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オール・ノット

読書感想。

柚木麻子さんの「オール・ノット」

私は柚木麻子さんの作品がだいすきだ、ほとんどの作品を読んでいるはず。女性の幸せとは、その未来、社会問題、人間関係などを螺旋のように書いてらっしゃる。

そして食を通しているところも好きです。今回はきゅうりのサンドイッチや紅茶でしたね〜。

今回、真央の奨学金を抱える苦悩とその生活に、深く頷きたくなった。私は追われることに不安を覚えるタイプなので、奨学金を借りているという事実が地獄だと思っていた。育った家庭環境に文句があるとかそういうことではない。自分が行きたくていく大学の自分のための学費ですし。友人にも借りている側の人間がいたが、この地獄を誰も共感してくれたことはない、ほんとなんでなの〜。
主人公が時折奨学金について触れる場面は全て共感できたし、実際私も返済完了するまで奨学金のことは常に頭にある生活をしていた。奨学金を返済完了してからじゃないと、人生始まらないだろ、と真剣に思ってたし、ライフステージあげていくのも本気で無理と思っていた。
賢いお金の使い方ではないが、貯金や貯蓄に回すお金をすべて返済にあて、まぁまぁの額を数年で返済完了した。返済完了したからと言って、未来へのお金はないからね、ははは、結婚出産なんて夢のまた夢だな、いまも強く望んではいないけど。みんなすごいよね、順調にライフステージあげていくの。
でも真央はすごい辛抱強くてびっくりしちゃったけど、、、、うまくいかなくても全部ダメってことはないのかもしれないですね、柚木さん。

読了し誰かに連絡したいなという感情とともに、連絡をとらないであろう人たちの連絡先を残す意味を考えた。それは後半の登場人物が「人間関係は大事な情報源」(要約)と話す場面があったから。情報源として活用するという割り切った考えにすれば、そう思えるのか。

私の連絡先は以前から、また連絡をしたいな、自分からはできないけどして欲しいなという願いがある人だけ残っている。他力本願感否めない行動ですけどね。
手放した連絡先を取っておけば、何かあったのかなとも思ったが自分の意思で身軽になったことを忘れてはならない。

これを書いている途中、登録のない番号から連絡がきた。調べても分からず、迷惑メール覚悟で本人に尋ねてみると、昔親しかった人だった。久しぶりだったがとても和やかな会話ができた。お互い連絡を取り合うことを躊躇していたようだった。ああ、そうか、もっと早く連絡を取り合えば、この数年の色んなことが変わっていていたのかもしれない。お相手が勇気を出してくれたおかげで再び繋がることができた。勇気を出してくれたお相手に感謝し、この件はこれで私のオールノットができたんだと思えるし、今後もこんなことが起きるのかもしれないと予感がした。

やだなあ内容のない読書感想文になっちゃったな。苦悩もオールノットですね。

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