りん

小説と日記を書いています

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マガジン

  • 続・平熱ダイアリー

    小説を書きながら考えたこと。子どもが生まれてから。

  • 創作関係の記事

    小説を書くことや同人活動について書いた記事をまとめています

  • 京都遊泳手帖

    京都のあれこれを思い出しながら書くエッセイ。不定期更新。

  • 平熱ダイアリー

    小説を書きながら考えたこと。子どもが生まれるまで。

  • いろいろレビュー

    読んだ本や観た映画、聴いた音楽の記録。

最近の記事

浮き沈みする私たちを肯定する

子どもが生まれて一年が経った。ありきたりな感想だけれど、一日一日は長いのに、一年はあっという間だった。 子どもが三ヶ月ぐらいになるまでは、思春期と並ぶぐらい、過去いちばんで情緒が安定していなくて、こんなことしても意味はないと分かっているのに悲しくて泣いたり怒ったりしていた。「こんなことしても意味はないと分かっている」ところが、思春期とは違う。けれども、分かっていてもどうにもならないものはどうにもならない。そのことがよく分かった。 子どもをみていてもそれはよく思うことで、一

    • 自分のことを褒める日記

      久しぶりの日記になってしまいました。日記は間隔が開けば開くほど、こんな何でもないこと書いてもいいのかしら、というような、何を今更な思いがもくもく浮かんで、ハードルがどんどん上がっていく。さて何を書こうと考えたところで、今月で小説を書きはじめて2年が経ったことに気づいて、こういう自分語りは得意だしこのことについて書こうと思い、こうしてエディタを開いています。 熱しやすく冷めやすい、努力もせずに結果だけ欲しがる自分がこうして2年も小説を書いていることは、本当にすごいことだと思い

      • 新刊『あのころ』、既刊『少女的淡々小品集』の通販を開始しました。『あのころ』は青春・百合短編集、『少女的淡々小品集』は掌編集です。以下のページより購入できます。どうぞよろしくお願いします◎ BOOTH:https://rinrinring.booth.pm/

        • はじめて同人誌即売会に出店した話【当日編】

          9/6(日)に開催された文学フリマ大阪に出店しました。出店しようと思った経緯はこちら。 簡単に感想を述べると、とても楽しかったです。そしてこのような世情の中、運営してくださった事務局の皆さま、来場してくださった方々、本当にありがとうございました、ということです。 忘れたくないことが色々とあったので、備忘録として当日の流れと、考えたことをここに書き残しておこうと思います。 当日の流れ10:00 出店者入場 10時少し過ぎに到着。入口にて体温計測とcocoaの画面確認。手指

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        浮き沈みする私たちを肯定する

        • 自分のことを褒める日記

        • 新刊『あのころ』、既刊『少女的淡々小品集』の通販を開始しました。『あのころ』は青春・百合短編集、『少女的淡々小品集』は掌編集です。以下のページより購入できます。どうぞよろしくお願いします◎ BOOTH:https://rinrinring.booth.pm/

        • はじめて同人誌即売会に出店した話【当日編】

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        記事

          即売会に出ようと思っている

          先日、文芸系webマガジン「蓼食う本の虫」さんに以下の記事を掲載していただいた(ありがたや……)。 この記事にも書いているように、今年も計画に沿って文芸活動を続けている。その一つに「文フリに出店する」というものがある。 文フリには昨年の京都に初めてお客さんとして足を運んだ。それ以前は小説を書いていなかったので文フリというイベントがある…というぐらいの認識だったのだけれど、そこで手にした本がどれもみなさんプロではないのか……?ぐらいのクオリティですごくて(語彙…)憧れの場所

          即売会に出ようと思っている

          【おしらせ】 「第八回文学フリマ大阪 9/6(日)開催」に出店します😇 出店名:淡々文庫 ‪ブース:G-28 イベント詳細(入場無料!)→ https://bunfree.net/event/osaka08/ https://c.bunfree.net/e/745

          【おしらせ】 「第八回文学フリマ大阪 9/6(日)開催」に出店します😇 出店名:淡々文庫 ‪ブース:G-28 イベント詳細(入場無料!)→ https://bunfree.net/event/osaka08/ https://c.bunfree.net/e/745

          普通な人なんていない

          先日、学生時代の友人と会った。友人は最近籍を入れたので、自然と話題はそのことになる。 友人はもう数年前から夫となった人と一緒に暮らしていたが籍を入れていなかった。今回も本当は籍を入れたくなかったという。特に入れる必要を感じないし、名字が変わるのが嫌だからという理由だった。なので通称として旧姓を使える制度を利用し、世帯主も分けたという。 一方、私は名字が変わることに何の抵抗もなかった。名前が変わっても自分は自分だという感覚があるからだ。 ここで言いたいのは、名字が変わるこ

          普通な人なんていない

          祇園祭と京都とわたし

          今年は祇園祭の山鉾巡行がなくなった。そして鉾建てもなくなった。こんなことを書くと怒る人もいるかもしれないが、残念な一方でほっとしている。それはコロナがこれ以上広がらないからとか社会全体のことを考えた末の感情ではない。 子どもがいるから今年の宵山をはじめとする行事にはもともと行けなかった。ゆえにもし行事が執り行われていたのなら、悲しさと焦りと悔しさをどこかに抱えながら7月を過ごしていたはずだからである。 祇園祭は7月のあいだずっと続く祭りで、1日の切符入に始まり、30日の疫

          祇園祭と京都とわたし

          しんどさはどこへゆく

          今日は産婦人科へ行くのに通っていた駅に行った。 最寄りの沿線とは違うので久しぶりに訪れた。とても懐かしかった。入院する当日、その駅のスタバでストロベリーショートケーキのフラペチーノみたいな、期間限定のやつを飲んでいこ!と思って寄ったら売り切れていたこととか、その後母と合流したこととか、鮮明に思い出した。 お宮参りやハーフバースデーよりも、そのときのことの方が、現在に近い気がしたのはなんでだろう。でも行き交う人々は皆マスクをしていて、あのときと今は明らかな断絶があることを知

          しんどさはどこへゆく

          格好つけないでいる場所

          今日は学生時代の友人たちが会いに来てくれた。リモートでプラス数名と通話。私の子どもと、もう一人小さな子どもがいてなんだかもう阿鼻叫喚みたいな感じでとても疲れたが、ほんとうの人生に帰っていくような心地がした。 思えば11月に出産してすぐ帰省、年明けにここに戻ってきたけれど生後3か月なので長時間のお出かけはできず、そのまま自粛期間に突入。今日までに会った家族以外の近しい人は、帰省中に友だちと、3月ごろに先輩と。どちらも1時間ぐらいのおしゃべりだった。つまり普通に友人と遊んだのは

          格好つけないでいる場所

          いまの私と神戸

          「どっか行ってきたら」 子どもは見ておくから、と同居人が言った。昨日の昼だった。 私は会いたいと思った友人に連絡をしたが、誰も空いていなかった。明日突然、昼限定、しかも自粛明けだ。無理もない。みんな恋人に会いに行ったり遊んだりするのだろう。 そのときふととても懐かしい気持ちになった。週末や仕事上がりに恋人や友だちと会う。美術館や映画館へ行き、美味しいご飯を食べお酒を飲み、真夜中の電車で一人へと帰っていく。そうだったときの気持ちが手で触れそうなぐらい、自分の心にしっとりと降

          いまの私と神戸

          加速するこの世界で覚えておきたいこと

          先日の記事を公開した後、1通のDMをいただいた。その文面からは、記事を隅々まで読み、こちらの意図を汲みとってくださったことがよく分かった。私はとても嬉しかった。 上記の記事で私は以下のようなことを書いた。 文章でなく画像で、画像でなく動画で。また文章も動画もより短く。人の思考はより感覚的になってきている。 「スマホはもはや俺の臓器」と歌われてからもう7年経つけれど、この傾向は変わっていない、むしろ加速していると感じる。 流れていくコンテンツの速さ。すぐにレスポンスしな

          加速するこの世界で覚えておきたいこと

          SNSと誹謗中傷について知ったこと・考えたこと

          先日のクローズアップ現代プラスのテーマは「ネットのひぼう中傷」だった。 膨大なデータと、実際に誹謗中傷をした人/された人へのインタビューを通し、なぜ誹謗中傷はなくならないのか、という問題に迫る内容。 色々知ったり考えたりしたので、備忘録として残しておこうと思う。 なぜ人は誹謗中傷してしまうのか例の事件で実際に誹謗中傷した人はインタビューでこう語った。「ドラマ内で彼女は芸人になりたいというルームメイトに対し『人生なめてる』と言った。それを観て自分の人生も否定された気がして

          SNSと誹謗中傷について知ったこと・考えたこと

          五月、京都で緑を追いかけた

          五月の京都はさっぱりしている。桜の季節が終わり観光客も減り、鴨川沿いには床がではじめる。強くなった陽射しに、きらめく鴨川の水面。夏が始まると思う。そしてやがてやってくる祇園祭に思いを馳せる。 インバウンドが増え年がら年中どこにでも人が溢れるようになってから「さっぱりしている」と感じることもなくなったが、「そう感じていた」という記憶だけが私の中には残っていて、五月の眩しい光を感じるたび川床の連なる鴨川沿いを思い出す。私の頭の中の京都はあの頃のままであり、それは現在見ている風景

          五月、京都で緑を追いかけた

          #ふぁぼされた数だけ自分の創作環境について語る

          表題のようなタグを見つけたので、今週の日記のお題にしようと思います。 ちなみに私は普段小説と日記を書いています。ときどきTwitterに散文をあげたり。140字小説も最近書き始めました。という文字書きなので創作環境というほどの環境はないのですが、こういうの書くのも読むのも好きなので……。 1.Evernote創作に使っているもの、ほぼこれです。4作目あたりまで使っていたのはこのアプリと紙のノートだけでした。 スマホでいつでもどこでも書けるし、パソコンで開けば腰を据えて書

          #ふぁぼされた数だけ自分の創作環境について語る

          世界は優しさでできていることを肯定したい

          子どもが生まれて半年が過ぎた。あっという間だった。 今思うことは、子どもはかわいいということである。大切だし、いなくなってしまったときのことを考えるとそれだけで涙が出そうになる。子どもはできなかったらそれでいいぐらいに思っていたが、それでもそう思う。学生時代の子ども嫌いの友人も、子どもが生まれてから子ども好きになった。 ここで言いたいのは、子どもを産みたくない人も考え直してみるといいとか、親なら子どもを可愛がって当たり前とか、そういうことでは断じてない。子どもには、かわい

          世界は優しさでできていることを肯定したい