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umbrella
梅雨なので雨がよく降る(きょうは降らなかったけど)。雨粒が傘にぶつかってパツパツという音がするほどの雨の日、周囲のひとはみんな傘をさしていた。もちろん私もさしていた。
その情景を眺めていて、ふと父のことを思いだした。父は、子ども時代に貧乏をしていて、5人いるきょうだいみんなに足りる傘がなかったのだそうである。父は末っ子なので立場もよわく、雨の日に父がもつことのできたのは、ぼろぼろの番傘(と言ったとおもう)だった。
ともだちはみんな、ちゃんとした傘を持っているなか、自分だけぼろぼろの傘を持っているのが恥ずかしくて、雨の日がきらいだった。そんな話を、なんどか聞いた。昭和30年代のころのことである。
新品の傘(先月買った)で雨を避けて歩きながら、そのエピソードを思いだしたんだけど、子ども時代だけでなく、父は生涯を通してわりと貧乏であった(存命です)。
他にも父の貧乏話はたくさんあるが、そんなに貧乏がイヤだったくせに状況を変えようとはしなかったんだなぁ、とおもった。イヤなら、そうじゃない人生を目指せばいいのだ。
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そういえばひと月ほど前に、父の焙煎(コーヒー豆の)に付き合ってきた。店を閉めてからは立ち会うことがなかったから、久しぶりのことだった。コーヒー豆の焼ける匂いというものはいいものです。
少しだけ写真を撮ったから、載せておこうとおもって、でも話題がないから父の不名誉なエピソードを書くことになってしまった。まあ、家族としてわりと迷惑も被ったことだし、このくらいいいか。
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そろそろコーヒー豆が切れる。
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