氷月

主な関心は宗教・思想・哲学と古典言語。エッセイや気に入った文学、音楽、漫画・アニメ作品…

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主な関心は宗教・思想・哲学と古典言語。エッセイや気に入った文学、音楽、漫画・アニメ作品の感想を書いていきます。そのうち詩や小説も書いていきたい...!

最近の記事

読書感想:宇佐見りん『推し、燃ゆ』

はじめに 宇佐見りん『推し、燃ゆ』(河出書房新社)は、第164回芥川賞を受賞した作品です。昨今話題の「推し」を題材としています。  僕は「推し」という言葉にはあまり馴染みがなく、一応世の中に合わせて使ってはいるものの、あまりしっくりくる言葉ではないです。しかし近年、僕にも世間一般で言うところの「推し」ができたので、以前から名前を聞いたことがあったこの本を読んでみました。 あらすじ 勉強もできず、バイトでも失敗ばかりしている高校生のあかりは、自分を犠牲にしてまでもアイドルユ

    • エッセイ:シオラン――敗北者の守護聖人

      はじめに エミール・シオラン(Emil Cioran、1911-1995)はルーマニア生まれの作家、思想家です。後にフランスに移住し、フランスで生涯を終えました。著作には初期のルーマニア語によるものと後期のフランス語によるものがあります。  今はもう動いていませんが、Twitterにシオランの言葉をツイートするbotがあります(@Cioran_Jp)。停止して一年経ちましたが、フォロワー数はまだ約二万人(2024年5月現在)おり、僕もこのbotでシオランという人物の存在を知

      • 旅行記:東京水族館巡り(サンシャイン水族館)とアクアラミィウムの思い出

         2024年5月に所用で東京を訪れた際、空いた時間にすみだ水族館、サンシャイン水族館、アクアパーク品川と東京の三つの水族館を巡ってきました。その記録の後編となるこの記事では、サンシャイン水族館について書きます。サンシャイン水族館には以前、「#アクアラミィウム」というイベントで訪れたことがあります。それについても書こうと思ったので、記事を別立てしました。 ◇前編 アクアラミィウム 「#アクアラミィウム」は大手Vtuber事務所ホロライブ所属・雪花ラミィちゃんのチャンネル登録

        • 旅行記:東京水族館巡り(すみだ水族館、アクアパーク品川)

           2024年5月に所用で東京を訪れた際、空いた時間にすみだ水族館、サンシャイン水族館、アクアパーク品川と東京の三つの水族館を巡ってきました。その記録になります。この記事ではすみだ水族館とアクアパーク品川を取り上げます。 ◇後編 すみだ水族館 すみだ水族館は押上駅からスカイツリータウン入り、四階のテラスをスカイツリー展望台と逆の方向に進んでいくとあります。スカイツリータウンの五階と六階部分に当たるようです。  さて、館内を見ていくと、まず印象的だったのはクラゲです。めちゃ

        読書感想:宇佐見りん『推し、燃ゆ』

        • エッセイ:シオラン――敗北者の守護聖人

        • 旅行記:東京水族館巡り(サンシャイン水族館)とアクアラミィウムの思い出

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          音楽感想:nayuta『ArtemIs』

          『ArtemIs』はM3-2024春において発売されたnayutaさんのファンタジーアルバムです(BOOTH販売もあり)。別売りのStorybookもあります。 楽曲はRD-Soundsさん、シナリオはさんしおさんが担当されています。 はじめに『ArtemIs』はとあるアンドロイド少女と研究員の物語です。 アンドロイド少女は見た目も内面も人間とほとんど区別できず、人間としての記憶すら植え付けられていたのですが、研究のための実験台として扱われていました。そのような状況のなか、

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