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【私と本】ヨーロッパ3選

 とにかく紀行本の類が好きです。自由に旅行ができる日々はいつ戻ってくるのでしょうか。わからない。


遠い太鼓

遠い太鼓 -村上春樹- 講談社文庫

 文庫本でこの分厚さは頼もしい。まだ読めるという気分がいつまでもしてうれしい分厚さで、だけど終りはもちろんやってくる。ミコノス(ヴァンゲリス)、クレタ島、メータ村、トスカナの部分が特に好きだけど、毎回ちゃんと順に読む。その方がずっとたのしい。
 この本の第1刷は1993年、内容は1986年から89年の約3年間に著者の村上春樹氏がヨーロッパに暮らしたときの記録。年数を経て各国の状況はかなり変化しているはずだけど、文章が古くなることはなくいつ読んでもいいものです(私にとっては)。カバーのきもちよさそうな猫の写真は彼の奥さまが撮ったもの。
 2015年に出版された「ラオスにいったい何があるというんですか?」という本がある。これはいくつかの紀行文集で、ミコノス島とスペッツェス島への再訪について書かれている。ヴァンゲリスとアナルギロスのその後。


河童が

河童が覗いたヨーロッパ -妹尾河童- 新潮文庫

 一冊丸ごと手書き文字というエキセントリックなこの本もとてもたのしくて大好きな本。先に読んだのは「河童が覗いたインド」で、あっという間にこの方の視点やおもしろがり方や書く(描く)ものが好きになった。絶版になっている本が多いので、コツコツ古本を集めた。
 地続きになっているヨーロッパにおける地域の違いなどとても興味深い。もし私がポンとヨーロッパを旅をしたとして、そういったところに目が向いただろうか?きっぱりNOと言えるのが情けないが、この本によって旅のいろんなたのしみ方を教わった。
 こちらはもっと古く、第1刷は1983年。こうやって記事にするために手に取ってページを開くと、読みたくなってしまってぜんぜん進まなくなる困った本。あとがきの次のページの地図がまた大変うつくしい。


日記_

ヨーロッパ退屈日記 -伊丹十三- 新潮文庫

 スパゲッティ・アル・ブーロのところを読むと必ず食べたくなってしまう。あつあつ茹でたてのスパゲッティに、溶けたバターが絡んだつるつるのスパゲッティ。おいしそう。
 最初の出版は1965年、文藝春秋新社からというのを今知った。文章もイラストも好き。

 MUJI BOOKS「人と物8」で伊丹十三さんの本が出ているんですね(2018年)。若い方々にもまだ読んだことのない人にもいっぱい読まれるようになったらうれしいとおもいます。


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