見出し画像

ルーヴル美術館展 愛を描くの感想

少しばかり前の、季節のあるお話し。


春に、東京への旅行が決まっていた。
某有名なテーマパークなどではなく、"きちんと東京を観光しよう" 、というテーマで。

何をしようか何を見ようか何を食べようか。
浮き足立っていた矢先に、ルーヴル美術館展の予告に目が留まった。

「有名で大きな美術館を訪れることができる」、
「憧れのフランスの美術館の展示品が観れる」、
と私は心躍り、旅行の中に組み込むことをすぐさま友人に頼んだのが懐かしく感じる。


国立新美術館を訪れた日は、ちょうど春の雨の日だった。

開放的なガラス窓に囲まれているおかげで、雨なのに妙に明るかったのを今でも覚えている。

そして都会の中心部にも関わらず、周りの木々の緑にとても癒され、ほっとする空間だが、建物自体は曲線を描いておりやはり洗練されている印象だった。

後々気付いたことだが。
男女逆転タイムリープやロックバンドが音楽を手がけたこと等々で有名になったアニメ映画のワンシーンにも描写があるため、日本の中でも認知度は比較的高い美術館かもしれない。


さて、本題に戻る。
その国立新美術館でルーヴル美術館の展示が行われており、その中でも今回のテーマは "愛" 。

"愛" というと人はどんなイメージを持つのだろうか?

ありきたりなところで考えていくと、恋愛や家族・夫婦愛、友情といったこの辺り。

古代の画家たちは、そのような人間の現実の一コマだけではなく、神でも一度心奪われると暴力や魔術を使い相手を奪おうとする様子、また片方が不慮の事故で亡くなるといった悲劇の結末、放蕩息子を許す、というように様々な視点での愛をキャンバスに描いていた。

ルーヴル美術館のプロローグにも記載されていたが、 "愛とは複雑な感情" という意見に全くもって同意した他、そのような複雑な気持ちになるのも、また人間らしく興味深いものだと感じた。

そして自分と関係の無い時代を生きていた人たちだが、温故知新という言葉があるように。
時代という一つの基準だけで選ぶのではなく、意図や思いを汲み取ることで、より人生が深くなると改めて気づきを得た展示回であった。


最後に、ゴッホ展の時もそうであったが。
昔の絵にも関わらず色彩の鮮やかさはほんとうに素晴らしいもので。
絵を保管したり、修復されている方々の働きはほんとうに大切で大変で。
過去と現在、そして未来をも繋ぐ重要な仕事だと再確認した日となった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?