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令和四年度自画自賛怪談集

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2022年5月の記事一覧

ついていきます。

最近になり、家の中でおかしなことが増えた。
家族全員でリビングにいる時に2階から足音がしたり、
誰もいないはずの部屋から女の笑い声がしたりする。
家を建てて20年近く住んでいるが、
曰く付きの土地ではないし、
家の中で誰かが死んだりもしていない。

どうしたものかと家族で悩んでいたら、
妻の知り合いに霊感がある人がいるという。
藁にもすがる思いでその方(Aさん)に頼んでみた。

私は仕事で立ち会え

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事故物件日当10万円

「めちゃくちゃ高時給のバイトを見つけたんだけど、一緒にやってみない?」
講義終わりに大学の友人から誘われた。
丁度金欠気味だったので、詳細を聞いてみることにした。

「どんくらいの仕事量で、どんくらい貰えるの?」
「アパートの1部屋を掃除して、一日泊まって日当10万円。」
「え?」
あからさまに怪しすぎる内容に、怪しすぎる日当。
普通なら断るような内容だが、好奇心が勝った。
僕は友人とバイトをする

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勝手に入る

ある雑誌で漫画を連載していたYさんの話。
なんとか原稿を提出した次の日、
提出した原稿のやり直しを頼まれた。

どこを直せば良いか担当に聞いてみると、
あるページの通行人の顔だという。

言われたページを見てみてドキッとした。
主人公達とすれ違った通行人の顔が、
思い切り読者目線で、
斜めに引き伸ばされたような顔をしている。
これじゃあ話が頭に入ってこない。
…こんな気持ち悪い顔描いたかなぁ。

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お笑いグランプリの怪

死んだ姉は生前、あるコンビ芸人Sのファンだった。
その芸人さんはまだあまり有名ではなかったが、
姉はわざわざライブを見に他県へ何度も遠征するくらい、熱狂的なファンだった。

そんなお笑いコンビが、
ついにあるお笑いグランプリへの決勝まで残り、
地上波で漫才をすることになった。
「姉ちゃんが生きてたらめちゃくちゃ喜んでただろうね」
そんな話をしながら母とテレビを見ていた。

そのコンビは優勝こそはで

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