見出し画像

感情的な人は美しい

昨日は言葉の難しさについて綴りました。
書くのにとても勇気がいったのですが、沢山の方から反応を頂き、勇気を出してよかったと思います。
読んでくださった人たち、反応をくれた人たち、本当にありがとうございます。

言葉というのは本当に難しいもので、伝え方次第で受け手側の印象や感じる気持ちは大きく異なります。
昨日はそんな言葉の悪い部分に焦点を当てた記事でしたが、今日は良い部分について考えてみようと思います。


「感情的になる」という言葉に潜む悪意

よく、イライラや悲しみを公の場で表現する人に対して「あの人はよく感情的になるな」などと使ったりします。

こう思うことに私たちは特に違和感を感じません。
だって言葉どおり、感情の赴くままそれを行動にうつしてしまっているのですから。

「感情的になる」という言葉の意味を調べたところ、「理性を失って感情を剥き出しにするさま」との結果が出てきました。
ふむ。たしかに怒りや悲しみをそのまま表に出す人はそれを抑えるという理性を失ってしまっているので、日本語の使い方的には特に問題ないですね。

しかし私は、これはおかしいと思うのです。
だって感情的になるという言葉は、負の感情を抱く人にしか使われていないんですもん。

人間にもたらされている感情には、喜怒哀楽という名前がきちんと付いているはずです。
そのうち、怒と哀だけにしかこの言葉が使われないのはなんだか喜と楽が可哀想です。すごく喜んだり、楽しそうにしている人も別に「感情的になっている」じゃありませんか。
あ、なんか屁理屈くさい。

でも何故負の感情にばかり使われてしまうのかというと、シンプルに喜と楽を感情の赴くままに表現する人が少ないからじゃないかなと思います。
日本人って、大っぴらに感情を表現することをあまり好まない性質の人が多いですよね。
だから私はこの言葉に、そんな日本人の性質の悪意が潜んでいると思うのです。

感情を表に出すのが苦手な私

私はまさにそんな「ザ・日本人」で、感情を表に出すのは得意ではありません。むしろ苦手です。
会社では「笑わない子」、「何考えてるか全然分からない人」と言われたこともあります。
別にそれで困ることないし。とか強がっていましたが、やっぱりもう少し感情を豊かに表現出来たらよかったな、と感じます。

人間は、知らないことに対して先入観や他者からの意見だけで物事を判断する習性があります。そしてまったく知らないことに対しては、恐怖を感じやすい生き物だと思っています。
だから何を考えてるか分からない人に恐怖を感じるのは当たり前で、そんな私は本当に友達が少ないし、新しい場所に馴染むのにすごく時間が必要です。
感情を表に出すのが苦手なだけで、苦しい、寂しいと感じる瞬間が多いことを私は身をもって知っています。

バイト先にいた先輩が嫌いだった理由

昔からそんな人間だった私は、高校時代に長く務めたバイト先にもあまり馴染めていませんでした。
みんないい人で、心の中では素敵な人たちばかりだなと、こんな人たちに仕事を教えてもらえる私は幸せだなと感じていました。
同世代の人も沢山いたのできっと話をすればもっと仲良くなれたのかもしれません。
でも私にはそれが出来ませんでした。

そんななかでも、一人だけ私が苦手な先輩がいました。
どんなに忙しいときでもニコニコしていて人当たりが良く、愚痴を言っているところなんて想像もつかない、そんな先輩。
一見すごくいい人に見えるのですが、私はそんな先輩が何故か不気味で好きになれませんでした。

ある時私は、こんなに良くしてくれる先輩のことを嫌いだと思うのが申し訳なくなって、何故こんなに苦手意識を持ってしまうのか考えてみました。
苦手だけど話をしてみたり、よく観察してみたり。
色々試してみましたが結局よく分からないまま、就職するためにバイトを辞めるときが来てしまいました。

でも最近になってやっと分かったんです。
先輩も私と同じで、「何を考えているのかよくわからない」から怖かったんだと。

人と話すと、会話のなかから多少は相手の感情を読み解くことが出来ると思います。
好きなこと、嫌なこと、相手の感情が見えるからこそ、人となりも見えてくる。そうして人との関係は始まっていくんだと思うんです。
でも先輩には笑顔という仮面の下の感情が見えなかったから怖かったんだなあと、今更分かりました。

感情的な人は、人に好かれる

そう考えると、感情的なことって決して悪いことではないと思います。

ただ「理性を失って感情を剥き出しにする」から印象が悪くなるだけであって、むしろ人との繋がりを作るきっかけになる重要なものです。

人との繋がりはときに煩わしく感じるけれど、その煩わしさこそ、いつか自分がひとりぼっちで寂しくて、つらくて、死にたくなったとき、この世界に繋ぎ止めてくれる唯一のものになったりします。

だから、感情を素直に言葉に出来る人は素敵です。
私もうまく感情を表現出来る人になりたいなと思うものです。

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?