月香

"なんとなくの感性" を "言葉という形" に。

月香

"なんとなくの感性" を "言葉という形" に。

最近の記事

変わりゆくモノと変わらないコト

桜の花が終わりかけている。 開花や満開に至るまではあれやこれやと騒がしいのに、それがまるで忘れ去られてしまったかのように感じてしまう。 もちろん、花が開いていく時の期待感や、ピークである満開が少しでも長く続いてほしいと思うのは私も同じで。 ただ、葉桜や新緑の葉に木々が埋もれて色彩が変わりゆく様子を見るのも意外と楽しめる方で。 時間が立ち止まらず、流れるように。 変わっていくことも美しいと思える感性が備わっていて(いつ備わったのかははっきりしないが。)良かったと思う春の

    • 花起こしの雨

      今年は桜の開花が前年よりも遅れた。 私の朝のルーティーンの一つに‘‘ラジオを聴くこと‘‘がある。 地元の放送局を選んで聴いている、そのラジオの天気予報士の一言が、今回のタイトルである。 あまり聴きなれないフレーズだったこともあり、脳内に一瞬でスペースを作りこびりついてしまった言葉。 調べてみると別名は【催花雨】というらしい。 意味は言葉の通りだ。 開花を促す雨、桜をはじめいろいろな花を催す雨。 ‘‘催す‘‘という言葉にはかきたてる、促す、せきたてる…などの意味がある

      • イッタラ展 フィンランドガラスのきらめきの感想

        北欧、といえば。 「しあわせ」という言葉がイメージとして強く思い浮かんでくる。 それに加えて、広大な自然やマリメッコをはじめとする可愛らしいテキスタイルや食器たち。 私自身北欧の国やものに興味を持ち始めたのは、おそらくワークライフバランスを考えるようになってから。 それはさておき。 コロナ禍になり家で過ごす時間が増えたことで、コップや食器に興味を持つようになった。 その中でも、置くとテーブルの上に花が咲くようなぱあっと明るい色使いやきらきら光を反射する北欧のものに惹

        • ことば

          多くの人が予想しなかっただろう。 2024年の幕開けはなんともショッキングであった。 北陸での大きな災害に、飛行機事故。 テレビやスマートフォン、新聞、ラジオと今でもあちらこちらで情報が駆け巡っている。 SNSが普及したことにより、ほんとうにたくさんの人の意見に触れる機会が増えた。 これは良い意味でも悪い意味でも。 SNSを通して入ってくることば。 それが事実かどうかわからないことも多く、時に本物でない情報が紛れていることもある。 一方で配慮したとしても、個人の

        変わりゆくモノと変わらないコト

          【旅録】九州最北の港町 in福岡

          ひと月前のお話。 その頃はちょうど ”名建築で昼食を” というドラマをよく見ていた時期。 これは仕事や恋を含めた人生に悩む一人の女性が、「乙女建築」巡りが趣味の中年建築模型士と出会い、少しずつ成長を遂げる物語。 主人公の女性よりも私の実年齢は少しお姉さん、であるが実質同世代なので、あれやこれやと人生に悩むという点では共感を覚えた。 そして何より、少し現実離れしている心ときめく空間や佇まい、その歴史の数々の名建築に魅せられ、気づけば仕事から帰宅するとすぐに再生ボタンを押

          【旅録】九州最北の港町 in福岡

          ルーヴル美術館展 愛を描くの感想

          少しばかり前の、季節のあるお話し。 春に、東京への旅行が決まっていた。 某有名なテーマパークなどではなく、"きちんと東京を観光しよう" 、というテーマで。 何をしようか何を見ようか何を食べようか。 浮き足立っていた矢先に、ルーヴル美術館展の予告に目が留まった。 「有名で大きな美術館を訪れることができる」、 「憧れのフランスの美術館の展示品が観れる」、 と私は心躍り、旅行の中に組み込むことをすぐさま友人に頼んだのが懐かしく感じる。 国立新美術館を訪れた日は、ちょうど春の

          ルーヴル美術館展 愛を描くの感想

          正しさよりも優しさのものさしで

          気づけば、考えることが好きだった。 はたまた、考えざるを得ない状況に居たのか。 どちらかはさておき。 昨年ドラマ化された人気漫画の主人公が言っていたことに深く共感を覚えたのを今でも鮮明に覚えている。 一つの事実は、本人、相手、そして第3者のそれぞれの目を通すことによって真実は変わり、それぞれの真実が生まれるということ。 世間一般で言う常識。 文化や年代など様々なフィルターを通すことによって、多様な解釈ができ、それぞれの立場から意見交換をすることはとても興味深いものだと私

          正しさよりも優しさのものさしで

          移ろい

          気づけば春は過ぎ去った。 初夏と呼ぶのが正解なのかはおいておいて、夏本番のような日差しと気温に踊らされているここ数日。 目まぐるしい変化のようにも感じるが、今年の5月も終盤に差し掛かってきて、それなりに時間の経過を感じる。 私はここ数年で自身を取り巻く環境を大きく変化させた。 人間関係、職場、コロナによる日々の生活...等。 はたまた、周囲が変化した...のか? 個人的なことになると、性格的にも変化には少し弱い方で。 普段通り、や土台をしっかり築く安定思考、な性分で

          移ろい

          春感

          「桜の見頃はいつでしょうか?」 「今年も花見の宴会は控えるように。」 なんてテレビニュースの言葉が聞こえ始めて。 夜明けが早くなって、陽が伸びて。 暖かくて柔らかくて生ぬるい、でも少し肌寒い風が吹くようになってきて。 周りを見渡せば、色彩(いろ)が増えてきて、外に出るのがなんとなく楽しくて。 春は、楽しい気分にさせてくれるものだと気づいた。 (長い冬があったのも悪くないと思える。) その反面急激な気温変化で少し身体はびっくりしている気がする。 加えて、花粉症には何かと

          【旅録】 はじめての一人旅 in岡山

          リュックを背負った人が、駅や空港に降り立って背を向け、ばさっと地図を広げる、 もしくは 電車のシート(それも窓側に)座って、ビールを片手に外を眺めながら電車に揺られる、 …なんてよくある映画のワンシーンに憧れを持つ人は少なくはないだろう。 私もそのうちの一人だった。 昨年末に医療職を退職。 正月をだらだらと実家で過ごし、こんな世の中の状況を鑑みて、海外旅行から日本一周へ変更し、一人旅でもと考えていた矢先の感染爆発。 個人的な話だが、どちらかといえば慎重派で。 石橋を

          【旅録】 はじめての一人旅 in岡山

          立春

          2022年も1月が終わり、早くも2月へ。 そして節分が過ぎ、2月4日を迎えると、ニュースなどでよく耳にする言葉。 「今日から暦では春です。」 と言われるものの、寒波による雪や一日を通しての冷え込み。 未だに春を実感する頻度は少ない。 そんな中、私は久しぶりにカメラを肩にかけて散歩に出かけた。 菅原道真で有名な太宰府。 こんなに寒いのにと思う中でも白やピンクの梅が、少しずつ花を咲かせていた。 そう、その日は曇り空でどんよりした灰色の空。 その中に春が見えた。 今の世

          ゴッホ展の感想

          2021年12月23日。 私の住む街についにやってきた、それ。 正直、私は彼のことをほぼ知らなかった。 強いて言うならば、 ‘‘色彩豊かな絵を描いた昔の人‘‘ という認識でしかなかった。 今回はそんな私が、ゴッホ展に足を運んだあとの感想である。 鑑賞後の私の率直な感想は、「ゴッホ自身がどんな思想を持って、何を感じて日々を送っていたのだろうか」という、ゴッホ自身に興味が沸くものであった。 その理由は、農村の風景や肖像画など日常の一コマとも思える彼の絵画を目にして覚えた、

          ゴッホ展の感想

          書く、ということ

          突然だが、これまでに自分の意思を表現するツールとして、対面以外での会話を除き、どのようなものを使用したことがあるだろうか? 人生の中で思い返してみると、一番身近で子供のころから使用しているものは手紙だろうか。 ここ最近ではめっきり手紙を書く頻度は減ってしまっているのは、さておき。 現代のほとんどの人であればメールや電話、さらにはSNS(Twitter、Instagram、Facebook、YouTube等)を利用することが主流となっているであろう。 その中でも今回私は

          書く、ということ