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黄色い家

読書感想。


川上未映子さんの「黄色い家」

予約していなかったので、なかなか買えなくて本屋巡ってようやく手にして一気に読みました。

自分が花、蘭、桃子たちと同じ時や場所を過ごしてきたわけではないのに、背景や物などの輪郭がはっきり想像できたのが不思議でした。

最近の強盗事件、闇バイト、親ガチャ、現代に起きていることとリンクして考えるものが多かった。こういうものの背景も考えていかなくてはならないと感じたね、現代への提唱ですか?

思い出せる色がないから始まり、黄色や紺、青と言った色が出てくるのも色に意味を持たせていましたね。色の意味調べちゃった。私は黄色と風水が怖くなりました〜。縋るものがある人はこういう現象理解できるのかな、祈りとか験担ぎとか。


お金に人生狂わされてしまった花ちゃんだけど、実際お金がないと生きていけない。生きる世界が違うと、他の世界をみる権利すらないもんね。目の前を生きることに必死になる。私もお金がないお金がないと幼い頃から言われ続けていたので、お金がないことの不安と寂しさ、お金があることの心の安定感だけは雰囲気理解できます。

花ちゃんは精神的に頼れる人がいなくて、突然現れた大人の黄美子さんと関わるうちに頼りたい人になった。そこから仲間といっていいのか、同居人といいのか分からないけど、蘭や桃子が増えた。できる人ができることをして、必要な物がお金だったから、お金を取られたことのある執着している花ちゃんが頑張ってしまった。
そして、頼れる人が頼れない人になっていること、守られていると思っていたのにいつのまにか守る人になっていること、蘭と桃子には他のルートが見えていることに気づいて、精神的にもつらくなってしまっているように感じた。苦労したものに物理的に執着してしまって、花ちゃんはそれがお金だった。強迫観念に近い状態だったのかな(強迫観念、正しいワードチョイスではないかもしれません)。
花ちゃんのこと考えると感情が麻痺してしまうな〜。

ボリュームがある本で、場面ごと、登場人物ごとに感情が揺さぶられるので、長い感想はやめておきます。安映水はどこまでも芯を持っていて、なのに浮いていて、気になる人だった〜。

生きていくには、お金が必要。頼れる人はいないしどんな状態でも他人の助けはこない。

私は再読します。

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