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私にホストファミリーなんかいらねぇ!!

ホームステイ【HOMESTAY】: 留学生等が、ローカルの家庭の中に入り生活を体験をする制度。受け入れる家庭をホスト、その家族をホストファミリーと呼ぶ。

ホストファミリー問題は留学に来て、言葉の壁の次にぶち当たる問題として

「留学生あるある」

とまで称されるほどトラブルが多い。

日本にいる間、留学エージェントやホストファミリーからどんなに良いプレゼンをされても
実際に住んでみなければ分からない。

" 留学生=お金がある "

と思っているホストファミリーも少なくはない。

それ故に、お金を持っている and 英語がわからない and 言い返さない / せない 留学生は恰好の餌食にされる事が多いのだ。

留学生を受け入れるホストファミリーには2つのタイプがある。

  • 異文化に興味がある。親日家族で、子供をグローバルに育てたい。部屋も余っているし、自由に使ってね!何でも食べてね!困ったことがあったら言ってね!タイプ


  • 異文化に興味なし。お金に困っている。部屋が余っているから家賃払うならどうぞタイプ


はい。

後者に当たると私みたいな思いをします。

留学を考えている諸君、
ホストファミリーが本当の家族の様に留学生を助けてくれると思ったら大間違いだぞ!!

勿論、全てのホストファミリーがそうだという訳ではない...

が、、、


ホームステイは一か八か、いや、

一か罰

と思っていた方がメンタル面でのリスクは少ないだろう。


ホストファミリー選びはギャンブル

日本にいる間、ホームステイ先を家族と選ぶ時間はとっても楽しかった。

私に与えられた3つの選択肢。


  1. シングルマザーと10歳の女の子。戸建てプール付き

  2. ファミリー、2歳の双子の男の子と大型犬

  3. 40代の女性 コンドミニアム


確かこんな感じのホストファミリー達だった。

双子だって!!

きっと可愛いよね!!でも2歳でしょ、部屋とか勝手に入ってきそうじゃない?

たしかに〜。

じゃ、ナシだな。

こっちはプール付きだって!!

本当だ!
10歳だったら会話できるし、英語も上達するかもね。気候がいいからプールなんて最高だね!

40代女性か!キャリアウーマンだったりして!
わぁ、かっこいい〜

色んな事を予想して、あーでもないこーでもない言い合った。

この中から英語も学べて快適な暮らしもできそうだなと感じたのは1番という事に

家族全員意見が一致した。

そんな私と私の家族の期待を瞬時に裏切ったのは留学初日の夜だった。


思いっきり泣いた夜の後

今から話す事は、思いっきり泣いた夜の「後」のおはなし。まだご覧頂いてない方は、以下の記事の思いっきり泣いた夜 を先に御覧下さいませ。

ディナーが出来たと部屋をノックされたので、涙でぐしゃぐしゃの顔をさらけ出す事になった。

隠せないほど泣いていたから、もう仕方ない。
口角痙攣するほどの作り笑いをキメて

ハァァーイ! なんつって
少し手なんか上げちゃって。

驚いたホストマザーは一歩後退りして、私にどうしたのか聞いてきたけど、この気持ちを説明する語学力は到底当時の私にはなく、目に涙をためてI'm ok と連呼。

ホストマザーも首を傾げて

「変な子ね」

って感じだった。

(ド、ドライ…..)

洋服の袖で涙を拭って深呼吸。
気持ちを切り替えてディナーテーブルに付いた私。

こういう時は美味しいものを食べるのが一番!!
そう、自分を励ました。

私の住居契約の中には朝晩二食が付いていた。
それで当時800ドルとはいかがなものでしょうか、みなさん。


「今日はサラダとパスタよ」


まぁ、言わなくても一目でわかるようなシンプルなメニュー。

サラダはレタスとトマトのみ。

ドレッシングはオリーブオイルと塩。

パスタは具なしトマトソースのみ。


味がなかった。


落ち込んでたからではない。


本当に味がしなかった。


......先が思いやられるんですけど。




次の日の朝はシリアルだった。
デターーー。

中学の時にニュージーランドへ短期留学に行った時のホストファミリーも朝はシリアルだったから、まぁ予想内の範疇...

まだ味があるだけマシか。

留学初日は、語学学校が始まる日の3日前にアメリカに入国していたので契約に入っていないお昼は自分で用意しなければいけなかった。

でも食欲もないし、お昼はスルー。

ホストファミリーも「ランチどうするの?」とか言う人じゃないし。

でもいくら食欲がないと言っても流石に夕飯どきになると何か食べなきゃという頭が働いた。
体を壊しては元も子もない。


ここでクヨクヨしている場合じゃない!!


もうここに来てしまったんだから!!


自分で選んだんだろ?


頑張れ!!


オプションで醤油...

夕飯になり
そこそこお腹空いたな。
とキッチンに来るや否やテーブルに並んだメニューをみて愕然とした。

レストランのハンバーグセットのよう.…





な平たい皿によそられた白飯。
勿論ハンバーグはない。

ある訳が無い。

その上に申し訳ない程度にかけられたふりかけ。隣には醤油の瓶が置かれていた。


......オプションで醤油らしい。


…え、待ってこれだけ!?!?!?!?


作って貰ってなんだけど、これには流石に私も怒っちゃうよ?

だって、こっち、金払ってっから。

シビアなこと言うようだけど、フェアじゃない。


でも彼女には悪気は無いのかな...
彼女の中で日本に対してのイメージがこうだっただけかな...


これは誤解だ、きっとそうだ。


今にもカップラーメンのお湯を沸かしに立ち上がろうとする自分に言い聞かせ、


猫も食わない様なメシをゆっくり口に入れながずーっと噛んでた。


会話もねぇ。


英語も分かんねぇ。


タイ米だからなんか臭ぇ。


おい、刑務所かここは。



しばらくすると味のないご飯に涙の塩気が加わった。


嫌な奴

そんな獄中みたいな生活が一週間ばかり続いて、ある日語学学校から帰って来ると、何だか家が騒がしかった。

プールの方からキャッキャと子供の声が響く。

市原悦子みたいにドア枠に両手を添えて
そーーーーっと覗き込んでみた。

あらやだっ!!!バックヤードでホームパーティー開催してるわっ!!


すっかり心を奪われたティーンの私。


超ぉぉぉ楽しそうなんですけどぉ〜⤴⤴⤴⤴!!


早速カバンを部屋にぶん投げてバックヤードへ舞い戻った。

さっきはプールに気を取られていたけど、2回目は箱に入った美味しそうなピザが目に留まった。

どのタイミングで仲間に入れて貰おうか様子を伺っていると、丁度ホストマザーが前を通りかかった。


「Hi 」


って言うから


「Hi」


って返した。



終了した。



パーティーしてるからSANAもこっちおいでよ!


とか言えないもんかね...ケッ

まーいいや。


とりあえず夕飯のピザを貰おう。

「Can I have this?」
(これ貰っていい?)

と、、、

当然スライスくらい貰えると思っていたので答えを待たずしてピザに手をかけた瞬間...


「あなたの夕飯は冷凍庫の中にあるわよ」


違う意味でのワーオが出たよ。

えっ???


え、マジで。


仕方なく冷凍庫のピラフを皿に出しレンジに放り込んだ。
チンを待つ間もホストマザーとゲストたちが何度も後ろを行き交う。

キャッキャと楽しむ声をBGMに、
その日のディナーは部屋で一人。

クソババアめ。

私はシンデレラかっ!!

翌日、クソバ、えっと...ホストマザーはいきなり私に皿洗いをしろと言ってきた。


あくまでも " chores" (お手伝い) なんだと。


ホストファミリーが留学生に choresを与えるのは珍しい話ではないが、私は納得していなかった。

「トゥデイ、私。トゥモロー、あなた。交代で。ok?」

そして間も無くして彼女は皿を洗わなくなった。


で、アイツがその皿を洗わないと言うことは、次の日どうなると思います?

そうです、私にツケが回ってくるんですねぇ。


洗ったよ。
洗ってあげたよ。


でもそれが続くと私もそう御人好しではいられなくなったよ。


やーめた。


私の中で何かが変わった。

その日は皿をそのままにして就寝。


翌朝も無視。
学校へ出掛けた。

学校が終わり、家に帰って来ると、、、


な、な、なんと!!!!


な、


な、



なんと!!!


私の部屋の机の上に山積みになった皿が置いてあるではありませんか。。。


えぇっ...


ふんっ!
私だってやるときゃやるさ。

ありったけの電子辞書パワーと少ない脳みそをフル活動させて一枚の手紙を完成させた。


つらつらと想いのうちを綴った手紙、、、


今思えば


それをホストマザーが読んだとて。
クルクルポイッって感じだろうけど。

それがせめてもの抵抗というか何というか。
ピュアですねぇ、ティーンのSANAちゃん。


当然ヤツに響く事もなく。


私はその家を2ヶ月して出る事になるんだけどね、、、そのあとの話はまた今度。

真っ青なカリフォルニアの空の下。
ガラスの靴ではないけれどスニーカーの紐をキュッと結んで深呼吸。

あの時のシャバの空気は最高だったぜ。


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