はRD-Soundsさん、シナリオはさんしおさんが担当されています。 はじめに『ArtemIs』はとあるアンドロイド少女と研究員の物語です。 アンドロイド少女は見た目も内面も人間とほとんど区別できず、人間としての記憶すら植え付けられていたのですが、研究のための実験台として扱われていました。そのような状況のなか、

          音楽感想:nayuta『ArtemIs』