空海 KŪKAI―密教のルーツとマンダラ世界【奈良国立博物館】
4月13日から奈良国立博物館で開催の空海展、初日に行ってきました。
2日前に知り、あわてて前日に音声付前売り券を購入。
奈良国立博物館か総力をあげてつくりあげた『かつてない空海展』だそうです。
奈良国立博物館は、外国人観光客でにぎわう東大寺のすぐそば。
朝は混みそうな気がして3時すぎに行ってみましたが、心配していたほどの混雑はありませんでした。
画像撮影はできませんが、下記公式HPに作品画像が出ているのでご参考まで。
https://www.narahaku.go.jp/exhibition/special/202404_kukai/
音声案内はあまり利用しないのですが、今回はトライ。
展示の説明を見ながら、耳からも情報が入ってくるので理解が深まります。
最初は密教のルーツにさかのぼる展示で、初めて知ることも多く、情報量が多い・・。
これは帰って復習するために、『図録』が必要!
見たことがない巨大な真言八祖像がずらっと並び、8代目が空海さん。(密教は7代目恵果まで口伝のみだったので、文字で書き残したのは空海さんが初めてだそう。)
唐であなたが来るのを待ちわびていた、と話す恵果阿闍梨が、3か月間の伝授が終わった後に伝えた、次元を超えた約束が音声で流れました。そして間もなく死去。
感動で涙が落ちそうでしたが、なんとか持ちこたえました…。
高野山霊宝館では、唐から持ち帰ったお宝・法具などを見るのが好きで、他のも見てみたいとずっと思ってきました。
今回は空海さんゆかりの東寺、神護寺、室生寺などから、国宝が集結。
直筆の書もたくさん。
でも同じ人が書いたと思えないくらい、筆跡が違って見えるような・・。
いろんな文体を使い分けていた、という話を聞いたことがあります。
『美しい文字』を意図するのではなく、文体で気持ちを伝えようとしていたのでしょうか。
一番弟子の智泉さんを失った時の深い悲しみを綴った、文章集の展示も。
もう音声とのダブルパンチには涙腺が耐えられそうにないので、早めに離れてしまいました。
ですが今回の一番の目玉は、空海さん自身が制作に携わったという『高雄曼荼羅』なのでしょう。
音声を聴きながらゆっくりまわっていると、いつの間にか17時の閉館時間が近づいてきました。
最後のほうは残念ですが急ぎ足で、ミュージアムショップへ!
図録(三千円)は2cm超えの厚さで、金と銀を使った装丁が美しいもの。
かなり重いですが、これは永久保存版!
ほかにも素敵な商品があって、ついつい買いすぎました。
同じチケットで、別館の『なら仏像館』にも入れます。
毎週土曜日は20時まで開館しているらしく、ゆっくり展示を見ることができました。
『なら仏像館』は、歴史がありそうな立派な建物でした。
こちらでは、写真撮影OKの展示物も。
ほかにも紀元前・中国で制作された青銅器の展示室もあり、かなりの見ごたえがありました。
『なら仏像館』も合わせて見るなら、2時間ではとても足りません。
夕陽色に染まる奈良は、とてもきれいでした。
<予習におすすめの映画>
今回、遣唐使として行った唐の様子や最澄さんとのやりとりなどで、イメージとして助けになったのは、1984年制作の映画『空海』でした。
好みはあると思いますが、中国ロケ、昭和の豪華俳優たちが出演していて、これほどのスケールの映画はもう作れないような気がします。
Amazonなどでは視聴できるようなので、見たことがない方はぜひ。(2024.4.16追記)
空海さん自身が掘ったという彫像に会いに行く、高野山への旅に続きます。
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