かどかわまほこ

角川真穂子//1993年生まれの絵描きです。2020年3月女子美術大学大学院洋画研究領…

かどかわまほこ

角川真穂子//1993年生まれの絵描きです。2020年3月女子美術大学大学院洋画研究領域修了。 自身の経験から構築された死生観をテーマに、絵画・写真・テキストを使って作品制作をしています。 身長170cm。幼少期の将来の夢は宇宙飛行士。尊敬するアーティストは野田洋次郎。

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    かどかわまほこが筆慣らしに日々のことごとを綴ります。 生活から制作まで、日々の備忘録です。

  • 卒業制作-message-ができるまで

    死生観をテーマに大学4年間制作を続けてきたカドカワ。 その4年間の集大成である卒業制作-message-が出来るまでを綴ります。

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カドカワマホコのこと。

久々に、こんなきちんとしたエントリ書くから緊張しています。 毎日マメにブログを更新してそれなりの読者が居た灰色の高校時代なんていうのもあるのですが(それについてお話しする機会が今後あるのか否か…)、 ちぐはぐかもしれないけれど、一つ一つ書き進めてみようかと思います。 とりあえず筆慣らしに自己紹介から。 カドカワマホコと申します。 1993年生まれ、24歳。愛知県出身です。 普通科高校を卒業してから2年後、2014年に美術大学へ入学して現在4年生です。今度の3月に大学の学

    • Appleサポートのお兄さんの神対応に感激した話

      タイトルそのままの話です。 先日私用のMac Book AirのOSをCatalinaからMojaveへバージョンをダウングレードしようとしたところ、ステップを誤ってMacが一時的に数日間使えない状態になってしまいました。 そこにさらに重なるように、リモートワークのために職場から送られてきた社用のMac Book Proも、軽微ながらやや仕事に支障が出るバグ持ち。 色々試してみたもののどうにもならず、最後の手段としてAppleサポートに電話したところ、そこで担当してくれ

      • 認知症のじいちゃん

        母方の祖父が認知症になってしばらく経つ。 だんだん孫や娘の顔を見ても名前が出てこなくなり、今では一緒にいても関係性が分かっていないようだ。 「おじいちゃん、こんにちは!来ましたよ」と言うと「おたくの名前は?」と聞かれるので「まほこ!あなたの娘の娘、孫です」と笑顔で答える。 「そうか、まほこか」と頷くが、3秒後には忘れてしまうので「で、おたくの名前は?」と聞かれる、といった具合だ。 短時間の間に同じことを何度も質問するのは、認知症の典型的な症状だと思う。 私は10年前に父

        • 生と死の狭間で-修士作品のはなし-

          みなさんこんにちは。かどかわです。 寒暖差の激しい季節ですが、いかがお過ごしでしょうか。 私といえば、大学院の修了・修士作品の展示、加えて引越しを並行して進めているところで、感慨深さに浸る余裕もないままバタバタと過ごしています。 スピードアップしまくったテトリスを目をかっ開きながらこなしているみたいな焦燥感と緊張感。 毎日ヒリヒリしています。 さて。 いよいよ大学学部から院まで6年間在籍してきた女子美術大学も、今年の3月に卒業することとなりました。ついに。 兎にも角にもあ

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        記事

          あいちトリエンナーレ2019レポ@名古屋会場

          こんにちは、かどかわまほこです。 随分時間が経ってしまいましたが豊田会場レポに引き続き、2019年9月29日(日)に行ってきた「あいちトリエンナーレ2019」名古屋会場のレポを書きたいと思います。 状況がかなり変わってきているので、私が行った当時と展示内容が変わっているものがあるかもしれませんがご了承下さい。 行った当時の私の感想をつらつらを書いています。 これから行く人はネタバレにご注意ください。 読み進むと作品のネタバレになってしまうので、ネタバレしたくない人は見に行

          あいちトリエンナーレ2019レポ@名古屋会場

          あいちトリエンナーレ2019レポ@豊田会場

          こんにちは、かどかわまほこです。 随分時間が経ってしまいましたが、2019年9月28日(土)に行ってきた「あいちトリエンナーレ2019」の豊田会場のレポを書きたいと思います。 状況がまたかなり変わってきているので、私が行った当時と展示内容が変わっているものがあるかもしれませんがご了承下さい。 行った当時の私の感想をつらつらを書いています。 これから行く人は序盤だけ読んでください。 読み進むと作品のネタバレになってしまうので、ネタバレしたくない人は見に行ってから読んでくれると

          あいちトリエンナーレ2019レポ@豊田会場

          実際のところどうなのあいトリ2019レポ【端的感想ver.】

          こんばんは。かどかわまほこです。 先週の土日に、やっと【あいちトリエンナーレ2019】(通称あいトリ)へ行ってきましたのでそのレポートを掲載していきたいと思います。 皆さん既にご存知の通り、本年のあいトリは様々な形(ある意味不本意な注目の浴び方)によるメディア露出が多く、他の芸術祭と比べて日本中、否、世界中からも注目が集まっているように感じます。 私も日本の芸術に様々な形で関わる方々を中心にTwitterやFacebookでフォローさせて頂いている関係で、本件について毎日

          実際のところどうなのあいトリ2019レポ【端的感想ver.】

          2019/8/6TUE

          昨晩はNEWS ZEROで、広島の高校生たちが被爆者からその経験談を聞き絵に起こす取り組みについて特集されていたので、一緒に見ていたパートナーと原爆について話をした。 以前にも書いたけれど、私の父方の祖父母は広島の出身で被爆者であり、私の本籍は10歳頃まで広島にあった。 そしてパートナーの出身は奇しくも長崎県である。でも長崎県の中でも佐世保市で、原爆が投下された長崎市とは近くなかったようで、身内に被爆者はいないようだった。 私自身は、身内に被爆者がいたことや、母方の祖父母宅

          令和元年、原爆の日(2)

          (1の続き) 2016年の8月15日、私はイギリスにいた。 ロンドン市街に出掛けていたのだけれど、ああそういえば今日日本は終戦記念日だなあと思いながらふと広場に目をやると、数メートルある大きなモニターに、でっかく「VJ」と表示されていて、街もお祭りみたいに賑やかな雰囲気だった。 日本だと、テレビでは追悼式典が中継されていたり、玉音放送を流したり、戦争記録特集が組まれたりして、お盆の時期とも相まって、喪に服すような感じというか、湿っぽい気持ちになる日だから、ギャップがあるな

          令和元年、原爆の日(2)

          令和元年、原爆の日(1)

          8月6日。今日は原爆の日だ。 74年前の今日、1945年8月6日午前8時15分、広島県広島市に原子爆弾「リトルボーイ」が投下された。 核兵器が世界で初めて使用された日でもあった。 広島では同年12月末までに約14万人が亡くなったと推計されている。これは当時の広島市の人口の40%ほどにあたる。 3日後の8月9日には、長崎県長崎市に投下された原子爆弾「ファットマン」によっておよそ7万4000人が亡くなった。 私の祖父母は1945年当時広島に在住していて、被爆者だった。 投下さ

          令和元年、原爆の日(1)

          2012年頃に逝ってしまったあなたへ。

          お元気ですか。 こんな枕詞を書くのは少しおかしな話かもしれません。しかし実のところ、私はまだ「あなたが死んだ」ということを事実として全く感じられていないというのが本当のところかもしれません。 あなたは本当にもうこの世にいないのでしょうか。 Twitterではあなたが設定したであろう、自動投稿機能がまだ動いていて、朝夕の2回ほど、あなたのアイコンがTL上に流れてきます。複数持っていたアカウントのうち、当時の私があなたに描いてあげた絵をアイコンにしたものが浮上してくることが

          2012年頃に逝ってしまったあなたへ。

          2019/3/24 SUN

          過去にとらわれていては… と彼は言う わたしは口を噤んで蓋をおく 震えた棺桶からかおりがする きこえないふりをしてそっぽ向く ガタガタと音を立てて棺桶がなく 日に日に音が大きくなって わたしはとうとう肉をまとってかおを覆った ぽつりぽつりと青い花弁 残り香をまとって鳥をまつ

          2015.2.24 父(生物学者)との会話その後

          「落ちてしまいそうなほど高い空だ」と思う。 私はいつも足元ばかり見ている。 家から出ることが少ない。出ようと思わない。出たいと思わない。 きっと「内」は守られていると思うから。外は放り出されたような気になる。 少し怖い。 のみこまれてなくなってしまいそうな気がする。 私はいつも足元ばかり見ている。 外へ出ても。空を見上げることはあまりない。 足を見ている。地面を踏ん張る自分の足。 足を見るようになったのは人の顔を見られなくなったから。 私を責める人の顔、罵倒する人の顔、自

          2015.2.24 父(生物学者)との会話その後

          2019/02/25,MON

          この、夜も眩しい大通りの先にきみがいるかもしれないと思っていたら、1週間で2回もきみが夢に出てきた。 あなたに届いて欲しいと願いながら描いた絵を目の前に、その話を何人もの他人に話して、だけどいつまでもあなたには声をかけられずにいたら、タイミングを見計らったかのようにあなたから久しぶりに連絡があった。 会いたいのに会えない人たち 私が描き続けていれば 書き続けていれば 生きてさえいれば またどこかで会えるかな 幾度の出会いとさよならを繰り返してここまで来た 選んださよなら

          19歳

          そこは知らない白色の天井 拘束された両腕 遠目に見える鈍色の輪 「あなたはわるいことをしたからここにいれられた」 死に損ないを見下ろす目 まるで悪い夢 喉が枯れて届かない声 代わりに鉛筆を握ったが 突き立てられた二本の針が重たくて ミミズ線が走るばかり 心電図の不協和音 糞尿垂らして眠れない夜 ナースコールで人を呼びつけて ごめんなさい、とべそをかく ひとりじゃなにもできない まるで赤ん坊 外と通じる窓は唯一つ およそ10メートル先 見える光はいつも白く濁っていた 卓

          パウル・クレーの天使/2015.8.24 MON イギリスにて。

          ところでアンディーは「呪い」と言いましたが、パウル・クレーの「忘れっぽい天使」も私にとってもう拭えない記憶の一部です。 あれは救いであり、絶望であり、夢であり、現実であり、幻想でした。 あの天使はずっと先生の机の上にいて、 私が、嘘か真実か自分でも分からないような話をしているときも、 先生の話を聞いているときも、 涙を流しているときも、 死んだ目で机の上に視線を落としているときも、 ずっと変わらず目を閉じ、膝を抱えていました。 思うに、やはり絵の価値とは人の記

          パウル・クレーの天使/2015.8.24 MON イギリスにて。