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#11 ドイツのクリスマスマーケット【前編】

今回のヨーロッパ周遊を12月に設定し、最初の滞在国をドイツにしたのは大きな目的があるからだ。

「本場のクリスマスマーケットに行く」
これが今回の旅行のメインといっても過言ではない。

クリスマスマーケットの開催期間は11月下旬からクリスマス前日ぐらいまで。クリスマスイブやクリスマス当日は、クリスマスマーケット含め街中のお店がお休みになり、みなお家のなかで家族と一緒に過ごすそうだ。確かに12月24日・25日は街中は静まり返っていた。クリスマスマーケットに行くならクリスマス前に行けるように旅程を組まないといけなかった。

クリスマスマーケットは各都市で開催されていて、都市ごとの特色がある。
今回訪れたクリスマスマーケットは、フランクフルト・ケルン・ミュンスターの3都市。
フランクフルトは世界最古&ドイツ最大級、かつ立地がよくて行きやすい。
ケルンは、世界遺産であるケルン大聖堂前で開催されるため、ぜひ行ってみたい場所だった。
ミュンスターのクリスマスマーケットは穴場とされていて、ミズノが国際ボランティアで仲良くなったというドイツ人女性・Joanaが「ドイツに来るなら案内するよ!」と言ってくれたので(神)、一緒に回ることになっていた。


最初に訪れたのは、フランクフルトのクリスマスマーケット。
旧市街レーマー広場という、まるでディズニーの世界のような可愛らしいヨーロッパ建築が立ち並ぶ広場に、200件以上の屋台が出ていた。
ドイツ名物のホットドッグや、冷えた身体を温めてくれるグリューワイン、大きなプレッツェルに、クリスマスを象徴するシュトーレンやオーナメント、移動遊園地や聖書の名シーンを模したモニュメントなど、曇っていることなんて忘れるぐらい煌びやかな空間だった。
ミズノも私もお酒にめっぽう弱いので、グリューワインではなくホットチョコレートを注文。グリューワイン同様に、毎年デザインや色が異なるクリスマスらしいマグカップに注がれて出てきた。ホットチョコレートは程よい甘さで美味しいし、マグカップはかわいいし、身も心もホクホク。マグカップを返却すればいくらか返金されるが、このマグカップは持って帰って毎年クリスマスに家で使いたい!と思い、お持ち帰りした。
ホットドッグは日本で食べる形状とは少し異なっていた。パンは丸っこく、表面がパリッと固めで中がふんわり。そのパンの間に、パンの2倍ほどの長さの太いソーセージを挟んでくれた。ソーセージは直前まで天井から吊るされた大きな鉄板の上で焼かれていて熱々。お好みでケチャップとマスタードをかけていただくと、ジューシーなソーセージと香ばしいパンの風味が口に拡がった。本場ドイツのクリスマスマーケットで名物のホットドッグを食べたあの瞬間、大きな幸せを感じた。

広場の近くには、Eiserner Steg(アイゼルナー シュテグ)というマイン川にかかる有名な橋がある。
観光初日でテンションがあがっていたので、ミズノと「ここが、私のアナザースカイ」ごっこをした。ミズノはずっと「in London」と言っていた。フランクフルトの中心街で「ロンドン」と言う。彼女はそういう女だ。
通称「鉄の橋」と呼ばれる鉄柵には、恋人たちの愛の証である南京錠が無数に付けられていた。なぜ人はこういう場で南京錠をかけたくなるのだろう。人生で誰とも南京錠をかけたことがない愛を知らない女なので、意図が理解できない。もし恋人がいたとして、鍵をかけようとしたら「なぜ鍵をかけるの?そこになんの意味があるの?どういう理論なの?」と質問攻めにして100年の恋も冷めさせる自信がある。これを読んでいるあなたは絶対にそんなことをしないでほしい。100%幸せを逃すから。

この橋の近くに教会があって行った記憶はあるが、ヨーロッパ周遊期間に各国の教会に行き過ぎてどこがどんな教会だったか、写真撮影NGの場所は忘れてしまった。人間の記憶とは儚いものだ……(ただ物忘れが激しいだけ)。

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